始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。
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2017年11月11日土曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第14回 - Mapping Suite とは- 4 -

前回のお話で出できた "Mapping Virtual Printer" も含めて、"Mapping Suite" のライセンスの構成をお話しします。
先ず、3 種類のパックから 1 つを選択します。前回のお話にある表をご覧いただくと分かりやすいと思いますが、それぞれのパックの違いは、入力データ形式と出力データ形式の組み合わせの違いです。

1. Mapping V7 基本パック
AS/400 のスプールをカット紙化する、電子化するというほとんど多くのケースでは、このパックで対応できます。

2. Mapping V7 Industrial パック
出力データ形式として、"ZEBRA" や "IBM ProPrinter" 等が追加されています。
"ZEBRA" は以前ご説明した US 製のラベル・プリンターですが、Mapping と組み合わせて使用すると、AS/400 から LAN 直結で日本語のラベルを印刷できます。これは印刷データの中に、文字イメージも含めることができるからです。(国内には、何社かの販売、保守を行なう代理店があります。)
しかし、"IBM ProPrinter" や "EPSON FX" は、日本語対応していないドット・プリンター用の印刷データ形式なので、このパックは、国内用としては "ZEBRA" ラベル・プリンター用のパックと言えるかと思います。

3. Mapping V7 Premium パック
Industrial パックに対して追加された入力データ形式として、"SAP GOF"があります。これは、SAP 社の R/3 からの出力データ形式です。R/3 では細かな帳票設計機能は無いと聞いていますので、自由な帳票設計を行ないたい場合には、Mapping のこのパックが有効と思います。
また、追加された出力データ形式に、"GDI" があります。前回お話ししたように、Windows ドライバーを使った印刷を行なうためのデータ形式です。WindowsServer 上で稼動する MOM と組み合わせて使用します。
他のパックでは、"E-Document" を追加しないとできない PDF 生成が、基本機能の中で用意されている点も他のパックと異なります。

パックを選択したら、次は、"E-Document" と "DataBase" を追加するかを決めます。
"E-Document" の大きな特徴は、出力データ形式として "PDF" を追加できることです。つまり、PDF ダイレクト印刷や、電子化のためには、必須のオプションということになります。他に、出力した帳票を Web ブラウザーで見るためには、"HTML" 形式での出力が使えます。他に、Mapping の前処理として、スプールの並べ替え、結合、分割ができます。その機能を使うと、封入封緘機が必要とする OMR(Optical Mark Read) を帳票に追加できるようになります。

"DataBase"は、アプリケーションから出力されたデータや、取引先から渡されるデータが CSV 形式だった場合に、それを AS/400 上でスプールに変換する機能を提供します。また、DB2 等のデータベースから、必要なデータのみを取り出して、スプール生成することができます。
(残念ながら、現時点では、DBCS 文字の処理に問題があるため修正中です。)

他に単独のオプションとして、"Mapping Virtual Printer(MVP)" があります。PDF ダイレクト印刷や、XPS ダイレクト印刷、PCL モードや ZEBRA モードを持たないプリンターに対して、Mapping から自動印刷するために用意されたものです。Windows のPC に導入します。(もちろん、WindowsServerでも結構です。)
MVP は、Mapping で生成された PDF ファイルを受信すると、Adobe Reader(無償ライセンス)とプリンターのWindows ドライバーを使って自動的に印刷します。1 ライセンスで、25 個のプリンターを登録できます。1 台のプリンターにおいて、例えば、両面印刷と片面印刷の設定を使い分けたい場合には、プロパティの設定を変えて、プリンターの名称を変えた 2 つのプリンターを登録することになります。また、AS/400 から見ると、MVP 上に登録されたプリンター毎に、OUTQ が対応することになります。
MVP は、Windows のサービスとして稼動するサービス・モードと、画面が表示される GUI モードがあります。サービス・モードでは、処理中でも画面には何も表示されませんが、GUI モードでは MVP の画面が表示される他、瞬間的に Adobe Reader の画面が開きます。
MVP を使った自動印刷の流れ

2017年6月11日日曜日

IBM 小型レーザー・プリンターの今まで -第14回- "PAGES"-8

2003年は、WindowsXP がリリースされた年です。この年、IBM は、小型レーザー・プリンターのシリーズとして、"Infoprint 1000 シリーズ"を発表しました。
Infoprint 1332
MFPオプション付き Infoprint 1352
これらの製品は、Lexmark 社製品から OEM 提供を受けたものと思われます。社内開発を断念し OEM 製品による製品シリーズの拡充に切り替えたと考えられ、個人的には残念だったことを覚えています。
国内向け製品も同じ方針に合わせて、日本版という意味で、"Infoprint 1000J シリーズ"と銘打って、A3 サイズ対応で、印刷速度の異なる 3 モデルを、同じ年に発表しています。
この時から、それまでの 4 桁のマシン・タイプと 3 桁のモデル名の他に、各モデルに対応する "Infoprint 1316J" とか "Infoprint 1356J"といった名前が付くようになりました。その結果、この 3 モデルの概要は、次のようになります。

モデル名 型式         印刷速度  最大用紙サイズ
1356J     5596-3M6  32 枚/分  A3
1336J     5596-3M4  28 枚/分  A3
1316J     5596-3M2  22 枚/分  A3

標準モデルでは、PAGES に対応していません。標準で対応しているのは、"RPCS" モードとあることから、リコー社からの OEM 製品であることが分かります。
付属のプリンター管理ツールにも、"Infoprint Navigator" とか "Infoprint Administrator" というように、"Infoprint" の名前が付けられています。
標準では、リコー社独自のプリンター制御言語 "RPDL" にも対応していますが、Windows からの印刷では、"RPCS" モードがお勧めとなっています。"RPCS" モードは、主にイメージ・データとして印刷データを生成し、解像度も 1,200DPI と高くなっている点では、"5589-L36" の時の専用モードと類似の位置づけ、考え方の印刷データ形式と言えると思います。
Infoprint13X6J 標準とフル・オプション付き

では、PAGES はどうなったのでしょうか ? PAGES モードは、遅れてオプションとして発表され、PAGES オプション付きのキッティング・モデルとしてのみ、提供されることになりました。
キッティング・モデルには、発注用に "M" の代わりに "P"が付いた型式(例えば、5596-3P6)が付けられましたが、このことにより、次のような制約が発生しました。

- 標準モデルを購入後、PAGES オプションが必要になっても後付けができない。
- 購入した製品に、PAGES オプションが付いているかは、プリンターの構成情報を印刷しないと分からない。つまり、"5596-3M6" というプリンターに、PAGES オプションが"キッティング"されているので、プリンターに貼られているシールには、"5596-3M6" としか記載されていないということです。

