始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。
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2017年8月6日日曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第2回 - 2010年のお客様状況 -

前回ご紹介した 2002年のアンケート結果では、ライン・プリンターもまだ Twinax 接続で使用されているお客様が半数以上でした。
2002年の頃を振り返って見ると、AS/400 が Twinax 接続標準から LAN 接続標準に移行していく中で、対応するプリンターも、LAN 接続でも双方向通信が可能で、Twinax 接続からの移行の受け皿となる Telnet5250E に対応するものとして、連続用紙用レーザー・プリンターのInfoPrint250(5300-025) と、ライン・プリンターの標準モデルである 5400-006 の LAN カード付きモデルが発表されたのが、2000年でした。
InfoPrint250(5300-025)
Telnet5050E 対応のライン・プリンターの高速、中速、低速モデルのライン・アップとして、5400-L10、5400-S06、5400-L02が揃ったのが、2002年です。
また、ドット・プリンターを Telnet5250E に対応させるためのオプション、5400エミュレーターが翌年、2003年に発表されていますから、この頃のプリンターは、Twinax 接続から LAN 接続に徐々に切り替わっていく時代と言えるかと思います。

しかし、同時に、半数近くのお客様は電子化やレーザー・プリンターへの移行を指向していたことが分かります。私自身にも、古くなって保守も終了したライン・プリンターを、LAN 接続の新しいライン・プリンターに置き換えるお客様の比率が減っているという実感がありました。レーザー・プリンターへの移行と言っても、AFP だけでなく、PAGES モードを持つ小型の IBM レーザー・プリンターですら、お客様には"高い"と言われ、十分に受け皿になっていないという実感もありました。

今にして見れば、その頃から、メーカー縛りが無く、価格の安いレーザー・プリンター(消耗品コストは、インパクト・プリンターに比べて高くなりますが)に印刷できるようにするために、所謂"帳票ソリューション"を導入されるお客様が増えてきたのではないかと考えています。それらのソリューションのほとんどが、次のような処理を行いますので、Windowsのプリンター・ドライバーさえ持っているプリンターであれば、制約は無かったのです。
- AS/400 上のスプール・データを、例えば csv 形式のファイルに変換します。
 -> それを、Windowsサーバーに送信します。
  -> Windowsサーバー上で帳票イメージを作成して、プリンター・ドライバーを使って印刷します。

そこで、その後のお客様の変化を知るために、2010年4月に同様なアンケートを実施しました。その結果は、次のとおりです。

- 調査時期 : 2010年4月
- 有効回答社数 : 70社

1. AS/400 からの印刷に使用しているプリンター
1-1. ライン・プリンター    Yes : 58%    No : 36%    不明 : 6%
1-2. レーザー・プリンター    Yes : 66%    No : 24%    不明 : 10%
1-3. ドット・プリンター    Yes 74%    No : 20%    不明 : 6%
使用しているプリンターの種類

2. 帳票設計
2-1. RPG/COBOL, DDS でコーディングしている : 64%
2-2. APW も使用している : 16%
2-3. OS/400 上で稼動する帳票ソフトを使用している : 12%
2-4. Windowsサーバー上で稼動する帳票ソフトを使用している : 4%
2-5. 印刷しない : 4%
2-6. 不明 : 4%
帳票設計

3. 5年後の予想
3-1. 現行のまま継続する : 33%
3-2. 電子化により印刷量を削減する : 31%
3-3. 複写帳票を廃止してレーザー・プリンターへ移行する : 16%
3-4. 既存帳票は継続し、新規帳票は帳票ソリューションを使用する : 7%
3-5. AS/400 を廃止して Windowsサーバーへ移行する : 6%
3-6. 現行方式を維持し、増強する : 4%
3-7. その他、不明 : 3%
5年後の予想

4. 帳票ソリューション
4-1. 使用中のものへの満足度    満足 : 40%    不満足 : 23%    不明 : 37%
4-2. 選択のために重視する    価格 : 48%    稼動 OS 種類 : 20%    設計機能 : 13%    導入実績 : 9%    不明 : 10%
4-3. 稼動 OS : どちらでも良い : 44%    OS/400 : 33%    Windowsサーバー : 17%    不明 : 6%
帳票ソリューションについて


2017年6月25日日曜日

IBM 小型レーザー・プリンターの今まで -第16回- "PAGES"-10

ここで、少し脇道に逸れますが、PAGES モードのプリンターにとって外せない話題が、5400エミュレーターII です。
5400エミュレーターII は、前々回の IBM 小型レーザー・プリンターの今まで -第14回- "PAGES"-8 でご紹介した "Infoprint 13x6J" シリーズ 3モデルを発表した後の、2006年10月に発表されました。
5400エミュレーターII 外観

5400エミュレーターIIについては、既に LAN 直結で双方向通信する印刷方式"Telnet5250E" - 第5回 - でご紹介していますので、ここでは簡単な概要のみお話ししたいと思います。

初代 5400 エミュレーターは、 5400 シリーズ・ライン・プリンターと同様に、5577 系のドット・プリンターをTelnet5250E を使って、AS/400 と直接 LAN 接続して使用したいというお客様のご要望に基づいて製品化されたものです。その後、ドット・プリンターでできるのなら、PAGES のレーザー・プリンターでも、Telnet5250E 接続にできるはずというお客様の声に押されて、初期設定によって、レーザー・プリンターも選択できるようになった 5400 エミュレーターII ができました。
技術的な要素の他には営業政策的な意味もあったと思いますが、初代 5400エミュレーターからの移行(改造)はできず、5400エミュレーターII は、別製品として発表されました。
5400エミュレーターII の開発に当たって、一つの山は、プリンターと接続するパラレル・インターフェイスの規格が、ドット・プリンターとレーザー・プリンターでは異なる点にありました。
5400エミュレーターでは、ドット・プリンターに AS/400 からの印刷データを送信するだけでなく、逆に、プリンターから、印刷中とか、用紙切れや用紙ジャムといったエラー状態、といった情報を把握して AS/400 に送信するために、パラレル・インターフェイスの規格の中でも、コンバージド・モードという、正にこの目的にぴったりのインターフェイスの規格を使用していました。(ちょうど、ドット・プリンターをダム端末、即ち、端末専用機に接続する場合と同じです。)
ところが、当時のレーザー・プリンターには既にコンバージド・モードはありません。そのため、5400エミュレーターII では、パラレル・インターフェイスとして標準の IEEE1284 規格に合わせたインターフェイスで分かる範囲で、プリンターの状態を把握することになりました。
その結果、5400エミュレーターII の初期設定を行なう Web ページの画面では、初めにドット・プリンターに接続するのか、レーザー・プリンターに接続するのかを選択するようになっていました。それによって、インターフェイスの規格が変わり、内部で処理するマイクロコードが全く異なってくるからです。
5400エミュレーターII の機能

お客様のご要望に合わせて機能を拡張し、対応機種を増やしてきた 5400エミュレーターII ですが、いくつかの制約はありました。

- "Infoprint13x6J" の後継シリーズである "Infoprint17x6J"シリーズでは、パラレル・インターフェイスがハーフ・ピッチ・サイズで小型であったため、5400エミュレーターII を取り付けるためには、付属の変換アダプターが必要でした。その結果、取り付けると 5400エミュレーターII 自体の重さで下に傾いてしまい、接続が不安定になるという現象が発生しました。

- 更にその後に発表された "InfoPrint SP 8200 モデルN50" は、50ページ/分という PAGES モードを持ったレーザー・プリンターでは最高速のモデルでしたが、パラレル・インターフェイスが無かったため、5400エミュレーターII を使用できませんでした。

- レーザー・プリンターは受信バッファーのメモリー・サイズが大きいため、プリンター側では印刷データをたくさん溜められます。受信済みの印刷データを印刷するのは、プリンターの責任という考え方でできていますので、プリンターの電源を切られない限り、用紙ジャムや用紙切れ等のエラーが発生しても、印刷完了するまでは、メモリーから印刷データが消されることはありません。その結果、5400エミュレーターII 経由の印刷では、ページ数が少ないスプールの場合、印刷データは、一瞬でプリンター側に溜められますので、5250 端末の OUTQ の画面での、スプールの取り消しや保留が効かないということが発生します。また、取り消しできたとしても、想定以上の多くのページ数を印刷した後になってしまうということになります。この点は、受信バッファーの小さいドット・プリンターと異なる点で、如何ともしがたい点です。

- 5400エミュレーターII の価格が、レーザー・プリンター本体並みと揶揄されるくらいになってしまいました。これは開発費用の影響もありますが、一方ではレーザー・プリンターの低価格化がかなり進んだという面もあるかと思います。(初代の 5587-G01 の価格や速度と、Infoprint1000J シリーズのそれを比較すると 20年という歳月を考えさせられます。)



2017年2月25日土曜日

ライン・プリンターの全て - 第28回 - たまにいただくお問合せ-5

Q9. "5400"ライン・プリンターを新しいモデルに置き換えたところ、文字の上下が欠けて印刷されるようになったが、何が原因か。

A9. この現象は、日本語インパクト・プリンターの解像度(180 ドット/インチ)と、行ピッチの関係を知るための、良い事例です。
AS/400 からの印刷では、行ピッチには主に 6LPI(ライン/インチ) が指定されますが、稀に 8LPI や 7.5LPI が指定されます。

<<6LPI の場合>>
6LPI では、1 行の高さは、1/6 インチです。
5400 ライン・プリンターを含む日本語インパクト・プリンターの解像度は、180 ドット/インチですから、1 行の高さをドット数に換算すると
180 / 6 = 30 ドット
となります。
文字の高さは、24 ドットですから、文字の上下には 3 ドット分の余白ができることが、分かります。
これは、各行の文字の間には、6 ドット分の間隔ができることも意味しています。
6LPI の場合

<<7.5LPI の場合>>
7.5LPI では、1 行の高さは、1/7.5 インチになりますから、ドット数に換算すると
180 / 7.5 = 24 ドット
となり、文字の高さと同じになります。
つまり、各行の間隔が無く印刷されるということを表わしています。
7.5LPI の場合

