始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2017年3月12日日曜日

IBM 小型レーザー・プリンターの今まで -第2回- その黎明期(続き)

レーザー・プリンターの印刷原理となっている電子写真方式の現像方式には、2 種類あります。
"電子写真"という言葉どおり、電子を使う"写真"ですから、初期の複写機では、写真と同じように光の当たった場所は白く、光の当たらない場所は黒くなりました。
具体的には、原稿に光を当てて、その反射光を感光ドラムに当てます。
そうすると、原稿の中でも光が吸収される黒い部分(文字)は、感光ドラムに光が届きません。
逆に、光が反射する、原稿の白い部分は反射した光が感光ドラムに当たります。

感光ドラムは、予め、帯電といって、表面に均等に電子が並んでいる状態にあります。
光の当たった部分は導体となるので、電子が流れて無くなります。
光の当たらなかった電子が残っている部分にトナーが付着して、それを紙に転写します。
最後はトナーを熱と圧力で紙に定着させます。
この現像方法は、写真と同じように光の当たった部分が白くなるので、"正規現像"と呼びます。
全面に、黒にトナーが付着した紙に対して、欲しいイメージの部分だけを残すように、光がトナーを掃いて白くしていくイメージを思い描いていただければ、良いと思います。

一方、その逆に、光が当たって箇所にトナーを付ける現像方法もあり、これを"反転現像"と呼びます。白い紙に、光が欲しいイメージを黒く描いていくイメージを思い描いていただければ良いと思います。今のレーザー・プリンターはこちらの方式になっています。

前回お話した、180DPI のレーザー・プリンター"5569-R01"は、正規現像を使ったレーザー・プリンターでした。
トナーの掃き残しを防ぐために、レーザー光は、次の図のように多少重なった状態になるように、感光体の上に、白くすべきパターンを描いていきます。
当時、レーザー・プリンターの解像度の主流は、240DPI か 300DPI なのですが、これらの解像度のドットの大きさに比べて、180DPI のドットの大きさは大きくなりますから、どうしてもドットの間隔は大きめになります。
しかも、ドットがくっきりと表現されるため、ドット間の隙間が目立つ文字となってしまったことを、よく覚えています。
正規現像のドット・パターン

逆に反転現像であれば、レーザー光の重なった部分が、黒になりますので、隙間が目立つことはありません。
そのため、レーザー・プリンターでは反転現像が採用されているのだと思います。
同様に、インパクト・プリンターであれば、インクの滲みもあって、ドットの間は目立ちにくくなっています。
反転現像のドット・パターン

前回もお話しましたが、元は外字の印刷に配慮して、別の言い方で言えば、24 ドット・プリンターとの互換性を守るために、この解像度を選択したわけですが、実際に、メイン・フレームのデータを 3270PC 経由で印刷することを考えると、外字の印刷を求められることは無いと言い切って良いと思います。そう考えると、解像度は 240DPI や300DPI とする選択もあり得たのではないかと、今になって思います。
AS/400 の世界では、外字を使用することは前提条件として配慮することは必須ですが、メイン・フレームの世界は、その点が異なっているようです。

その後、"5550"シリーズも、"PS/2" を日本語化した"PS/55"シリーズに変化していくのに合わせて、レーザー・プリンターも製品ライン・アップの一つとして正式に開発することになりました。
開発のリーダーには、US のボルダーからレーザー・プリンター開発経験者を招聘し、その下に私も加わりました。ところが、思わぬ事情から、製品発表まで予想外の時間が掛かることになってしまったのです。

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