その結果、特約店やお客様では混乱が発生したことがあることは、否めません。

また、標準モデルでは、オプションも含めると、次のようなに多くの種類の印刷データ形式に対応していて、受信した印刷データを自動認識することもできました。
- RPCS
- RPDL
- PostScript3
- ESC/P
- PR201H
しかし、PAGES に対しては少し冷たく、自動認識できないことがありました。そのため、Windows からの "RPCS" モードを使った印刷と、PCOMM プリンター・セッションからの "PAGES" モードでの PDT 印刷が、1 台のプリンターに対して混在する場合、問題が発生することが、少なくありませんでした。その対策に関しては、次回、お話します。
 

2017年6月4日日曜日

IBM 小型レーザー・プリンターの今まで -第13回- "PAGES"-7

PC の OS の主流が、まだ、J-DOS や DOS/V だった頃には、ワープロや表計算、オンライン端末といったアプリケーションが、それ自身で印刷データを生成して、プリンターに送信してくるという仕組みでした。
一方、インパクト・プリンターと比べて、レーザー・プリンターは、縮小指定、用紙トレイ指定、用紙方向縦/横指定、4 辺の余白の指定等々、制御コマンドの種類が多いのですが、メーカー間で統一されたコマンドは、ありませんでした。
そうなると、各レーザー・プリンター・メーカーは、標準のプリンター制御コマンドを独自の規格で決めて、多くのアプリケーション・メーカーに対応していただくことで、競争力になると判断したわけです。そして、更に、他社が真似して同じコマンドに対応してきたとしても、その時には、自社が先行してコマンドを拡張しておくことで、自社の優位性が保たれるとも考えました。

その際に、インパクト・プリンターの実績のあった、IBM と EPSON 社は、インパクト・プリンターのコマンドを独自に拡張する方式で、それぞれ、PAGES、ESC/Page というレーザー・プリンター向けの規格を作りました。それ以外のレーザー・プリンター・メーカー、例えば、CANON 社は、LIPS という全くレーザー・プリンター独自の自社規格を決めて、多くのアプリケーション・メーカーのサポートを得ていました。
その中で、多くのプリンター・メーカーがターゲットにしたのが、IBM の AS/400 やメイン・フレームのシステム・ユーザーです。この市場は大きいと判断したのだと思います。
それらのシステムからの印刷を行なうためのアプリケーションは、3270PC であったり、5250PC ですが、それらは、5577 形式か、ESC/P 形式のコマンドしか送信しません。そこで、5577 のマニュアルに記載されているコマンドの説明や、それらアプリケーションからの印刷データを調べて、5577 互換 + 各社独自のレーザー・プリンター制御コマンドという組み合わせの、所謂「5577 エミュレーション・コマンド」(エミュレーションとは、真似という意味)を、レーザー・プリンターのオプションとして販売しました。
5577 コマンドに対する各社の拡張

しかし、その後、Windows の登場によって、印刷データの流れは大きく変化し、アプリケーションは印刷データの生成という作業から解放され、その分の仕事は、自社プリンター用のドライバーの開発として、プリンター・メーカーに移ったわけです。自社の規格を業界標準として競争力を維持するという戦略の下に、独自規格でコマンドを決めてきたことが、Windows の登場によって、自社の負担になってしまったという、皮肉な結果になっています。

そのような時代の変化の下で、AS/400 も含めたホスト・システムから、端末アプリケーションを介して、(PAGES も含めた)5577 互換のレーザー・プリンターへの印刷という図式も、いつの間にか崩れてきたようです。
つまり、一般の Windows アプリケーションと同様に、PCOMM プリンター・セッション経由の印刷も、最早、PDT 印刷ではなく、PDT を指定しないドライバー印刷で対応可能になってきているようです。
これは、PCOMM 側の改良や、プリンター・メーカーによるドライバーの改良の両方が寄与していると思います。

さて、そうなってくると、PAGES の必要性は、どこかに残っているのでしょうか ?
それは、次の 3 つのケースに絞られるかと思います。
1. OS/400 のHPT 機能を使った、AS/400 からの LAN 直結印刷の場合
2. AS/400 上のアプリケーションとして、PAGES コマンドをキャラクター・モードを使って送信する場合
3. AIX 等の UNIX 系のシステムからの文字印刷の場合

Windows のドライバー印刷では、印刷データは、アプリケーションとプリンター・ドライバーが、MS 明朝や、MS ゴシック等々の Windows に付属のフォントのイメージを使って、文字もイメージ・データと各ページのイメージをプリンターに送信してきます。
それに対して、"1" と "3" は、途中にWIndows を介しませんから、文字は文字コードとしてプリンターに送られ、プリンターが内蔵フォントを使って印刷イメージを生成します。
次の画面は、OS/400 V7R1 において、リモートOUTQの設定の画面ですが、コマンド変換するための選択肢である "MFRTYPMDL" にも、例えば "*IBMPAGES300" が準備されています。これは、前回までお話した、300DPI の解像度を持つ、ネットワーク・プリンター・シリーズの PAGES オプション用のものです。
MFRTYPMDL *IBMPAGES300

"2" は、文字通り、キャラクター = 文字としてプリンターを制御する PAGES コマンドをプリンターに届けないとなりませんから、プリンター・セッションでは、印刷データはイメージではなく、文字コードや制御コマンドとしてプリンターに送信する必要があります。
例えば、スプール・データの 1 ページ目は、A3 サイズの用紙に印刷するが、2 ページ目以降は、A4 サイズ用紙に印刷するといった業務の場合、データの先頭で、A3 サイズの用紙がセットされた用紙トレイを指定し、2 ページ目の先頭では、A4 サイズの用紙がセットされた用紙トレイを指定するコマンドを、印刷データの中に埋め込むことになり、このような場合に、キャラクター・モードが使用されます。
この業務を継続するために、PAGES モードを持ったプリンターを使い続けるという方法以外に、PAGES という一種の制約を外すことを検討するのであれば、Mapping Suite のようなソリューションの導入を検討されるのが良いと思います。

2017年5月20日土曜日

IBM 小型レーザー・プリンターの今まで -第11回- "PAGES"-5

Network Printer シリーズ 3 モデルを一気に発表した翌年である 1998 年 には、A3 サイズ対応で中速(20 ページ/分)のモデル "4320-003" を、更に翌年 1999 年には、同じ A3 サイズ対応の高速(40 ページ/分)のモデル "4332-006" を、2000 年には、A4 サイズ対応で 20 ページ/分の速度を持つ "4322-003" を相次いで発表しています。
これらの主な特徴は、次のとおりでした。