<<8LPI の場合>>
8LPI では、1 行の高さは、1/8 インチです。
ドット数に換算すると
180 / 8 = 22.5 ドット
となります。
つまり、標準の高さ 24 ドットの文字では、上下約 1 ドットずつ上下の行の文字と重なって印刷されることになってしまいます。
これでは文字が読み辛いため、5400 プリンターの初期設定メニューの中に"全角文字高さ"という項目があり、24 ドットの他に、"8LPI フォント"を選択できるようになっています。
"8LPI フォント"は、元々高さのみ 22 ドットで構成されたフォントなので、8LPI のデータを印刷する際に使用すると、上下の行の文字と重ならないようになっています。

ただし、実際には、8LPI の指定の場合、データが、1 行おきにブランク行となっていて、4LPI 相当となっている場合が多いようです。
その場合に関わってくるもう一つの初期設定メニューが、"行の重なり"です。
高さ 24 ドットの文字に対して、デフォルトの"重ねて印刷"を指定して印刷すると、上下にはみ出たドットもそのまま印刷されますので、期待通りの印刷結果となります。
"行の重なり"を"削除して印刷"に指定すると、文字の上下 1 ドットずつ削除して印刷しますので、この質問にあるように、上下が欠けた文字が印刷されることになります。
つまり、 "行の重なり"は、8LPI という行ピッチで印刷する場合に、毎行印刷する場合には"削除して印刷"、1 行おきに印刷する場合には"重ねて印刷"に指定することで、読み取りやすい印刷結果が得られるための設定と言えます。
8LPI 1 行おきの印刷の場合

2017年2月12日日曜日

ライン・プリンターの全て - 第27回 - たまにいただくお問合せ-4

Q8. AS/400からの印刷に使用してきた"5400-006"を、"5400"の現行モデルに置き換えるに当たって、注意するべき点は何か。

A8. 現行の"5400-006"プリンター("ライン・プリンターの全て - 第4回- 日本語ライン・プリンターの歴史-4"参照)
をどのような方法で、AS/400と接続しているかを確認するよりも、新しい"5400"プリンターをどのように接続するかを考えることを優先した方が良いと思います。
接続方式の違いによって、メリットも注意点もそれぞれ異なりますので、それらをよく把握した上で、日々の業務に最適な接続方式を選択してください。

1. Telnet5250E による LAN 直結印刷
"5400"プリンターの標準的な接続方式です。
<<メリット>>
- AS/400 と LAN 直結になるので、プリンター・セッション経由の印刷と異なり、PC に依存することが無い。
- APW や プリンター・ファイルで指定したバーコード・コマンドや文字拡大、OCR-B フォント指定コマンドが、プリンター・セッション経由の印刷と異なり、全て有効となる。
- 高速モードや、超高速モードでの印刷であっても、バーコードのある行のみは、ドットを間引かずに印刷する通常速モードに自動的に切り替わって印刷するため、バーコードの読み取り精度を落とさない高速印刷が可能となる。
- 印刷中の保留や取り消し操作が、プリンター・セッション経由の印刷と異なり、AS/400 端末画面から可能となる。
- 用紙切れや用紙ジャムというエラー・メッセージが、プリンター・セッション経由の印刷と異なり、AS/400 端末画面に表示される。メッセージ応答として、印刷再開ページを指定することも可能となる。

<<注意点>>
- 外字を使用するには、予め"LODPPW"コマンドを使用して、プリンターにダウンロードしておく必要がある。(プリンターの電源を切った後でも保存される。)
- 接続先の AS/400 は1台(一つの IP アドレス)となる。接続先の AS/400(IP アドレス) を変更するには、"5400" の初期設定を変更し、再起動する必要がある。
- PC からの LAN 直結印刷(LPR ポート使用)とは、自動切換えが可能だが、"5400"プリンターのWeb ページ上で、初期設定を変更しておく必要がある。"ライン・プリンターの全て - 第11回- 日本語ライン・プリンターの初期設定-3" 参照

<<"5400-006"からの移行のための注意点>>
- Telnet5250E 接続では、OS/400 上の"自動構成"が可能です。使用していた"5400-006"のものと同じ OUTQ 名を継続して使用するには、既存の OUTQ や装置記述を、予め削除しておくと、新しい"5400"プリンターの"自動構成"がスムーズに行なえます。
- 初期設定の中の"半角文字セット"を"英数カナ文字"にするか、"英小文字"にするかで、半角カナ文字や、半角英小文字の文字化けに対応します。

2. PC 上のプリンター・セッション経由の印刷
複数の AS/400(LPAR) から自動切換えで印刷させるのに、適しています。
<<メリット>>
- PC 上に複数のプリンター・セッションを用意する、または、複数の PC 上にプリンター・セッションを用意することにより、複数の AS/400(複数の IP アドレス)からの印刷を、プリンターの設定を変更することなく、自動的に切り替えて行える。
- 外字は、プリンター・セッションを持つ PC のWindows外字を使用するので、プリンターに予め保存する操作が不要。
- AS/400 からの印刷の他に、PC 上の Windows アプリケーションからの印刷も、そのまま可能となる。

<<注意点>>
- PC を起動していないと、印刷できない。
- APW や DDS で指定したバーコードや、OCR-B フォント指定は無効になる。文字拡大指定にも制限がある。
- 印刷中の保留や取り消し操作はできない。
- 用紙切れや用紙ジャムというエラー・メッセージは、AS/400 端末画面に表示されない。
- 繰り返し印刷を防ぐために、プリンター・ドライバーのポート設定や、レジストリーの修正が必要になる。"繰り返し印刷の対策" 参照。


<<"5400-006"からの移行のための注意点>>
- もし、従来、"5400-006"が、プリンター・セッションを持つ PC と LAN 接続されていたのなら、"5400-006"と同じ IP アドレス を新しい"5400"プリンターに設定するだけで、移行は完了となります。(プリンター同士は互換性が高いので、ドライバーの入れ替えも不要です。)
- PC もプリンターと同時に新しくなるのであれば、PC 上では、
+ 5400 ドライバーの導入、設定("ライン・プリンターの全て - 第12回- 日本語ライン・プリンターのドライバー-1" 参照)
+ "標準 TCP/IP ポート"から"LPR ポート"への変更、それに対応したレジストリーの編集によるタイム・アウト値の変更
+ PDT ファイル、"ibm5577.pdt"を指定したプリンター・セッションの設定
以上が、必要です。
- 初期設定の中の"コードページ"を"932"にするか、"942"若しくは"943"にするかで、半角カナ文字や、半角英小文字の文字化けに対応します。

5400-006 プリンター外観

2017年2月4日土曜日

ライン・プリンターの全て - 第26回 - たまにいただくお問合せ-3

Q7. 複写帳票に印刷する業務に使用するライン・プリンターは、どのように選択したら良いか。

A7. 先ず、複写帳票が予めカット紙になっている場合は、ドット・プリンターしか対応できません。
(もし、連続用紙に印刷した後、ページ毎にカットするという運用が許されるなら、ライン・プリンターを使用できます。)
連続用紙に印刷するためのライン・プリンターを選択するに当たって、考慮する点は次のとおりです。

1. 用紙のサイズ、複写枚数、全体の厚さが、プリンターの仕様の範囲であること
この点に関しては、"5400シリーズ"のライン・プリンターでは仕様の違いがほとんど無いので、仕様の範囲に収まっているかを確認すれば十分と思います。
ただ、プリンターでバーコードも印刷する場合、インク・リボンのインクを使って印刷される 1 枚目のバーコードを読み取るのか、複写された 2 枚目以降を読み取るのかの違いによって、バー幅の設定を調整する必要があるかもしれません。特に複写された 2 枚目以降を読み取る場合には、自己発色紙よりも、裏カーボンと呼ばれる用紙の裏にインクが予め塗られた用紙を使用する方が、バーコードの読み取り精度は良いようです。

2. 耐久性
ライン・プリンターに限らず、どのようなプリンターでも"想定月間平均印刷枚数"を持っています。
これによって、プリンターの各部品の月間平均故障率が決まります。それと、各部品のコスト、交換に要する時間、人件費を総合して保守に掛かる経費を算出します。それが、保守契約費用や、保証期間中の保守費用になるわけです。
そのため、"想定月間平均印刷枚数"を超えて、プリンターを使用し続けると、お客様から見れば、故障頻度が多いということになりますし、保守を行なう会社から見れば、保守のコストが掛かりすぎということになります。(ライン・プリンターの保守契約費用は、定額であるからです。)
なお、月によって印刷枚数が大きく変動する場合には、1 年間での平均を見れば良いと思います。これは、保守契約が、通常は年単位だからです。

"5400"シリーズでは、"想定月間平均印刷枚数"は次のようになっています。
 5400-F02/L02 : 6,000 枚/月
 5400-F06/L06 : 12,000 枚/月
 5400-F10/L10 : 20,000 枚/月
(15 x 11 インチ・サイズ連続用紙、文字数 1,500 字/枚、全角:半角 = 3:7を想定)

3. 印刷速度
印刷速度の印刷速度の考え方は、ライン・プリンターの全て - 第3回- 日本語ライン・プリンターの歴史-3 でもお話しましたが、カタログ値としては、行ピッチが 6LPI(行/インチ) を前提として、通常速モードで、次のようになっています。
 5400-F02/L02 : 150 行/分
 5400-F06/L06 : 410 行/分
 5400-F10/L10 : 600 行/分
("5227"以降、"5400"シリーズでは、ドットの間引きを行なわない、24 x 24 ドットの文字を印刷する時の速度を"通常速"と呼んでいます。これは、ドット・プリンターである"5577"シリーズでも共通です。しかし、何故か、他社のライン・プリンターのカタログでは、1/3 のドットを間引く時の印刷速度を"通常速"モードと呼んでいるので、カタログで比較する際には、注意が必要です。)