- InfoPrint 20 (4320-003)
ブランド名が、"Network Printer" から "InfoPrint" に初めて変わりました。
また、ネットワークに接続して複数のユーザーで共有することを追求した結果、Windows PC からのドライバー印刷だけでなく、Mac や AIX からの 日本語 PostScript3 形式の印刷の場合にも、自動的に印刷データ形式を判断して切り換えて、印刷することができます。
その他、PAGES や、ドット・プリンター用として DOS/V の標準規格となった ESC/P にもオプションで対応します。
更に、大型システムや、AS/400 との直接接続印刷用として、AFP にも日本語対応するといった多彩振りです。
共有する以上、高い耐久性も必要で、月平均 7,500 枚、最高 75,000枚 の使用を想定した作りとなっていました。

印刷速度 : 20ページ/分(A4)
解像度 : 600DPI、1200DPI
印刷データ形式 : PCL5、日本語 PostScript3、IPDS(漢字)、PAGES、ESC/P、SCS(英数文字)
(IPDS、PAGES、ESC/P、SCS はオプション。)
InfoPrint 20
- InfoPrint 40 (4332-006)
既に気が付かれたと思いますが、4 桁の型式は、初め 2 桁は"43"で固定、後ろ 2 桁が印刷速度を表わすという仕組みになっています。しかし、この "InfoPrint 40" は、印刷速度が 40 ページ/分であるのに対して、型式は "32" となっています。これは、初めに海外で発表された時には、32 ページ/分の速度だったのですが、日本で発表する時点では、速度が少し高速化されて、40 ページ/分になったという経緯があったからです。
InfoPrint 40 は、InfoPrint 20 の 2 倍の印刷速度であるばかりでなく、給紙オプションや、排紙オプションによって、最高 3,550 枚の連続給紙や、最高 2,500 枚 の排紙容量を持った、最上位モデルでした。
サポートする印刷データ形式は、InfoPrint 20 と同じで、様々な形式の印刷データを自動判別して印刷することができました。
印刷速度が速いだけに、耐久性も月平均 50,000 枚となっていました。

印刷速度 : 40ページ/分(A4)
解像度 : 600DPI、1200DPI
印刷データ形式 : PCL5、日本語 PostScript3、IPDS(漢字)、PAGES、ESC/P、SCS(英数文字)
(IPDS、PAGES、ESC/P、SCS はオプション。)
InfoPrint 40
InfoPrint 40 フル・オプション構成
- InfoPrint 21 (4322-003)
これは、A4 サイズ対応のプリンターです。国内では A4 サイズ対応のプリンターは、A3 サイズ対応のものに比べてなかなか受け入れていただけませんでした。特に、このモデルだけは、PAGES と ESC/P オプションが用意されなかったので、従来製品との互換性の観点で、制約がありました。
それ以外は、意欲的な仕様を持っていた製品ですが、今となっては、その特徴を生かしきれなかったと思います。
印刷データ解像度 : 1200DPI
印刷速度 : 20ページ/分(A4)
耐久性 : 最高 100,000 枚/月
連続給紙容量 : 最高 1,750 枚
連続排紙容量 : 最高 1,100 枚
初めての Web ページ対応(ブラウザーを使って、プリンターの状況を表示したり、設定を変更する機能)
初めての IPP(Internet Printing Protocol) 対応
InfoPrint 21




2016年10月1日土曜日

ライン・プリンターの全て - 第11回- 日本語ライン・プリンターの初期設定-3

前回までの設定で、5400 ライン・プリンターを 1 台の AS/400、若しくは 1 つの LPAR にTelnet5250E で接続することはできましたが、例えば、それだけでは印刷量が少ないため、プリンターを有効活用するために、他の AS/400 や LPAR からの印刷にも使用したいというご要望は多くあります。1 台の 5400 ライン・プリンターに、複数の AS/400 から印刷させるために最も簡単な方法は、PC 上に接続先の AS/400 や LPAR に対応した複数のプリンター・セッションを立てて、プリンター・セッション経由の印刷とする方法です。しかし、プリンター・セッション経由の印刷では、かつてお話したように
  • PC に電源が入っていないと印刷できない。
  • APW のバーコード・パラメーターや大きな倍率の文字拡大は、コマンド変換されないため無効になる。
といった制約があります。
そこで、 1 台の AS/400(LPAR) からの印刷が多く、他の AS/400(LPAR) からの印刷は少ないようでしたら、1 台の AS/400(LPAR) からの印刷は Telnet5250E で接続した直結印刷とし、他の AS/400(LPAR) からの接続は、プリンター・セッション経由とするという接続方法が考えられます。
Telnet5250E と LPR5577を使った接続

その時には、どちらの AS/400(LPAR) から印刷操作を行なっても、そのまま印刷してほしいものですが、5400 ライン・プリンターの初期設定では、インターフェイスに Telnet5250E を選択すると、PC から LAN 経由で印刷させるための LPR ポートは同時に使用できません。(PC とパラレル・インターフェイスも接続できません。)
そこで、5400-F10/F06/F02 では、Telnet5250E 接続と LPR 印刷が、自動切換え(共存)できるようになりました。
初期設定を Telnet5250E と LPR の自動切換えにするのは、プリンターの操作パネルからはできません。前回までお話した Web ページを使った設定になります。
Telnet5250/LPR5577使用不可の状態
  1. Web ページにアクセスして、管理者モードに変更したら、左サイドのメニューの中の"プリンター設定"、そしてその子供メニューの"インターフェース・ポート"を選択します。
  2. 上のイメージの画面が表示されますので、"Telnet5250/lLPR5577 インターフェース"を、"使用可"に変更します。
  3. その結果、次のように"インターフェース・ポート"のメニューに"Telnet5250/LPR5577"が追加されますので、それを選択したら、"送信" -> "再起動"です。
Telnet5250/LPR5577使用可の状態

なお、"Telnet5250/LPR5577"の下に"Telnet5250/LPR5577 切り換えタイムアウト"として"5秒"が設定されています。これは、Telnet5250E 接続された AS/400(LPAR) からの印刷が終了した後、同じ AS/400(LPAR) から5秒間、印刷データが送信されなければ、LPR ポートからの印刷も受け付ける、あるいはその逆の順という意味です。このようなタイムアウト値があるということは、Telnet5250E 接続で印刷している途中で、LPR ポートを通した印刷データが送信されてきても、Telnet5250E 接続の印刷の途中に割り込まれることが無いようにできていることを、意味しています。同時に、Telnet5250E 接続の印刷が完了してから、LPR ポート経由の印刷が始めるまでには、5秒間待つ必要があるということも意味しています。
タイムアウト値を小さくすれば、切り換えの待ち時間を短くすることができますが、その時には、印刷データの送信完了まで、印刷データ送信が途中で途切れることが無いという条件が厳しくなります。
Telnet5250E とLPR の自動切換えで注意が必要な点は、他に、次のようなものがあります。
  • LPR ポート経由の印刷は、5577 モードのみで、ESC/P モードには対応していません。
  • Telnet5250E 接続の場合、外字は、予めプリンターにダウンロードした文字が使用されますが、LPR ポートを通したプリンター・セッション経由の印刷では、PC の持つ Windows 外字を使用します。
  • Telnet5250E 接続で AS/400 と接続された状態になっていないと、LPR ポート経由の印刷もできません。

2016年9月3日土曜日

ライン・プリンターの全て - 第8回- 日本語ライン・プリンターの歴史-8

"5400-L06"が発表されてから 3 年後の 2006 年に、その後継機であり、2016 年の現在も販売中の"5400-F06"が発表されました。中速機のシリーズでは久し振りに筐体が変わりました。特に、上面に平らな部分ができたので、5327 以来、久し振りに、印刷後の用紙を置くことができるようになりました。
"5400-F06"は、それまでの、"5400-006"、"5400-S06"、"5400-L06"と比較して、次の点が異なります。
  1. カバーが全て金属製となったためか、印刷中の音が、明らかに小さくなりました。
  2. 印刷後の用紙を取り出すための扉が、左側の他に右側にも付きました。そのため、左右どちらの部屋の隅にも置くことができます。
  3. Twinax 接続のオプションが無くなりました。
  4. Telnet5250E と LPR の自動切換えモードを選択できるようになりました。これによって、AS/400 からの印刷と、Windows PC からの LAN 経由の印刷が混在する時に、プリンターの初期設定を変更して再起動を待つ必要が無くなりました。
  5. 印刷速度が、10% 以上、速くなりました。
  6. 印刷速度を落とさずに、印刷用のピンの押す力(印字圧)を強めるモードが、コピー強化モードに加わりました。用紙の厚さに対応して、印字圧調整レバーが、"1" よりも大きな値にセットされると、自動的にこのコピー強化モードとなり、操作パネルの"コピー強化"ランプが点灯します。
逆に、用紙表面の汚れを防ぐ"リボンつなぎ目スキップ機能"に対応したインク・リボンやインク・リボン・カートリッジは、従来と共通となっています。
5400-F06 外観

<"5400-F06"プリンターの主な仕様>
- 印刷速度 : 410 行/分(通常速モード)
                  570 行/分(高速モード、横方向1/3ドット間引き)
                  680 行/分(超高速モード、横方向2/3ドット間引き)
- 想定月間平均印刷枚数 : 12,000枚(15x11 インチ・サイズ用紙)
- 複写枚数 : オリジナル + 8 枚(コピー強化モード、厚さ 0.5mm まで)
- インターフェイス(標準) : LAN、パラレル
- 対応コマンド : SCSコマンド、テキスト・コマンド(Telnet5250E)
                      5577コマンド (LPR、パラレル・インターフェイス)、
                      ESC/Pコマンド (LPR、パラレル・インターフェイス)
- 内蔵日本語フォント : IBM 明朝体、平成明朝体、新旧JIS規格選択(5577モード)
- 英小文字と半角カナの共存印刷 : 可
- バーコード・コマンド : 対応(8 種類、SCS、テキスト・コマンド、5577 モード)
- 販売期間 : 2006 年 -

2007 年は、インフォプリント・ソリューションズ・ジャパンになった年ですが、その 2 年後、2009 年に、"5400-L02"は"5400-F02"に、"5400-L10"は"5400-F10"にモデル・チェンジしています。大きな変更はありませんが、LAN カードの機能の共通化を生かして
  • "5400-F02"、"5400-F10"共通に、Telnet5250E と LPR の自動切換えに対応しました。
  • "5400-F10"では、"5400-L10"では間に合わなかった"プリンターWebページ"が、追加されました。
それぞれのモデルが、2016 年現在、現行モデルとして販売中です。

これで、2016 年現在まで戻ってきましたので、次回からは、ライン・プリンターの使い方をお話ししたいと思います。

2016年8月27日土曜日

ライン・プリンターの全て - 第7回- 日本語ライン・プリンターの歴史-7

前回ご紹介した"5400-L02"と同じく、2002 年に発表された、最高速モデル"5400-L10"は、他のモデルと異なり、1回の移動で縦 12 ドットを印刷する印字ヘッドを、上下 2 組持っています。そのため、縦 24 ドットの 1 行を印刷するには、印字ヘッドが右から左、若しくは左から右に 1 回移動するだけで済んでしまうので、高速印刷が可能になっています。しかし、それだけに、2 組の印字ヘッドの位置の調整を正しく行なわないと、文字は罫線が歪んで印刷されることになります。
また、1 回の印字ヘッドの移動で 1 行印刷できるために、インク・リボンの幅も広くなっています。そのため、他の中速モデルと低速モデルは、同じ詰め替えリボンが使えますが、"5400-L10"は別のものとなっています。
また、印刷速度が速いということは、その分、耐久性も高くないとなりません。そのために、用紙を送るためのトラクターも、他のモデルと異なり、かなりがっちりしたものとなっています。
5400-L10 外観
<"5400-L10"プリンターの主な仕様>
- 印刷速度 : 600 行/分(通常速モード)
                  800 行/分(高速モード、横方向 1/3 ドット間引き)
                  1,000 行/分(超高速モード、横方向2/3ドット間引き)
- 想定月間平均印刷枚数 : 20,000枚(15x11 インチ・サイズ用紙)
- 複写枚数 : オリジナル + 7 枚(コピー強化モード、厚さ 0.5mm まで)
- インターフェイス(標準) : Twinax、LAN、パラレル
- 対応コマンド : SCSコマンド、テキスト・コマンド(Telnet5250E、Twinax)
                      5577コマンド (LPR、パラレル・インターフェイス)、
                      ESC/Pコマンド (LPR、パラレル・インターフェイス)
- 内蔵日本語フォント : IBM 明朝体、平成明朝体、新旧JIS規格選択(5577 モード)
- 英小文字と半角カナの共存印刷 : 可
- バーコード・コマンド : 対応(8 種類、SCS、テキスト・コマンド、5577 モード)
- 販売期間 : 2002 年 - 2009 年