ライン・プリンターでは、1 文字でも文字のある行が続く場合には、この速度で印刷されます。
文字の無い空白行が続くような場合には、高速で紙送りしますが、一定時間で何枚の用紙を印刷できるかという"スループット"を計算するには、次の計算方式で良いかと思います。
 11 インチ長の用紙、5400-F06 通常速モード(410 行/分)の場合
  6 行/インチ x 11 インチ/枚 = 66 行/枚
    410 行/分 ÷ 66 行/枚 = 6.2 枚/分
この計算式を参考に、使用する用紙の長さと、業務上必要なスループット(何枚/分)から逆算していけば、どの位の印刷速度(行/分)が求められるかを計算することができます。

もし、印刷速度と耐久性の組み合わせが、どれかのモデルと大よそ一致すれば良いのですが、例えば、印刷速度を元に選択したモデルでは、耐久性が大幅に足りないといった場合には、台数を増やすことを検討することをお勧めします。
逆に、耐久性は合っているが印刷速度が足りないという場合には、高速モードや超高速モードでの使用を検討されてはいかがでしょうか。特に"高速モード"の印字品質は、通常速モードのものとほとんど変わらないと判断されたお客様も多くいらっしゃいます。
5400-F10/L10 外観
5400-F06 外観
5400-F02/L02 外観

2017年1月29日日曜日

ライン・プリンターの全て - 第25回 - たまにいただくお問合せ-2

Q4. 新たに導入して使用開始した"5400-F10"プリンターにおいて、不可解な問題が発生することがある。

A4. "5400-F10/L10" プリンターの電源スイッチを入れた後、順調に起動しない、一定しないタイミングで、余分に改行したり改ページしたりするという不可解な現象が発生している時は、初めに電源をチェックしてください。
ライン・プリンターの全て - 第7回- 日本語ライン・プリンターの歴史-7 の回でお話したように、"5400-F10/L10" は、高速印刷を実現するために、印字ヘッドを 2 組使っています。そして、その結果、消費電流も大きくなっています。電源の規格は、通常のものと同じく、100V/15Aとなっていますが、実際には、他の機器と同じ電源コンセントを使用していると、電圧低下の影響を受けて、初めに記したような不可解な現象を起こすことがあります。
私自身の経験として、当時本社だった六本木のオフィスにいた頃に導入、設置したばかりの "5400-L10" プリンターが、電源スイッチを入れた後、初期診断テストを繰り返すばかりで、"印刷中断"状態にならなかったことを覚えています。
初めは初期不良を懸念したのですが、最終的には、電源を壁のコンセントから直接取ることに変えて解決しました。

Q5. 5400-L02/F02/006/S06/L06/F06用インク・リボンには 3 種類あるが、それぞれどのように違うのか。

A5. ライン・プリンター用のサプライ品のホーム・ページ を見ると、次の 3 種類のインク・リボンがあることが分かります。
  • 高品質ストレート・リボン
  • リボン・スキップ機構対応リボン
  • リボン
ライン・プリンターの全て - 第20回 - 日本語ライン・プリンターを賢く使う-6 の回でお話したように、中速ライン・プリンター"5400-006/S06"では、インク・リボンの繋ぎ目が印字ヘッドのピンに叩かれ、毛羽立ちが起きると、その面が反転して用紙側に来た時に、用紙の表面を擦ってインクによる汚れを付けるという問題が発生したことがあります。
当時は、お客様が、お客様のお客様に提出する請求書の印刷において発生したため、早急の対策が必要でした。
そこで、印字ヘッドのピンで叩かれる面が用紙側に来ないように、リボンの繋ぎ目で反転させずに接着したリボンの作成しました。それが 1 番目の「高品質ストレート・リボン」です。
インク・リボンの片面しか叩かないようにしましたので、汚れが発生しない代わりに、寿命は標準のものの半分程度になります。
この後の "5400-L06" 以降のモデルでは、繋ぎ目を叩かない機構を組み込んでいますので、このリボンを使用する対象となるプリンターは、"5400-006/S06" のみとなります。

逆に、"リボン・スキップ機構対応リボン"を使用する対象のプリンターは、リボン・スキップ機構を持つ "5400-L06/F06" ということになります。もちろん、低速機である "5400-F02/L02" に使用しても、何も問題はありませんので、例えば、それらと "5400-F06" の両方を使用しているお客様には、在庫管理が簡単になりますので、こちらのリボンを選択することをお勧めします。

Q6. 用紙の長さの仕様は、8 インチから 12 インチとなっているが、もっと短い長さ、あるいは長い長さの用紙は、しようできないのか。

A6. ライン・プリンターは、元々"連続用紙"用のプリンターです。"連続用紙"に印刷するのですから、用紙の長さに制約のあること自体が、おかしなことと言えます。
プリンターの仕様となっている用紙の長さとは、何を意味しているのでしょうか。それは、ミシン目とミシン目の感覚ではなく、用紙の折りたたみのミシン目の間隔と理解して良いと思います。
通常は、印刷データの観点からは、1 ページの長さは、ミシン目の間隔と等しくなります。
しかし、例えば、1 ページの長さが 3 インチの場合、実物の用紙としては、4 ページ毎に折りたたまれるようにできていれば、プリンターの仕様の観点では、3 x 4 = 12 インチの長さの用紙と見なされます。
ページ長3インチ->用紙長12インチ
別の言い方で言えば、印刷された用紙が、プリンターの背面に折りたたまれて溜まっていく際に、折りたたまれる用紙の長さの単位が、8 インチから 12 インチまでなら、プリンターの内部にきれいに折りたたまれていくということを、仕様は謳っているということです。
従って、もし 12 インチ以上の長さの用紙に印刷する場合には、後ろのドアーを解放状態にして、更に、印刷された用紙が初めの折りたたまれた状態のとおり、また折りたたまれて溜まっていくように注意していれば、印刷は可能と言えるわけです。
もちろん、きれいに折りたたまれていなくても、後で人手でたたみ直すということであれば、後ろのドアを開けたままで印刷中は放置しておけます。

2017年1月22日日曜日

ライン・プリンターの全て - 第24回 - たまにいただくお問合せ-1

今回は、今までいただいたお問合せの中から、思い出した順にお話したいと思います。

Q1. 購入したばかりの 5400 プリンターを、Telnet5250E を使って AS/400 と接続するために初期設定を行なっているが、装置記述も OUTQ も自動構成できず、接続できない。

A1. IPアドレスの指定ミスといった単純な理由以外には、次の原因と対策が考えられます。
- 接続先の OS/400 の設定で、自動構成が OFF になっている。
- 接続先の OS/400 の設定で、自動構成は ON だが、接続した装置の数が既に、設定した最大値になっている。
-> これらの場合は、OS/400 の設定を変更する必要があります。

- 既存の装置記述や OUTQ と同じ名前を指定しようとしている。
-> それまで、プリンター・セッション経由の接続で使用していたプリンターを置き換えるに当たって、同じ OUTQ 名をそのまま使用したい場合に、このような現象が起こり得ます。この場合は、既存の装置記述や OUTQ は一旦削除する必要があります。

Q2. プリンター・セッション経由の印刷の時には、プリンターの電源を投入した後は"印刷可能"状態となったが、Telnet5250E による LAN 直結印刷に変更したら、電源投入後は"印刷中断"状態になる。そのため、"印刷"スイッチを押して、"印刷可能"状態に変えないと印刷開始できない。

A2. Twinax ケーブルによる接続の時代もそうだったのですが、AS/400 と直接接続の場合には、プリンターの起動時には"印刷中断"状態となるように決めているようです。
"印刷可能"状態で起動すると、印刷データを送信済みの場合に、プリンターにセットされた用紙が正しいかを確認する間も無く、印刷が始まってしまうことを避けたいと考えられていたのが理由かもしれません。
しかし、通常の PC 用のプリンターの起動時は"印刷可能"状態になりますし、それで不都合はありませんから、私も「印刷可能」状態で起動する方が良いと思っています。

Q3. AS/400 が英語環境の場合でも、5400 プリンターで印刷したい。

A3. 2次言語に"日本語"が導入されていれば、Telnet5250E を使った直接印刷は可能です。しかし、"日本語"環境が全く導入されていないと、直接接続での印刷はできません。
これは、5400 のような日本語プリンターは、OS/400 上では"5553"という名前の"日本語プリンター"として認知されるのですが、日本語環境が無いと、OS/400 上には"5553"が選択肢として存在しないからです。
ちなみに、"5553"という型式は、"マルチステーション5550"の中のプリンターとして発表された、16 ドット漢字用の"5553-A01"、24 ドット漢字用の"5553-B01"というドット・プリンターのものです。
マルチステーション5550 向かって左端が5553

そこで、日本語環境が無くても 5400 プリンターに印刷する方法は、プリンター・セッション経由の接続とすることです。この場合は、OS/400 から見てプリンター・セッションがプリンターの役割を担うことになりますので、実際のプリンターが日本語プリンターであっても関係ないからです。
IBM 6500 シリーズ
IBM 6400 シリーズ
このご質問の背景には、英数文字専用のライン・プリンターの置き換えがあります。
IBM では従来、6400 シリーズ、6500 シリーズという、英数文字専用のライン・プリンターを販売していました。
英数文字専用のプリンターと日本語プリンターの最大の違いは、解像度です。日本語ライン・プリンターは、ドット・プリンターと同じく、漢字を省略無く印刷するために 24 x 24 ドットで印刷します。そのために、180 ドット/インチの解像度、直径 0.2mm の印刷用のピンを使用します。
しかし、アルファベットや数字の印刷にはそこまでの解像度やピンの細さは必要ありません。
その結果、英数文字専用のライン・プリンターは、メリットとして高速印刷と高い耐久性を持っています。
また、接続先のサーバーの種類や、接続インターフェイスの種類も非常に多いという特徴もありました。
ただ、それらのプリンターも販売が終了し、今は OEM 元のプリントロニクス社の P シリーズが販売されているのが現状です。
参考情報

IBM 6500 シリーズ発表レター
IBM 6400 シリーズカタログ

2017年1月3日火曜日

ライン・プリンターの全て - 第23回 - 日本語ライン・プリンターを賢く使う-9

3. インク・リボン・ジャム
印刷中に、インク・リボンが正しく送られない状態が発生すると、操作パネルの液晶表示部に、"リボン ジャム リボンを直してください"というメッセージが表示されて、印刷が止まります。

インク・リボンのジャムで最も多い現象は、用紙厚設定レバーの値が小さ過ぎるため、印字ヘッドと用紙の間隔が狭すぎて、インク・リボンが圧迫された状態、つまり、インク・リボンの走行にブレーキが掛かった状態となってしまっているケースです。
プリンターの印刷中は、プリンターがリボン送りローラーを回転させて、操作員から見て左から右へ一定の速度で、インク・リボンを送っています。しかし、印字ヘッドと用紙の間隔が狭すぎると、プリンターがどんなにリボン送りローラーを回転させても、インク・リボンを送ることができなくなってしまいます。
エラーとして検知されれば、操作員はすぐに気が付きますが、検知されないで印刷を続けていると、インク・リボンの同じ箇所を印字ヘッドが叩き続けることになります。その結果、印字がすぐに薄くなったり、極端な場合はインク・リボンが破れたりすることに、後で気が付くということも起き得ます。繰り返しになりますが、用紙厚設定レバーの設定には、くれぐれも細心の注意を払ってください。
5400-F10/L10のインク・リボン・カートリッジ

他の原因としては、同じインク・リボン・カートリッジに対して、詰め替えリボンの交換を10回以上繰り返しているケースがあります。
ライン・プリンターは印刷量が多いため、印刷用紙から大量の紙粉が発生して、プリンターの中や周囲を舞っています。
これは余談ですが、"5400-L10"を 10 台以上並べて印刷業務を行なっているお客様先で、私が作業していた時に、使用していたノート PC の画面に紙粉が積もってきたことに気づいたことがあります。その時は、それだけの紙粉を自分自身も吸い込んでいることに気づき、愕然としたことを覚えています。
この紙粉は、インク・リボンの表面にも付着し、それがリボン送りローラーの表面にも移って付着していきます。それと、リボン送りローラーの材質であるゴムの劣化の両方が原因となって、同じリボン送りローラーを使い続ける、即ちインク・リボン・カートリッジを使い続けると、リボン送りローラーの表面でインク・リボンがスリップし、正しく送れなくなるという現象が発生します。
そのため、経験的には、詰め替えリボンの交換は、1 つのインク・リボン・カートリッジに対して、10 回までとすることが、お勧めです。

稀に、カートリッジの中で、インク・リボンが倒れたような状態となり、それが原因となってカートリッジの中でインク・リボンが正しく折りたたまれずにジャムとなるという現象があります。
インク・リボン・カートリッジの蓋を開けて、リボン送りローラーを手で回してみると分かりますが、インク・リボンはカートリッジの内側で、自動的にきれいに折りたたまれていくものです。
それが何らかの阻害要因があると、きれいに折りたたまれなくなり、その結果、リボン送りに支障が出ることがあります。
5400-F06/L06のインク・リボン・カートリッジ
そうなったら、そのリボンの使用は諦めて、新しい詰め替えリボンに交換することになります。しかし、カートリッジ内部に収納されるべきインク・リボンを、カートリッジの外に出した状態で、カートリッジをプリンターにセットして印刷することで、最終的にカートリッジ内部にインク・リボンが正しく畳まれた状態を作るという荒業を聞いたことがあります。

2016年12月23日金曜日

ライン・プリンターの全て - 第22回 - 日本語ライン・プリンターを賢く使う-8

2. 用紙ジャムが起きたら
本来起きてはいけないエラーですが、用紙ジャムが発生することがあります。
用紙ジャムが発生すると、ブザーが鳴り、プリンターの操作パネルの液晶表示部に、"用紙詰まり 用紙を直してください"というメッセージが表示されます。
Telnet5250E を使った AS/400 との直接接続の場合には、5250 端末画面上でも、メッセージ・ウェイト状態となり、用紙ジャムが発生している旨のメッセージが表示されます。

対応方法として先ず行なうことは、
- 5400-F10/L10 モデルや、5400-L06/006 モデルでは、プリンター内部の右側にある"プラテン開閉レバー
- 5400-F06 モデルや、5400-F02/L02 モデルでは、左側にある"FTレバー"(用紙厚設定レバー)
これを全開にして、印字ヘッドと用紙の間隔を広げ、詰まった用紙を取り除くことです。

その後は、新たに用紙をセットしたら、開いたプラテン開閉レバーを閉じて(用紙厚設定レバーは、用紙の厚さに応じた値にセットして)印刷を再開します。
ライン・プリンターでは、プリンターの持っているデータ受信用のバッファー・メモリーのサイズが小さいため、用紙ジャムが発生した時点で印刷終了したデータは、既にプリンターには残っていません。
従って、印刷を再開するページを確認した上で、そのページからの印刷データを送信する必要があります。特に、Telnet5250E を使った AS/400 との直接接続の場合には、エラー・メッセージに対する応答処理として、開始ページを指定して印刷再開させることができます。

ちなみに、レーザー・プリンターでは、印刷された用紙が排紙されるまでは、メモリーに印刷イメージを保管しています。そのため、詰まった用紙を取り除いて、プリンターが印刷可能状態となったら、自動的に用紙ジャムとなったページから印刷再開します。ただ、電源を切ってしまうと、メモリーの内容が消えてしまいますので、電源を切らないことが重要です。
その観点からは、ライン・プリンターの場合は、電源を切っても影響が無いと言えます。

以上は、その場の対応方法でしかありません。もし用紙ジャムが頻発するようであれば、根本的な対策が必要です。
私の経験から、次の点をチェックすることをお勧めします。

1. トラクターの左右の間隔
用紙の幅に合わせてトラクターの左右の間隔をセットするのですが、これが広めだったりすると、用紙ジャムの原因になります。通常、狭めにセットされることは無く、広め、つまり用紙を左右に張った状態でセットしてしまうことがあります。目安としては、用紙の送り穴の左右中央にトラクターのピンが出ていること、送り穴がピンに押されて歪んだ状態になっていないことが上げられます。
トラクター左右位置調整の目安

2. 印字ヘッドと用紙の間隔
特にラベル紙を使用している場合、用紙厚設定レバーの設定が狭いと、台紙の上のラベルが引っ掛かって印刷中にラベルが剥がれることがあります。ラベルが剥がれると糊が付いているので、プリンターの内部にくっついて、剥がすのに苦労することになります。
("5400-F06" モデルは、"5400-L06/006" モデルに比べて、プラテンと印字ヘッドの間を広げた時の間隔が狭くなって、プリンター内部につまったラベルが、剥がし辛くなったというご指摘をいただいたことがあります。)
当たり前のことですが、台紙の厚さとラベルの厚さの両方を加味した厚さに合わせてレバーの値を設定するように注意してください。

3. 用紙のミシン目の品質
プリンターのマニュアルには、次のような用紙のミシン目に対する注意事項が書かれています。
- 横ミシン目と縦ミシン目の交差部分は、アンカット部(紙が繋がっている部分)同士で交差すること。
- 用紙の紙端部分はアンカット部とすること。
これらは、ミシン目での用紙の破れやすさに影響する要素です。
ライン・プリンターで多く使用される、事前印刷された複写用紙は、印刷会社で製造されてくるものですが、用紙の品質も製造ロットの違いで異なることがあります。
また、ミシン目はカッターで切って作りますが、同じカッターを使い続けていると、刃の切れが悪くなって、ミシン目の品質に影響するという話を聞いたことがります。

4. 紙ホチキスの向きと出っ張り
複写用紙の 1 枚 1 枚は、印刷中は簡単に剥がれないように、しかし、印刷後はなるべく剥がしやすいような強さで付いていることが理想的です。
プリンターのマニュアルでは、"点のり"と言って、点の状態で糊付けする方式のみ認めていますが、実際には、紙ホチキスも併用使用しているケースが多いように思います。
紙ホチキスとは、紙を櫛の歯状態に打ち抜いて止める方法です。この場合、打ち抜いて折り返した部分が紙の表面に盛り上がるような状態になります。
プリンター内部を用紙が送られていく時に、上向きに折り返された紙ホチキスの端が、リボン・シールドに並んだ、印字ヘッドのピンの通り穴に引っ掛かってリボン・シールドを損傷し、それが用紙を破いて用紙ジャムを引き起こすという現象があります。(リボン・シールドは、非常に薄いステンレスの板ですから)
用紙の幅が、例えば 15 インチあるのであれば、紙ホチキスはリボン・シールドの穴よりも外側を通りますので、リボン・シールドを損傷することはありません。しかし、幅の狭い、例えば宅配便の用紙の場合は、リボン・シールドの穴に紙ホチキスが掛かることを防ぐことができません。
このような用紙の場合には、紙ホチキスの折り返しの向きを下側にするという、用紙側の対応が必要と思います。
用紙ジャムが多発する場合には、プリンターの設定のみではなく、用紙にも注意を向ける必要があります。
紙ホチキスと折り返しの向き




2016年12月11日日曜日

ライン・プリンターの全て - 第21回 - 日本語ライン・プリンターを賢く使う-7

今回は、エラーが発生した場合の対応方法について、お話します。
最も身近なエラーは、用紙切れと用紙ジャムです。

1. 用紙切れの対応方法
用紙切れの発生をプリンタ-が検知するために、用紙の走行経路の途中に、接触式か非接触式のセンサーが付いています。このセンサーが用紙の存在を検知しなくなった時に、"用紙切れ"の情報が操作パネルに表示されます。
ライン・プリンターのモデルによって、用紙切れを検知する方法や箇所は異なります。
"5400-F10/L10"モデルでは、一旦、"用紙がありません"というメッセージが表示されて印刷が止まった後も、再度"印刷"スイッチを押すことにより、完全に用紙の下端まで続けて印刷させます。
同様に、稼動する台数が、今も最も多い"5400-L06/006"モデルでも、用紙切れで一旦印刷が止まった時点で、"印刷"スイッチを押すことで、用紙の最後まで1ページ以上続けて印刷できます。

下の図は、"5400-L06/006"モデルのものですが、用紙切れセンサーがプリンター内部の前の方にあるため、印字ヘッドとの間隔が長めだったことが分かります。つまり、用紙切れセンサーの下を用紙の終端が通過して、"用紙切れ"を検知し、エラー表示する時点では、まだ、印字ヘッドと用紙終端までは、まだ十分印刷可能な用紙が残っていることになります。
そこで、再度"印刷"スイッチを押すことで、用紙の終端まで印刷させます。
2 度目の用紙終端の検知のために、もう 1 つのセンサーがトラクターの近傍にあるのか、それとも、印刷データに含まれる用紙長の情報を元に、プリンターが、1 回目に用紙終端を検知した時に残りの用紙長を計算するのかは、残念ながら私も知りません。そもそも、印字ヘッド近傍に用紙切れセンサーがあって、用紙終端まで印刷して止まるようにできていれば、1 回印刷が止まってから、改めて"印刷"スイッチを押す手間は不要と思うのですが。
5400-L06/006の用紙切れセンサーの位置
また、"印刷"スイッチを押した後は、かなりゆっくりと用紙を送りながら印刷するのですが、それは、用紙切れセンサーが用紙を上から押さえることなく、トラクターだけで用紙を引き上げているので、印字品質を低下させないためという説明を聞いた覚えがあるのですが、そうなのでしょうか ?