翌年、2003 年には、"5400"シリーズの中核となる中速モデル"5400-L06"が、発表されました。このモデルによって、中速モデルも内蔵 LAN カードが他の速度のモデルと共通となり、共通仕様となっています。
5400-L06 外観
<"5400-L06"プリンターの主な仕様>
- 印刷速度 : 360 行/分(通常速モード)
                  500 行/分(高速モード、横方向1/3ドット間引き)
                  600 行/分(超高速モード、横方向2/3ドット間引き)
- 想定月間平均印刷枚数 : 12,000枚(15x11 インチ・サイズ用紙)
- 複写枚数 : オリジナル + 8 枚(コピー強化モード、厚さ 0.5mm まで)
- インターフェイス(標準) : LAN、パラレル
                        (オプション) : Twinax(LAN、パラレルと共存可能)
- 対応コマンド : SCSコマンド、テキスト・コマンド(Telnet5250E、Twinax)
                      5577コマンド (LPR、パラレル・インターフェイス)、
                      ESC/Pコマンド (LPR、パラレル・インターフェイス)
- 内蔵日本語フォント : IBM 明朝体、平成明朝体、新旧JIS規格選択(5577 モード)
- 英小文字と半角カナの共存印刷 : 可
- バーコード・コマンド : 対応(8 種類、SCS、テキスト・コマンド、5577 モード)
- 販売期間 : 2003 年 - 2006 年

細かい点ですが、"5400-L06"では、"5400-006/S06"から改善された点があります。それは、印刷中に印字ヘッドの前に来たインク・リボンにつなぎ目があることを、自動的に検知して、その部分は印刷に使用せず、飛ばす機能が追加されたことです。
インク・リボン・カートリッジとインク・リボン
インク・リボンは、長い布のリボンの両端を、溶かして接着し、大きな輪の状態になっています。リボンを 1 回ひねってから接着すると、"メビウスの輪"となりますので、印刷する際にインク・リボンが回転していくと、自動的に表と裏の両面を印字ヘッドのピンが叩くことになります。これは、1 本のインク・リボンをできるだけ有効に使用するための知恵なのですが、このつなぎ目の部分をピンが叩くと、他の部分よりも毛羽立ちしやすくなります。その毛羽立った先が用紙の表面をこすり、インク汚れを付けるという現象が、この中速モデルで発生しました。
(不思議なことに、高速モデルや低速モデルでは発生していないようです。)
その対策として、インク・リボンのつなぎ目の近傍にマークを付け、プリンター側に追加したセンサーが印字中にそれを検知したら、その部分が通過してから印刷するような改良を加えました。その結果、5400 プリンター用のリボンには"スキップ機構対応"とそうでないものの 2 種類が存在しますが、当然、"5400-L06/F06"用には"スキップ機構対応"のものが、お勧めです。

2016年8月20日土曜日

ライン・プリンターの全て - 第6回- 日本語ライン・プリンターの歴史-6

AS/400用ライン・プリンターの標準機として、"5400-006"が1998年に発表され、更に、2年後の2000年には、LAN 接続用のオプションも発表されて、当時の IBM ライン・プリンターは磐石の地位を築いたように思えましたが、やはり世の中に"競合"は常にあるものです。互換機メーカーから同じクラスのライン・プリンターが発表され、そのモデルでは、プリンターの左側面に、印刷済みの用紙を取り出せる扉が付いていました。
保守も含めて必要な設置スペース
ライン・プリンターでは、一度に大量のページを印刷することが多くあります。印刷が終了すると、通常は、操作パネルで、印刷中断状態にしてから"改ページ"ボタンを押して、印刷した最終のページの下側のミシン目で用紙を破れるように紙送りします。

印刷済みの用紙は、プリンター内部の後ろ側に落としますので、それを回収するには、後ろの扉を開けないとなりません。それは、プリンターの後ろ側には予め、扉を開けるためのスペースを空けておかないとならないことを意味します。マニュアルにも左のような図で説明してあるのですが、実際にはそのような空きスペースの余裕が無いお客様が多く、プリンターの後ろは壁に付けて設置したいというご要望は、古くからありました。



 その点で、プリンターの左側面や右側面に扉があれば、背面を壁に付けて設置しても、横から印刷済みの用紙を取り出すことができます。
左側の扉を開けた様子
 そこで、急遽、2002年に、左側に扉を付けた"5400-S06"という、"5400-006"の派生モデルを発表しました。
この"5400-S06"では、3種類のインターフェイス、パラレル、Twinax、LAN を標準装備していたのも大きな特徴です。


2002年は、ライン・プリンターの当たり年で、新製品が、他に 2 種類発表されています。
低速モデルの"5407-001/011"の後継製品である、"5400-L02"と、高速モデルの"5427-001"の後継製品である、"5400-L10"です。
先に発表された"5400-L10"は、後にバージョン・アップも行われて、"5400-L02"、"5400-L06"、"5400-L10"は、共通となる仕様を多く持つようになりました。その共通の仕様とは、次の 8 点です。
  1. LAN とパラレル・インターフェイスが標準("L10"モデルは、Twinax 接続も標準)
  2. Telnet5250E で必要な、外字の保存可能な文字数は、4,370 文字(5400-S06は、4,370文字、5400-006 の LAN オプションでは1,152 文字)
  3. JIS第3、JIS第4標準の文字を内蔵し、CCSID1399(バージョン1)に対応
  4. 内蔵フォントの書体は、IBM 明朝体のセットの他に、平成明朝体のセットも選択可能
  5. Web ページにより、操作パネルの液晶表示を PC 上で表示、初期設定を PC から変更可能(← 訂正 : L10モデルでは、後継のF10モデルから実装)
  6. バーコード・コマンドによるバーコードを印刷する行のみ、ドットを間引かない通常速モードで印刷することによって、高速モード、超高速モードでも読み取り精度の低下なくバーコード印刷が可能
  7. バーコードの種類は、元々ある6種類の他、郵便番号、CODE128、QRコード(5577モードのみ)
  8. SCS コマンド以外に、文字データのようにして、バーコードや文字拡大を指定可能な、テキスト・コマンドの採用(バーコードの印刷方法 - 第2回 コマンドを使う、もう一別の方法 -を併せてお読みください。)
5400-L02外観
<"5400-L02"プリンターの主な仕様>
- 印刷速度 : 150 行/分(通常速モード)
                  205 行/分(高速モード、横方向1/3ドット間引き)
                  225 行/分(超高速モード、横方向2/3ドット間引き)
- 想定月間平均印刷枚数 : 6,000枚(15x11 インチ・サイズ用紙)
- 複写枚数 : オリジナル + 8 枚(コピー強化モード、厚さ 0.5mm まで)
- 対応コマンド : SCSコマンド、テキスト・コマンド(Telnet5250E、Twinax)
                      5577コマンド (LPR、パラレル・インターフェイス)、
                      ESC/Pコマンド (LPR、パラレル・インターフェイス)
- 内蔵日本語フォント : IBM 明朝体、平成明朝体、新旧JIS規格選択
- 英小文字と半角カナの共存印刷 : 可
- バーコード・コマンド : 対応(8 種類、SCS、テキスト・コマンド、5577 モード)
- 販売期間 : 2002年 - 2009年