ちなみに、"5400-F10"では、用紙切れセンサーは非接触式(光センサー)のタイプになっています。そのため、プリンターの前カバーを外して使用しているお客様において、プリンターの設置場所と向き、窓から差し込んだ太陽光の角度の組み合わせによって、用紙があるのにも関わらず用紙切れ状態と誤検知を起こしたことがあります。

"5400-F06"モデルや"5400-F02"モデルでは、"用紙がありません"というメッセージが表示された時点で、既に用紙下端まで印刷完了しているようですが、どのモデルでも、"印刷"スイッチを押して、用紙下端まで印刷完了させることを習慣付けておくことをお勧めします。

そうしないと、用紙切れが発生したページの最後の何行かのデータが印刷されずに残っているため、新しい用紙をセットして印刷開始させた時に、残った行のデータから印刷が始まり、行ずれが発生することになるからです。

プリンターで発生した"用紙切れ"エラーは、Telnet5250E 接続の場合には、OS/400 側のOUTQの画面で、メッセージ・ウェイト状態として通知されます。それに対して、プリンター・セッション経由の印刷や、PC からの印刷の場合には、印刷データが送信中でない限り、OS/400 側の画面にも、PC 側の画面にもエラー表示はされません。従って、用紙切れになったことを知るには、プリンターがエラー発生時に鳴らすアラーム音が頼りになります。アラーム音は初期設定で、"連続音"、"間欠音"、もしくは"鳴らない"が選択できるだけです。音の大きさは一定です。

注意していただきたい点は他には、"電源を切らない"ということです。"用紙切れ"の場合は、用紙の下端まで印刷した後は、新しい用紙をセットするだけで済みますが、途中で、プリンターの電源を切ってしまうと、メモリーに残っているデータがあった時に、そのデータが消えてしまいます。その結果、新しい用紙をセットして電源を入れ、印刷再開した時に、行ずれを起こすことになります。それを避けるためには、AS/400 や PC から印刷再開するページを指定して、印刷指示しないとならなくなります。

2016年12月4日日曜日

ライン・プリンターの全て - 第20回 - 日本語ライン・プリンターを賢く使う-6

一見、単純に見えるインク・リボンですが、実は、なるべく永く使えるようにするための工夫が施されています。

1. リボンの生地の表も裏も使う
インク・リボンは、印字ヘッドのピンに叩かれ続けていますので、徐々に生地が弱くなっていきます。ピンがインク・リボンの両面を叩く構造とすることで、より長時間使用することができるようになります。
"メビウスの輪"という言葉を聞いたことがないでしょうか ? メビウスという数学者が発見したため、この名前が付いたとのことですが、身近なところでは、リサイクルのマークに使われています。
リサイクル・マーク
リボンの端を繋げて輪の状態にする際に、片方の端を表裏逆にして、もう片方の端と繋げるとできるものです。
できた輪の上にペンで線を書いていくと、いつの間にか表と裏の両方に線が書かれた状態となって、書き始めのところと繋がることが分かります。

インク・リボンもこの原理を使って、非常に長いリボンの端を繋げる時に、片方の端を裏返すことで、印字ヘッドのピンは、リボンの表裏、両面を叩くことになります。
ただし、インク・リボンが正しく送られるために、インク・リボンはプリンターの中で、直立した状態でいますので、途中のどこかで、表裏が逆になる部分が必要になります。
それが、インク・リボンの途中に付属する黒いプラスチック製の、次のような部品です。
インク・リボンのメビウス

マニュアルの中では、図のように"メビウス"と呼んでいますが、メビウスの部分をサポートする部品という意味です。

2. リボンつなぎ目スキップ
インク・リボンのつなぎ目部分は、次のように斜めに切られた端を接着しています。運が良ければ、詰め替えリボンを交換する時に、その部分が表に出ているのを目にすることができます。生地を溶かして接着したように見えます。
インク・リボンつなぎ目

印刷する時には、この部分も印字ヘッドのピンが叩くことになりますが、何故か"5400-006"モデルにおいてだけ、叩かれたつなぎ目が用紙面側に来た時に、叩かれてできたリボンの毛羽が、用紙の表面を汚すという問題が発生しました。
(高速の"5400-L10"や、逆に低速の"5400-L02"では発生しませんでした。)
そこで、対策として、つなぎ目をメビウスにしないインク・リボンを用意し、今でも"高品質ストレート・リボン"と称して販売継続していますが、当然、寿命はメビウスのものより短くなります。
根本的な対策は、後継機である"5400-L06"モデルで実現しています。
それは、上の図のように、インク・リボンのつなぎ目の部分の隣にマークを付け、そしてプリンター本体に、そのマークを読み取るセンサーを取り付けることによって、つなぎ目が来たことをプリンターが検知し、その部分は印字ヘッドのピンが叩かないような仕組みを取り入れたということです。
"リボン・スキップ機構対応"というインク・リボンが、これです。この仕組みは、"5400-L06"の後継機である"5400-F06"でも採用されています。

以上のような経緯から、5400 用のインク・リボンには複数の種類がありますが、中速機である"5400-F06/L06"だけでなく、低速機の"5400-F02/L02"にも、この"リボン・スキップ機構対応"のインク・リボンを使うことが、印字品質の面でも、在庫の管理の面でもメリットがあると言えます。

3. インク・リボンは斜めにセットされる。
5400 プリンターを正面から良く見ると、インク・リボンは、プリンターに対して水平ではなく、右上がりに斜めにセットされていることが分かります。
プリンターに対して斜めにセットされたインク・リボン

これも、インク・リボンを永く使う、つまりインク・リボンに沁みこんでるインクをなるべく有効に使うための工夫です。
印字ヘッドがインク・リボンを叩いて印刷した文字の高さは、"5400-F10"では、180DPI(ドット/インチ)で 24 ドットですから、1 ドットの直径を 0.3mm とすると、
23 x 25.4 / 180 + 0.3 = 3.5mm
になります。
もし、インク・リボンが水平にセットされていたら、インク・リボンの幅の内、約 3.5mm の幅しか印刷に使用しないことになります。
インク・リボンが斜めにセットされることによって、次の図のように、インク・リボンの幅の大部分を印刷に使用することができるわけです。印刷に使用する幅を広くすることによって、インク・リボンの生地の痛みを分散させ、印刷に使用してインクが減った部分に、周囲からインクが滲んで補給される効率が向上します。
インク・リボンが水平の場合vs斜めの場合

2016年11月27日日曜日

ライン・プリンターの全て - 第19回 - 日本語ライン・プリンターを賢く使う-5

ライン・プリンターだけに限らず、インパクト方式のプリンターでは、"インク・リボン"を使用しますが、"インク・リボン"には、大きく分けて 2 つの種類があります。

1 つは、ラベル・プリンターや家庭用の FAX で使用される、"熱転写方式"のプリンター用のものです。
このタイプでは、フィルムの上に塗られたインクを、印字ヘッドの素子が熱で溶かし、紙に付着させます。通電され、熱を持った素子 1 つが 1 ドットに相当するわけです。
インクが溶かされて紙に付着した後の部分は、インク・リボン上にはインクは残りませんので、このタイプのインク・リボンは繰り返し使用することはできません。その分、ランニング・コストは高くなりますが、一方で、印刷後のインク・リボンを見ると、印刷した内容を白黒反転状態で確認することができるというメリット(?)があります。

もう 1 種類がインパクト・プリンターで使用される、布にインクを沁みこませたタイプのものです。印字ヘッドのピンで押された部分からインクが滲み出て、紙に付着します。インクの滲み出た後には、毛細管現象によって、周囲にあるインクが徐々に沁みこんでくるため、インク・リボンがプリンター内で 1 周して再び印字ヘッドのピンに押される頃には、既に、元のようにインクが存在する状態となっています。そのため、このタイプのインク・リボンは、繰り返し使うことができるという大きな特徴を持っています。

では、インパクト・プリンターで使用されるインク・リボンが使えなくなる、つまり寿命と判断されるのは、どのような状態になった時でしょうか ?
それには、2 つの要素があります。
1 つ目は、インク・リボンの中のインクをほぼ使いきった時です。毛細管現象で、印字に使用した部分の周囲のインクが沁みこんでくると言っても、何度か繰り返して使用しているうちに、周囲のインクも無くなってきます。つまり、最大限でも、初めにリボンに沁みこませたインクの量までしか使うことはできません。その頃のインク・リボンをプリンターから取り出して見てみると、初めは黒かったものが、灰色になっていますし、印字結果の文字も薄くなっています。
あるいは、プリンターに取り付けたまましばらく使用しないでいると、インクが乾いてきてしまい、インクとして使えなくなるということも起こり得ます。