2016年8月14日日曜日

ライン・プリンターの全て - 第5回- 日本語ライン・プリンターの歴史-5

日本語ライン・プリンター・シリーズの中核となる中速モデルが、耐久性を向上した"5400-006"に代わって、一安心といったところでしたが、次の課題が新たに出てきました。
"5400-006"プリンターが発表された1998年の3年前は、Windows95が発売され、インターネットの普及が始まった年です。インターネットの普及に合わせて、企業の現場では、ネットワークは、IBM独自のTokenRing(トークン・リング)方式からEthernet(イーサネット)方式へ、プロトコルも、IBM独自の"SNA"から、"TCP/IP"へというように、メーカー独自規格から業界標準規格に移っていく傾向が始まりました。AS/400 の世界では、機器の接続が、"Twinax"接続から"ネットワーク"接続へ、徐々に移行していったわけです。AS/400 自体でも"Twinax"接続機構は、標準からオプションへと変わって行きます。

そうなると、ライン・プリンターの接続方式も"Twinax"接続ばかりではなく、PCOMM のプリンター・セッションを経由した方式が増えていきました。それは、プリンターに対して印刷データを生成して送信してくるのは、AS/400 ではなくなり、"ibm5577.pdt"というPDTファイルを参照して、5577 形式の印刷データを生成、送信するプリンター・セッションになることを意味します。

そのような状況の中で、お客様から問題として指摘され始めたのが、"Twinax 接続と比べて、プリンター・セッション経由では、罫線のある行の印刷が遅い。"という現象です。(因みに、ライン・プリンターで印刷が遅いというのは、印刷中に紙送りが止まることがあることを意味しています。)
プリンターの開発部門と一緒に原因を調べて判明したことは、次のとおりです。
  1. 罫線は縦24ドットのイメージ・データとして、プリンター・セッションから送られている。
  2. 実際に印刷する罫線は、縦2ドット程度の"黒イメージ"だったとしても、印刷データとしては、残りの縦22ドットの"白イメージ"もあるわけで、罫線の長さに比例して、印刷データ量が大きくなる。
  3. その印刷データを生成する PC 側の処理速度、ネットワークによる通信速度、受信したプリンター側での処理速度、全てに対して負担が大きくなって、印刷速度の低下を引き起こしている。(現在の PC の処理速度や、ネットワークの通信速度だったら考えられないことですが)
5577モード :2ドット幅の横罫線の印刷データ
しかし、プリンターの開発部門で対応できるのは、プリンター側での処理速度でしかありません。それでは効果を期待できませんので、対策として決まったのが、"Telnet5250E"接続の採用です。その狙いは、次の2点です。
  1. 標準のプロトコルとなっていく"TCP/IP"の規格の一部であって、Twinax接続とほぼ同じ操作性を実現できること。
  2. 罫線を引くためのコマンドが、AS/400 から発行されるSCS形式のコマンドとなるため、罫線の始点と終点を座標で指定する方式になる。そのため、罫線を印刷するためのデータ量の大幅な削減が期待できる。
SCSモード : 横罫線の印刷データ
"Telnet5250E"については、AS/400からの印刷 ~基礎編-3~をご参照ください。

"5400-006"プリンターでは、2000年に、LAN カードを Twinax カードとの選択オプションとして発表しました。新規発注分に対して選択できるだけでなく、使用中の"5400-006"プリンターに対しても、技術員による交換作業により、LAN 接続に変更できるようになっていました。
LAN カードは、プロトコルとして"Telnet5250E"だけでなく、"LPR"も初期設定で選択可能となっていました。"LPR"プロトコルに設定した場合には、"5577モード"か"ESC/P"モードに対応したプリンターとして使用できます。具体的には、Windowsが稼動するPCや、AIX が稼動するIBMワークステーション(RS6000)からの印刷にも使用できるということです。整理すると、Twinax接続の代わりにLAN カードを選択した場合、次の3種類の内1種類のプリンターとして使用できるということになりました。
  • AS/400 からTelnet5250Eを使った印刷(SCSコマンド)
  • PC や RS6000 からLPR/LPDを使った印刷(5577モード)
  • PC や RS6000 からLPR/LPDを使った印刷(ESC/Pモード)
実際に、この LAN カードを使った"Telnet5250E"によって、罫線による印刷速度の低下は解消しました。

2016年8月6日土曜日

ライン・プリンターの全て - 第4回- 日本語ライン・プリンターの歴史-4

第2回に出てきた"5417"プリンターは、耐久性の指標となる"想定月間平均印刷枚数"が、その前の"5327"プリンターの 2/3 だったことが影響してか、耐久性 = 故障率の面でお客様から問題を指摘されることが多くありました。

因みに、"想定月間平均印刷枚数"は、プリンターを設計する時に、どの程度の耐久性を持たせるかを判断する元の数字となるものです。そして、この値を元に、各部品の故障率が算定され、それを元に保守作業のコスト(部品代と人件費)が計算され、それを元に年間保守契約料金が決まってきます。また、日本語ライン・プリンターの無償保証期間は1年間ですが、その間の保守コストは、製品価格を決める時に組み込まれます。
従って、"想定月間平均印刷枚数"以上の枚数を継続して印刷すると、お客様から見れば、故障頻度の高いプリンターとなり、現場のユーザーのクレームの元になります。一方、保守する側から見れば、一定料金の保守契約料金に対して、コストが大きくなり、赤字になる可能性が出てくるということに繋がります。

そこで、"5417"が発表された 1994年から4年というライン・プリンターとしては比較的短期間の後、1998年に、耐久性を改良した"5400-006"プリンターが発表されました。
  • 5400-006