5400 プリンターのインク・リボン・カセット
もう 1 つの要素は、リボンそのものです。リボンの生地は印字ヘッドのピンによって叩かれ続けますので、永く使っていると弱くなって、平面ではなくなり歪んできます。この頃になると、インク自体も使い切ってしまって、灰色のリボンになっているはずです。

ところで、インク・リボンの寿命はどの位ですか? というお問い合わせをいただくことがありますが、実際には、ユーザーの方が、どの程度の印字の濃さまでを良しと判断するかで変わってきますので、公開されている文字数は、目安でしかありません。

5400 プリンターでは、印刷した行数をカウントしていて、それがある数字になった時に、リボンの交換を促すメッセージを表示するようになっているのですが、その基準となる数字に対しても、50% から 200% まで、10% 刻みで変更できるようになっています。
特に、インク・リボンを使って印刷する 1 枚目にバーコードがあるような帳票の場合には、バーコードの読み取り精度を、リボン交換次期の考慮に入れる必要があります。

更にインク・リボンを納めているカセットに注目すると、カセット自体にも寿命があります。カセットの寿命を決める大きな要素は、リボン送りローラーです。5400 ライン・プリンターの"F10"、"F06"モデルでは、カセット右側に 1 組のリボン送りローラーがあります。プリンターがこのローラーを回転させることによって、インク・リボンが送られています。("F02"モデルでは、カセットは無く、送りローラーはプリンターの一部となっています。)
リボン・カセットのリボン送りローラー
プリンターを使っているとお分かりと思いますが、プリンターの内部では、印刷用紙から発生する非常に微細な紙の埃が舞っていて、プリンター内部に蓄積されていきます。その埃は、インク・リボンの表面にも付着しますので、インク・リボンと常に接しているリボン送りローラーにも付着していきます。それが徐々に積み重なっていくことや、ローラーの材料である樹脂自体の劣化によって、インク・リボンを正しく送ることができなくなってきます。
そこで、5400 プリンターでは、詰め替えリボンを 10 回、交換したらカセットも新しいものに交換するようにガイドされています。

2016年11月19日土曜日

ライン・プリンターの全て - 第18回 - 日本語ライン・プリンターを賢く使う-4

前回は、印字ヘッドと用紙表面の間隔は、適切な印刷結果を得るために、非常に重要な要素となっていることをお話しました。
もう少し細かい注意を追加しておきたいと思います。
  • 用紙厚(印字圧)調整レバーの横の目盛りに書かれている数値は、用紙の複写枚数ではありません。
5400-F06マニュアルより用紙厚(印字圧)設定レバー
用紙厚調整レバーの横に目盛が付いています。"1"から始まる数値が書かれていますが、これを複写枚数と誤解されて、2 枚複写の時には "2" に合わせたため、印字結果が薄くなってしまったというケースを聞いたことがあります。このレバーは、印字ヘッドとプラテンの間隔を調節するものですから、用紙の複写枚数も重要な要素ですが、最も大きな決め手は用紙全体の"厚さ"です。

同じ 2 枚複写の用紙でも、薄い用紙と厚い用紙では、全体の厚さが異なりますから、当然、レバーの値も変わります。この目盛は、あくまでも"目安"であることにご注意ください。


5400-F06マニュアルより複写枚数とレバーの値









  • 5400-F06 プリンターでは、用紙厚設定レバーを、"1+1/3"よりも大きな値に設定すると、自動的にコピー強化モードになります。
5400 ライン・プリンターのシリーズ 3 モデルの中で、"F06"モデルと"F02"モデルには、新しい機能の一つとして、印刷速度をほぼ変えずにコピーの濃さを濃くする"コピー強化モード"があります。ドット・プリンターも含めて、印字結果の濃さを濃くするための"コピー強化モード"と言うと、通常は同じ行を 2 回繰り返して印刷する方式になりますが、それでは印刷に要する時間は 2 倍になってしまいます。つまり、印刷速度が 1/2 になったのと同じことです。

"F06"モデルは、コピー強化に 3 つの方式があり、それらを組み合わせて 5 種類のコピー強化のレベルを選択できます。3 つの方式とは、次のとおりです。

1. 印字力のみを強くする。
印字ヘッドのピンが押す力をより強くする方式です。この場合、印刷速度は、ほぼ変わりません。標準では、用紙厚設定レバーが"1+1/3"よりも大きな値のセットされた時に、複写用紙が使用されるとして、自動的にこのコピー強化モードになります。そして、操作パネルの"コピー強化"ランプが点灯します。
なお、自動的にコピー強化モードにする必要が無い場合には、初期設定メニューの中の”複写紙濃度優先"を"しない"に変更します。
逆に、この方式では印字の濃さが不十分な場合には、初期設定メニューの中の"コピー強化"のレベルを"1"以外のレベルにセットします。

2. 同じ行を繰り返し 2 回印刷する。
同じ行を 2 回印刷しますので、印字の濃さは上記の "1" よりも濃くなりますが、印刷所要時間は 2 倍掛かります。

3. 印字ヘッドのピンのストロークを伸ばす。
印字ヘッドのピンが用紙を押す時の距離を長くする、つまり、ピンが用紙を押す時間を、標準よりも長くする方式です。これによって、幅が異なる用紙を含む複写用紙への印刷でも、均一な濃さが得られることも期待できます。
ただ、印刷速度は少し遅くなります。例えば、通常速モード、410 行/分は、328 行/分になります。

5 種類のコピー強化のレベルは、数値が大きくなるほど、印字濃度は濃くなりますが、その時の印刷速度との関係は、"通常速(410 行/分)"においては、次のとおりです。

・レベル1(印字力強化)                410行/分
・レベル2(二重印刷)                   205 行/分
・レベル3(印字力強化+二重印刷) 205 行/分
・レベル4(長ストローク印刷)         328 行/分
・レベル5(長ストローク+二重印刷) 164 行/分

レベル1で必要な印字濃度が得られることが望ましいのですが、それでは不十分な場合には、なるべく印刷速度を落とさずに、必要な印字濃度が得られるコピー強化レベルを選択する必要が出てきます。

ちなみに、他のモデルはどのようなコピー強化モードがあるでしょうか ?

"F02"モデル(通常速(150 行/分)"の場合)

・レベル1(印字力強化)                150 行/分(用紙厚設定レバーの値が、1.5以上の場合)
・レベル2(二重印刷)                     75 行/分
・レベル3(印字力強化+二重印刷)   75 行/分

"F10"モデル(通常速(600 行/分)"の場合)

・二重印刷                                300 行/分・段差紙                                   480 行/分
・二重印刷 + 段差紙                   240行/分

次回は、インク・リボンのお話です。

2016年11月13日日曜日

ライン・プリンターの全て - 第17回 - 日本語ライン・プリンターを賢く使う-3

4. 用紙厚(印字圧)設定レバーの設定

ライン・プリンターに限らず、インパクト・方式のプリンターを使用する上で、印字ヘッドと用紙の間隔を正しくセットすることは、非常に重要です。
操作員側から見て、印字ヘッド、インク・リボン、リボン・シールド、用紙、プラテンという順で並んでいます。
プリンター右側面から見た配置
"リボン・シールド"は、インク・リボン全体が用紙に接触して用紙をインクで汚すことが無いように、印字ヘッドのピンが通る箇所のみ、穴が開いています。
"プラテン"は、タイプ・ライターの時代から使われていた言葉のようですが、印字ヘッドが用紙を叩く時の受けの役割を持つものです。ドット・プリンターでは、硬質ゴムを使った円筒形のものもありましたが、ライン・プリンターでは金属のバーになっています。


用紙厚設定レバーは、この印字ヘッドとプラテンの間隔を調整するもので、5400-F06 と 5400-F02 では、プリンター内部の左側にあり、5400-F10 では、右側にあります。この間隔を広げすぎると、印字が薄くなってしまいます。


5400-F06印字圧(用紙厚)設定レバー
5400-F10印字圧(用紙厚)設定レバー
















複写用紙の場合は、1枚目はインク・リボンのインクを使って印刷されますが、複写される2枚目以降の用紙には、紙に付いているカーボンが押されて印字されます。どちらも、印字ヘッドのピンに押される力が小さいと、印字が薄くなってしまいます。

ちなみに、複写用紙には2種類あって、1つ目は"ノン・カーボン紙"、または"自己発色紙"と呼ばれるもの、もう1つは、"裏カーボン紙"です。
前者は、中にインクが入った、目には見えない大きさのカプセルが用紙の表面にコーティングされていて、圧力を受けるとカプセルが壊れて、中のインクが紙の表面に付着するという仕組みです。見た目は、普通の用紙と変わりませんが、爪などで引っかいてみると、インクの色(青色のものが多いようです。)が現れます。少し高価ですが、レーザー・プリンターでも使用できるカット紙も販売されています。
後者は、用紙の裏に、多くの場合、黒色のカーボン・インクが塗られているものです。"ノン・カーボン紙"に比べて、複写の濃さが濃くなるため、宅配便の伝票のように複写枚数の多いものに使用されています。プリンターで対応できる複写枚数と全体の厚さには限りがあるので、複写枚数の多い用紙では、1枚1枚の用紙の厚さが薄めになっています。そのため、裏カーボンの塗られている箇所は、表から見ても黒っぽく見えます。

一般的には、操作員のかたは、少しでも印字を濃くするために、どうしても間隔を狭くセットする傾向が強いのですが、では、狭すぎるとどのような問題が発生するでしょうか?
印字ヘッドと用紙の間隔が狭くなって印字ヘッドが用紙を圧迫するようになれば、
  • インク・リボンが動けない
  • 正しく用紙送りができない
  • 紙ホチキスを使っている用紙の場合、リボン・シールドを傷めやすい
ことになります。
先ず、インク・リボンが動けなくなるとどのような現象になるでしょうか?
印字ヘッドは、インク・リボンの同じ部分のみを使って印刷することになりますので、印字が急速に薄くなります。そして、それに気づかずに印刷を続けると、しまいにはインク・リボンが破れてしまいます。実際には、その前にプリンターがエラーを検知して止まりますが、しばらくは複写用紙の1枚目のみ、印字が薄くなった(2枚目以降は、圧力で印刷しますから、インク・リボンの薄さの影響は受けません。)状態が続くことになります。