"5400-006"は、"5417"の改良版ですから、外観上は操作パネルの色が変わった程度で、大きな違いはありません。しかし、中身は改善されています。
  1. <耐久性>懸案だった"想定月間平均印刷枚数"は、"5327"と同じ"12,000枚(15x11インチ用紙)/月"になりました。
  2. <インターフェイス>Twinax ケーブル用のコネクターと、パラレル・インターフェイス・ケーブル用のコネクターの両方を持ち、初期設定で、どちらの接続方式を使うかを選択できるようになりました。これによって、発注時にモデルを意識する必要がなくなったと共に、初めはTwinaxケーブルで接続し、将来はパラレル・インターフェイスで接続するという使い方も可能になりました。一方、販売する上からは、在庫管理が楽になりました。なお、"5400-006"から、パラレル・インターフェイス・モードでは、従来からの"5577"モードに加え、"ESC/P"モードも初期設定で選択可能となっています。
  3. <印刷速度>通常速モードの印刷速度が、330行/分から360行/分に向上しました。それに伴い、高速モードは、430行/分から500行/分に、超高速モードは、500行/分から600行/分に向上しています。
  4. <バーコード・コマンド>少し前に始まった、郵便番号用のバーコード・コマンドを追加しています。
5400-006プリンター外観
 <"5400-006"プリンターの主な仕様>
- 印刷速度 : 360 行/分(通常速モード)
                  500行/分(高速モード、横方向1/3ドット間引き)
                  600行/分(超高速モード、横方向2/3ドット間引き)
- 想定月間平均印刷枚数 : 12,000枚(15x11 インチ・サイズ用紙)
- 複写枚数 : オリジナル + 7 枚(コピー強化モード)
- 対応コマンド : SCSコマンド(Twinax接続)、5577コマンド(パラレル・インターフェイス)、
                       ESC/Pコマンド(パラレル・インターフェイス)
- 内蔵日本語フォント : IBM 明朝体、新旧JIS規格選択
- 英小文字と半角カナの共存印刷 : 可
- バーコード・コマンド : 対応(7種類)

- 販売期間 : 1998年 - 2003年
- 保守終了 : 2017年予定

2015年8月26日水曜日

HPT機能を使った印刷 - リモートOUTQの作成 -

今回は、先ず、LPR 印刷に相当するリモートOUTQからの印刷のために、リモートOUTQを実際に画面を追いながら作っていきます。サンプルとして、OS/400 V7R1 上で、PAGES モードのレーザー・プリンターへの直接印刷用のリモートOUTQ を作ります。
CRTOUTQ初めの画面
リモート・システムと待ち行列の指定
  1. 5250 端末画面で、"CRTOUTQ"というコマンドを実行します。左の画面は"QUSRSYS"というライブラリーに、"IP1000J"というリモートOUTQを作成する場合のサンプル画面です。それらの指定は任意ですが、"リモート・システム"には、必ず"*INTNETADR"を入力して実行キーを押します。(F4 キーを押すと、"*INTNETADR"以外にも選択肢が表示されます。)
  2. そうすると、"リモート印刷装置待ち行列"欄以下が表示されますので、そこに、宛先プリンターのLANカード固有の値を入力します。画面の"lp"(半角小文字)は、通常、多くのレーザー・プリンターや複合機用に使用できるようです。(Windowsの場合の、Standard TCP/IPポートのパラメーターである「キュー名」が、これに該当します。)
  3. 次のページでは、"接続タイプ"には、必ず"*IP"を、"宛先タイプ"には、必ず"*OTHER"を指定します。"ホスト印刷の変換"はデフォルトの"*YES"になっていると思いますので、カーソルをここへ移動して実行キーを押すと、追加のパラメーターが表示されます。
  4. *IBMPAGES300を指定
  5. ここで、次に表示される"メーカー・タイプ及び型式"で、印刷データをどのプリンターのモードに変換するかを指定します。プリンター・セッション経由の印刷では、PDT の選択に該当するわけです。F4 キーを押すと実に多くの選択肢が表示されますが、ここでは、PAGES モードのプリンター用として、2番目の画面に出てくる"*IBMPAGES300"を選択します。
<参考情報>
  •  同じ画面に"*IBM5575"があります。5577 モードに変換するには、これを選択します。("*IBM5575AMOV"は、テストしたことがありません。)
  • PAGES と名前が付いた選択肢が他にもありますが、今までの実績では"*IBMPAGES300"がお勧めです。
  • 他に日本語の印刷に対応した選択肢としては、"*CANLIPS3"があり、これは CANON 社のレーザー・プリンター用ですが、これもテストはしたことがありません。
CANON LIP3用の指定
  • もう一つは、"*ESCPDBCS"です。これは、ESC/P モードのインパクト・プリンター用ですが、これもテストはしたことがありません。
  • インパクト・プリンター用としては、他に、NEC 社プリンター用として"*NECPCPR201"がありますが、今後の修正は無いことが IBM 社のサイトに記載されています。
  • ESC/P用の指定
  • PCL モードのレーザー・プリンター用として、"*HP"で始まる名前のものが多数あります。このモードで日本語を印刷するには、プリンターには日本語用の内蔵フォントがありませんので、OS/400 からフォント・イメージを持った印刷データを送信する必要があります。(HP 社のレーザー・プリンターは日本語内蔵フォントを持っているようですが。) しかし、OS/400 自身もそのままでは日本語フォントのイメージを持っていませんので、AFP プリンター用のフォント・ライセンスを購入(導入)していただき、そのフォントを使用するように指定する必要が出てきます。