次に、用紙送りが正しくできないことは、どのような問題を起こすでしょうか?
ライン・プリンターは、1行印刷したら、1行分用紙を送って次の1行を印刷するという動作を続けていますから、印字ヘッドが用紙を押さえつけていると、印刷後の1行分の用紙送りができないため、同じ箇所に2行を重ねて印刷したり、縦方向の印字位置ずれを起こしたりすることになります。

複写用紙では、用紙がバラバラにならないにし、かつ、後で分けやすくするため、紙ホチキスを使って止めているものが多くあります。
幅が 15 インチよりも狭い複写用紙では、紙ホチキスの折り返し部分が、リボン・シールドの印字ピンが通る穴に引っかかって、しまいにリボン・シールドを破いてしまい、その破れた部分が用紙を破って用紙ジャムを引き起こすという現象も、実際に起きています。

では、正しい設定はどのようにしたら良いでしょうか?
印字の濃さが読める範囲で、なるべく印字ヘッドと用紙の間隔を広くするということになりますが、言うは易く行なうは難しです。そこで、このような考え方で設定するのは、如何でしょうか?
所謂、"応用用紙"とか"コンピューター用紙"と呼ばれる、1枚もので、15 x 11 インチ・サイズの連続用紙は、どこのお客様でもお持ちと思います。この用紙は、通常"55kg"と呼ばれる厚さですが、この用紙を 5400 プリンターにセットして、用紙厚設定レバーを"1"にセットします。
トラクターから用紙を外して、プリンターの紙送りの速さと同じ位の速さで、用紙を手で引っ張ってみると、抵抗を感じるはずです。
用紙引き上げ力によるギャップ調整
この時の抵抗(重さ)を覚えておいて、実際に使用する複写用紙をセットした際に、同じ位の抵抗(重さ)で用紙を引き上げられるように、用紙厚設定レバーの値をセットします。
後は、この値を中心に、上下に少し変えて印刷してみた上で、最終的な値を決めるという方法です。
逆に、一旦セットした後で、用紙をトラクターから外して、手で引き上げて抵抗をチェックすることで、間隔が狭すぎていないかをチェックすることもできます。

2016年11月6日日曜日

ライン・プリンターの全て - 第16回 - 日本語ライン・プリンターを賢く使う-2

3. 用紙先端の位置合わせと用紙長さの関係
前回お話したように、用紙の上下方向の印刷位置は、印刷するアプリケーション側での上余白の設定と、用紙をセットする時の先端位置によって決まります。
5400-F06 モデルや、5400-F10 モデルでは、用紙の先端の位置を決めるための"基準"として、用紙送り用のトラクターの上にあるステンレスのガイド板に、"ライン・スケール"という白いラベルが貼ってあって、目盛が付いています。
5400-F06 のガイド板とその上のライン・スケール
目盛には、"8"、"9"、"10"、"11"、"12"があって、それぞれ用紙 1 ページの長さ(インチ単位)に合わせるようになっています。つまり、1 ページの長さが 11 インチの連続用紙の先端を"11"に合わせてセットすると、用紙の 2 枚目から上下方向に正しい位置に印刷を開始するということです。

なお、5400-F02 の場合は、ステンレスのガイド版にライン・スケールのラベルがありません。トラクターに付いている三角マークに、用紙の初めのミシン目を合わせてセットしてから、"先頭行/入力"スイッチを押すと、印刷データに含まれる用紙長の値を元に、プリンターが自動的に、用紙を必要な分送ってから印刷開始するという方式になっています。

ただ、実際には、どのモデルでも、それだけでは上下方向に、多少のずれが発生する場合があるので、一旦セットしてから、操作パネルの上下"微調"スイッチを押して用紙の先端の位置を調整します。
用紙をセットする時に、毎回、上下に調整するのが面倒なお客様は、ライン・スケールの上に先端位置を手書きで書き込んでいらっしゃいます。(その場合は、左右の調整用の目盛りも書きこんでいます。)
5400-F02 でも同様に、ステンレスのガイドにシールを貼って、用紙の位置合わせ用のマークを付けて使用しているお客様もあります。

ここで、"用紙の長さ"についてお話ししたいと思います。
5400 シリーズのプリンターの仕様として、用紙の長さは、8 インチから 12 インチとなっています。しかし、連続用紙用のプリンターですから、用紙の長さに制限があるのは、おかしいという考え方もできます。
用紙の長さの制限はどこから来るかと考えた時に、最も大きな要素は、印刷後の用紙の"スタッキング"であると思います。
ライン・プリンターでは、印刷後の用紙は、プリンターの背面に折りたたまれてスタッキングされていきますが、印刷される前の状態でのミシン目の山と谷と同じに合わせて折りたたまれていかないと、ミシン目で折りたたまれず、印刷終了後にたたみ直さないとならないという面倒な状態になります。
それを防ぐには、印刷開始後の数ページは、操作員がプリンターの背面に移動して、正しくたたんでおくことが必要です。
そして、その後も、用紙が正しくたたまれ続けるのに大きな役割を果たしているのが、プリンターの背面のカバーと、内部にセットした"リア・フェンス"と呼ぶ、太い針金のガイドです。背面のカバーとリア・フェンスに用紙がぶつかって、用紙が折りたたまれていくわけです。
印刷後の用紙のスタッキング
ところが、12 インチ以上の長い用紙を使おうとすると、背面のカバーを開けないとならなくなりますので、正しくスタッキングされません。逆に、8 インチより短い用紙を使おうとすると、リア・フェンスの位置を背面のカバーにどんなに近づけても、間隔が 8 インチよりも長くなってしまい、やはり正しくスタッキングされません。

ご注意いただきたいのは、ここで言っている"用紙の長さ"とは、"山と谷のミシン目の間隔"、つまり、"折り目の間隔"を指しているということなのですが、お分かりでしょうか?
例えば、1 ページの長さが 4 インチの場合でも、2 ページ分、つまり 8 インチ単位で折り目が付いているのであれば、8 インチの長さの用紙として、セットすれば良いわけです。印刷データは、1 ページの長さが 4 インチとして設計してあれば、"改ページ"スイッチを押した時には、4 インチ分、用紙が送られます。
ただし、用紙の先端を"8"に合わせることになりますから、初めの 2 ページ分は、印刷できないことになります。

2016年10月30日日曜日

ライン・プリンターの全て - 第15回 - 日本語ライン・プリンターを賢く使う-1

事前準備が完了しましたので、実際にライン・プリンターを使って印刷してみます。
初期設定の完了したプリンターに対して、先ず必要なことは、用紙とインク・リボンのセットです。付属のマニュアルを良く読んでいただくことが重要ですが、ここでは、ポイントを絞ってお話したいと思います。

印刷用紙のセット

印刷用紙をセットする際に、基本として理解しておいていただきたい点がいくつかあります。

1. 印刷用紙の1枚目には、印刷できません。
ライン・プリンターでは、図のように、用紙送りを行なう"トラクター"は、印刷を行なう印字ヘッドよりも後ろにあって、用紙を引っ張るようにして送っています。そのため、用紙の1枚目には、どうしても印刷できません。それは、ライン・プリンターを使用するほど、同じ用紙を使った印刷量の多いお客様では、多くの場合、受け入れていただいているようです。
5400-F06 用紙と印字ヘッドの位置関係
しかし、用紙を架け替えながら印刷することの多い場合には、印字ヘッドよりも手前にトラクターがある、5577 シリーズのようなドット・プリンターの方が、1枚目から印刷できる点では、お勧めと言えます。ライン・プリンターでもドット・プリンターと同様に、印字ヘッドの前にトラクターがあって、用紙を送り込む機構にすれば良いのではと思いますが、残念ながら、これは実現していません。

2. 印刷可能な 1 桁目の位置は固定です。
Windows のアプリケーションからレーザ・プリンターに印刷する場合、用紙は用紙トレイにセットするだけで、全体の印刷位置、つまり上余白と左余白の調整は、アプリケーション上で行ないます。
それに対して、ライン・プリンターの場合は、アプリケーション側での調整と、用紙をセットする際の用紙の先端と左トラクターの位置の組み合わせによって、初めて用紙に対する印刷位置が決まります。
5400 プリンターの印字ヘッドの上にあって、インク・リボンを着脱する際に手間に開く、"スケール・カバー"の上に"印字位置スケール"があります。これには、" 1 桁目"から、" 136 桁目"までの目盛が付いていますが、正にこの" 1 桁目"が、プリンターが印刷できる最も左寄りの位置を表わしています。
5400-F06 印字位置スケールのある場所
それは、用紙が左右方向のどの位置にセットされていても、プリンターはこの位置よりも左からは印刷できないことを表わしています。そのため、プリンターが印刷する位置に合わせて、用紙をセットする位置を調整しないとならないということになります。
例えば、金額欄の中に、3 桁毎の区切りの縦罫線が入っている事前印刷用紙を使用する場合、用紙の横方向のセットには、微妙な調整が必要です。そのような場合には、トラクターの位置で大よその位置を決めた後、トラクターのシャフトの左右の端にある、青色で丸型の微調整用のダイヤルを回すと、更に細かい微調整ができて、ぴったりの位置に印刷できます。
用紙左右微調整用ノブの位置

あるお客様の事例では、幅の広い事前印刷のある用紙に印刷しようとして用紙をセットしたところ、用紙を右端を可能な限り右に寄せてセットしても、まだ左余白が大きい、つまり、1 桁目の印字位置をもっと左に寄せなくては、事前印刷の罫線と合わないということが明らかになりました。
印刷するデータとしては、プリンターの 1 桁目から印刷するようにできていましたので、解決策としては、用紙の右側を 0.5 インチ削ることで、用紙を更に 0.5 インチ右に寄せてセットできるようにしました。
用紙に対する印字開始位置



2016年10月24日月曜日

ライン・プリンターの全て - 第14回- 日本語ライン・プリンターのドライバー-3

事前準備や注意点の続きです。

2. ポートの設定変更

前々回のドライバーの設定の中で、ポートには"標準 TCP/IP プリンター ポート"を選択しましたが、実際には、2015年6月22日の"繰り返し印刷とポートの設定"の回でお話したように、繰り返し印刷が発生する可能性があります。特に、サイズの大きなデータを印刷する場合や、印刷中に発生した用紙切れや用紙ジャムに対して、操作員が気づくまで時間が掛かって、すぐに対処できないことが多いような場合には、発生する可能性が高くなります。
そのため、対策としては、2015年7月1日の"繰り返し印刷の対策"でお話した方法で、LPR ポートへ変更した上で、レジストリーを編集して、ポートのタイムアウト値を大きくする、ポートの使用数の制限を外すことが必要です。タイムアウト値をどの程度の値に変更すれば良いかは、プリンターの使用環境によって異なりますが、例えば、用紙切れに気づいて新しい用紙に架け替えるまでの時間を考えると、30分程度が、一つの目安になるかと思います。大きな値にしても悪影響は無いので、大き目の値にしておけば安心と言えます。

3. 印刷速度の設定

5400 プリンターの印刷速度には、通常速モードや高速モード等があり、操作パネルや Web ページで設定できます。また、初期設定メニューで選択しておくと、電源を入れて起動した時の印刷速度を決められます。AS/400 から Telnet5250 を使った印刷では、この印刷速度が有効ですが、Windows からの印刷では、ドライバーのプロパティで指定した印刷速度が優先されます。これは、ドライバーが印刷データの前に、印刷速度を指定するコマンドを付けてプリンターに送信するからです。
その原理を理解すると、例えば、Windows から印刷指示を行なって、プリンターが印刷を始めた直後に、操作パネルで印刷速度の設定を変更すると、その後は変更後の印刷速度で印刷されるという使い方ができてしまうことが、分かると思います。つまり、ドライバーから送信される印刷速度設定コマンドは、初めの1回だけなので、その後、操作パネルから変更されたら、そちらが有効になるという意味です。
5400 ドライバーで印刷速度を設定するには、プロパティの中の"拡張設定"画面の中で選択します。
5400 ドライバー拡張設定画面

4. 印刷の取り消し

例えば、間違った用紙を掛けて印刷指示したことに印刷中に気づいた場合など、印刷を取り消したい場合があります。そのような場合に、操作パネルに"印刷取消"スイッチがあるので、"印刷中断"スイッチを押して印刷を止めてから、"印刷取消"スイッチを押すのですが、"印刷"スイッチを押すとそのまま印刷は続いてしまうので、どうしたら途中で印刷を取り消せるかというお問い合わせをいただくことがあります。
実は、"印刷取消"スイッチは、Telnet5250E や Twinax で AS/400 と接続されている場合に、AS/400 に対して"印刷取消要求を行なう"というためのものです。Windows からの印刷では、このスイッチが有効になることはありません。
Windows からの印刷を取り消すのは、次の手順になります。
1. 操作パネルの"印刷中断"スイッチを押して、印刷を止めます。これによって、プリンターは、Windowsからのデータの受信を受け付けなくなります。
2. Windows の"デバイスとプリンター"画面の中のドライバーを選択して、ダブル・クリックします。または、右クリックして表示されるメニューの中の"印刷ジョブの表示"を指定します。
3. 次のような画面が表示されるます。"ドキュメント名"には、アプリケーションやファイルの名前が表示されます。複数の印刷ジョブを送った時には、複数の名前が縦に並びます。(下の画面は、Windows 標準のテスト印刷を、3 回行なった時の表示)
ドライバー 印刷ジョブの表示画面
4. 印刷中のジョブは、"状態"欄に"印刷中"と表示されますので、それのみを取り消す場合には、その印刷ジョブを指定して、右クリックします。または、"ドキュメント"メニューを選択します。表示されたメニューの中から"キャンセル"を指定すると、その印刷ジョブのみを取り消しできます。ただ、この場合は、プリンターの"印刷"スイッチを押して印刷再開すると、次のジョブの印刷を始めますので、用紙の種類や先頭の位置の調整に注意が必要です。
特定の印刷ジョブの取り消し
5. そこで、確実に取り消せるのは、全ての印刷ジョブを取り消しすることです。そのためには、この"印刷ジョブの表示"画面の"プリンター"メニューをクリックして、表示されるメニューの中の"すべてのドキュメントの取り消し"をクリックします。しばらく待っても画面から印刷ジョブが消えない時には、プリンターの電源を切ります。
すべてのドキュメントの取り消しを指定
印刷の取り消しにこのような操作が必要な理由は、プリンター側の持っているデータ受信用のメモリーのサイズが小さく、2行分のデータを保存する程度の容量しかないことにあります。つまり、印刷中のデータは、ほとんどが Windows のスプーラー内にあるので、それを取り消す、つまり削除しない限りは、プリンターが印刷可能状態になった途端に、残りの印刷が始まってしまうということになります。AS/400 からの印刷でも、OUTQ の画面で、取り消す対象のスプールに対して、取り消し処理を行うのと同じことです。

次回からは、プリンターの使い方についてお話します。


2016年10月16日日曜日

ライン・プリンターの全て - 第13回- 日本語ライン・プリンターのドライバー-2

Windows からの印刷を行なう場合に、事前準備や注意点がいくつかありますので、ここでまとめてお話したいと思います。

1. 用紙(サイズ)の登録

Windows では、初めから登録されている用紙(サイズ)がありますが、5400 用のドライバーや、5577 用のドライバーをインストールすると、連続用紙のサイズがいくつか追加されます。それでも、使用する用紙のサイズが、それらに含まれていない場合には、自分で定義して登録しておいて、印刷するアプリケーションからそれを指定できるようにしておく必要があります。
先ず、どのような用紙サイズが登録済みなのかを確認するには、次の手順で行ないます。
  1.  Windows のスタート・ボタン -> "デバイスとプリンター"を選択して、表示された画面で、プリンターのアイコンをどれか選択します。
    デバイスとプリンターの画面
  2. そうすると、上に表示されるメニューに"プリント サーバー プロパティ"が現れますので、それをクリックします。そうすると、次のような画面が表示されます。
    プリント サーバーのプロパティ画面
  3. この画面では、"用紙"の他に"ポート"や"ドライバー"等のタブが表示され、この PC が持っている印刷関係の様々な情報を管理していることが、分かります。つまり、"用紙"は、個々のプリンター・ドライバー毎に管理しているものではなく、PC 上で一括で管理しているということです。登録されている用紙は、上半分にあるリストで確認できます。例えば、"15x11インチ帳票(13.2")"と表示された用紙を選択すると、下の図のように、画面の下半分に、用紙の"幅"、"高さ(長さ)"と、上下左右の各余白の値が表示されます。表示する値は、センチ・メートル単位の値か、インチ単位の値かを選択できます。なお、"15x11インチ帳票(13.2インチ)"は、用紙の横の長さが 15インチ、縦の長さが 11インチで、1行の長さ(幅)が 13.2インチという意味です。
    15x11インチ帳票(13.2インチ)用紙の設定値
  4. 登録されていない用紙を追加するには、この画面の中ほどにある"新しい用紙を作成する"にチェックを入れます。例えば、"9x10インチ"の用紙を登録する場合には、"用紙名"欄に"9x10インチ"(他の用紙名と重ならない任意の名前)と入力し、用紙の縦、横、上下左右の余白の値を指定します。連続用紙の場合は、通常、サイズをインチ単位で表わしますので、サイズの指定には"ヤードポンド法"を選択します。設定後は、必ず"用紙の保存"ボタンを押してから、"閉じる"ボタンを押します。
用紙の登録は、以上で完了ですが、ライン・プリンターやドット・プリンターで連続用紙を使用する際には、次の注意が必要です。
  • 用紙名の中の同じサイズの用紙に対して、"余白なし可能"と付いているものと付いていないものがあります。"余白なし可能"と付いているものを選択して、用紙サイズの値を見ると、左と上下の余白は、"0"となっています。それに対して"余白なし可能"と付いていないものの方は、左と上下の余白は"0.25インチ"となっています。これは、連続用紙の各ページの境界(ミシン目)は、特に複写枚数の多い用紙の場合、ゴワゴワと硬くなっているため、印刷品質が悪化することが多いことから、プリンターとしてはその部分への印刷を推奨していないことに起因しています。しかし、実際には、そのような部分まで印刷する必要がある帳票は多く、印刷データが存在します。その場合、"余白なし可能"の用紙を選択しておかないと、ドライバー側でミシン目の上下、各 0.25インチの幅で印刷データが生成されず、文字が抜ける、欠けるといった現象につながります。もし、印刷結果にそのような現象が現れていたら、どの用紙を指定したかを、先ず、チェックしてください。
  •  同様に、15インチ幅の用紙では、同じ用紙サイズでも、"(13.2")"と付いたものと、"(13.6")"と付いたものの 2種類があります。これは印刷可能な横幅の最大値の違いを表わしています。"(13.6")"の場合は、横幅最大 13.6インチの幅まで印刷可能という意味で、13.2インチ幅以上に印刷する必要がある場合に選択します。ここで、注意しないとならないのは、プリンター側の初期設定値も、最大印刷幅を"13.6インチ"に変更しておく必要があるという点です。コンピューター・システムの創世記から、標準の最大印刷幅は、13.2インチとなっているため、プリンターのデフォルトの設定は、13.2インチです。そのままでは、Windows上の用紙サイズで(13.6")を選択して印刷させても、13.2インチのところで、印刷イメージは切られたように印刷されてしまいます。(通常の Windows アプリケーションからのドライバー印刷では、印刷データはイメージになりますので、13.2インチからはみ出た部分は、削除されます。) 右端が切り取られたような印刷結果になってしまった場合には、Windows 側で選択した用紙が、(13.6")付きになっているか、プリンターの初期設定の最大印刷幅が、13.6に設定されているかをご確認ください。