2015年7月8日水曜日

プリンター・セッション経由の印刷 第1回 - PDT印刷とは -

前回までのお話で、ポートの設定もできたので、次はいよいよ、プリンター・セッションのお話にしたいと思います。PCOMMやクライアント・アクセス(以降CA)、あるいはIBM製以外のエミュレーターでも考え方は同じで、プリンター・セッション経由の印刷には、
  • プリンター・セッションが印刷データを生成する方式
  • 一般的な Windows のアプリケーションと同様に、プリンター・セッションが、Windowsとデータのやり取りをして、プリンター・ドライバーが印刷データを生成する方式
の2種類の方法があります。前者はPCOMMやCAでは、「PDT印刷」と呼ばれています。PDT とは、Printer Definition Table の略で、5577 用の場合には、AS/400から送信されてくる文字コードをEBCDIC から Shift-JIS へ、制御コマンドは SCS形式から 5577形式へ変換するための参照テーブル(表)を意味しています。つまり、この表を参照しながら、プリンター・セッションがAS/400からの印刷データを 5577系のプリンターで印刷可能なデータ形式に変換する訳です。
PCOMMやCAには標準で用意されている PDT には、日本語対応のものは
  • 5577
  • ESC/P
  • PAGES
  • LIPS III
英語対応のものは
  • PPDS(IBMプロプリンター)
  • PCL
  • Basic ASCII
  • EPSON
 となっています。
標準添付されているPDTファイル
添付の画面は、CA V.6のフォルダーとファイルの構成ですが、"Pdfpdf"というフォルダーの中にこれらの PDT ファイルが用意されています。この中で、"PAGES"プリンター用に使用するのは、”ibm5585.pdt"です。"ibm5587.pdt"は古いバージョンで、これを指定すると正しい印刷結果が得られないことがありますので、ご注意ください。
"ibm5577b.pdt"に関しては、かつて、このPDTを指定すると、罫線印刷用の SCSコマンドを 5577 用の罫線コマンドに変換できたというお客様からの情報をお聞きしたことがありますが、PCOMMやCAのバージョンが変わると変換できなかったこともありましたので、現時点では"ibm5577.pdt"との違いは無いと思われます。

プリンター・セッションのPDT印刷の設定方法は、プリンター・セッションの画面で、「停止」ボタンを押して「作動可能」ランプを緑から黒に変えた後、「ファイル」->「プリンター設定」を選択して表示された画面(添付)で、「PDTファイルの使用」欄にチェックを入れます。そうすると、「PDTの選択」ボタンが使える状態に変わりますので、このボタンを押します。
プリンター設定画面

PDT選択画面

そうすると、左のような「PDTファイルの選択」画面が表示されますので、使用するプリンターに合わせたPDTファイルを指定して、保存します。
インパクト・プリンターを使用する場合には、通常はこの設定だけで終了ですが、レーザー・プリンターの場合には、「縮小」や「両面印刷」といったプリンター制御のための設定が必要になります。そのためには、「PDFファイル」を編集して、それをPDTファイルにコンパイルする必要がありますが、その方法は次回にお話します。

2015年5月25日月曜日

文字コードの深い世界 - "はしごだか"は印刷できるか -

「たかはし」さんの「たか」の字の多くは、「くちだか」と呼ばれる「高」という文字ですが、一方で無視できない数の「はしごだか」と呼ばれる「髙」の方がいらっしゃいます。(「くちだか」と「はしごだか」の違いが分かりますか?)
ところが、この「はしごだか」がコンピューターの世界では、あまり親切には扱われていないように思います。また、例えば、文字として入力も表示もできない携帯電話もあるようです。

IBMのホスト・コンピューターの世界では、EBCDICの文字コードの中では、「IBM選定文字」として特別に追加された文字のグループの中に、文字コード"x676B"が割り振られています。
5400全文字印刷の一部抜粋






同様に、5577等の内蔵フォントの文字コードShift-JISでは、IBM選定文字に対応する文字コードの中でも後ろの方に、文字コード"xFBFC"が割り振られています。
5577プリンター操作マニュアル抜粋














ユニコードの世界ではどうかと言うと、"9AD9"というコードが割り振られていますので、PCのみならず、携帯電話の世界でもユニコードに対応していれば、入力も表示も可能なはずと思います。
Windows付属ツール"文字コード表"の画面
どうも、この文字が、このような扱いになっている理由は、「高」の「異体字」として扱われていて、JISコードでは、単独の文字コードを割り振られていないことが原因のように思われます。
「異体字」と呼ばれる文字は他にもあるのですが、現実には姓に使用されている、この「髙」が、様々な問い合わせをいただくケースが最も多いように感じます。
JISコードでは、文字コードが割り振られていないということは、内蔵フォントがJISコードになっている「ESC/Pモード」では、「髙」は、内蔵フォントを使った印刷はできないということになります。
【余談】ESC/Pモードは、EPSON社の日本語インパクト・プリンター用の制御コードの名称で、「イーエスシーピー」とか「エスクピー」と呼んだりします。昔、DOS/Vではプリンターの制御コード体系としては「標準」として扱われました。(5577モードが標準にならなかったのは、当時の市場全体の台数では、ESC/Pのプリンターよりも5577系の方が少なかったということと、IBM色が強くなり過ぎないようにという配慮があったのでしょうね。)
そのため、5577系のドット・プリンターや5400系のライン・プリンターでも対応しています。

次回からは、文字コードの話を離れて、他のテーマにしたいと思っています。

2015年2月14日土曜日

AS/400からの印刷 ~基礎編-5~

5577プリンター
5577プリンター 
「2」のプリンター・セッション経由の印刷が、今では最も一般的な方式のように思います。
その背景としては、前回までお話しした直結型のプリンターが、比較的高価であること、機種が限られていること、そしてインパクト方式のプリンターが中心となっているため、オフィスで多く使用される小型のレーザー・プリンターや、複合機(コピー、FAX、スキャナー、プリンター一体
型のタイプ)に印刷するために、選択されてきたということと思います。
かつての、プリンター・セッションの設定も、「PDT印刷」でないと縦罫線
InfoPrint1000J PAGESモデル
InfoPrint1000J PAGESモデル
が左右にずれてガタガタに印刷されるといった問題がありましたが、最近では「ドライバー印刷」でも問題なく印刷できるようになってきているようです。
直結型の印刷の場合、文字コードは「EBCDIC」形式、制御コードは「SCS形式」でプリンターに送られてくるので、プリンターも内蔵フォントをEBCDIC形式で、制御コードもSCS形式で持っている必要がありますが、プリンター・セッション経由の場合には、プリンター・セッションが文字コードや制御コードを使用するプリンター用に変換するわけです。

日本語の「PDT印刷」の場合には、変換先の制御コードが「5577形式」「ESC/P形式」「PAGES形式」「LIPS形式」等に限定されています。「PDT」とは「Printer Definition Table」の略で、変換元のSCS形式のコマンドと、変換先の5577形式等のコマンドの変換テーブルを意味しています。
文字コードも、EBCDICコードを、5577用のPDTの場合には、Shift-JISコードに変換します。
これは、プリンター・セッションの役割をOS/400自身が行う、HPT(ホスト印刷変換)印刷の場合も同じです。

一方で、ドライバー印刷の場合は、プリンター・セッションもExcelやWord等のWindowsアプリケーションと同じ動きになりますから、プリンター・セッションはWindowsのAPIに従ってドライバーに印刷データを渡し、ドライバーは印刷イメージを生成してプリンターに送信します。

これらの話は非常に奥が深く多岐に渡りますので、詳細は別の機会に譲るとして、次回はこの方式の得失についてお話しします。