始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。
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2015年5月18日月曜日

フォント(書体)の話 - JIS2004改訂で元に戻る


IBM書体に対して平成書体は、簡略化された漢字となっていて、この書体がJIS90年改訂で採用されたわけですが、その後、JIS2004年改訂では、正しい漢字(書体)に戻りました。以下の比較資料は、Adobe社の資料ですが、これを見ると、例えばJIS90年字形では、しんにょうの点が1つであるのが、JIS2004年字形では2つに戻るといった変更が行われたことが分かると思います。
余談ですが、昔、私が受けた研修の講師の方が、「進捗」の「捗」の旁は「歩」とは点の数が違うことを知っているかと言われたことを、今でも覚えています。この比較資料の中の85番の文字がそれですが、確かにJIS90年字形では「歩」になっていますが、JIS2004年字形では点が1つ減っていますので、講師の方のコメントは正しかったと言えると思います。
このような経緯の結果、今の時点では、プリンターの内蔵フォントを使って印刷する直結型のプリンターやドット・プリンターの場合、画面の文字と同じ書体の文字を印刷するには、初期設定で「IBM書体」を選択するのが適切というように、元へ戻ったと言えます。
ただし、前々回お話したように、CCSID1399バージョン1までの文字という制限は残ります。
JIS90年書体とJIS2004年書体の比較-1

JIS90年書体とJIS2004年書体の比較-2

JIS90年書体とJIS2004年書体の比較-3

JIS90年書体とJIS2004年書体の比較-4

JIS90年書体とJIS2004年書体の比較-5

JIS90年書体とJIS2004年書体の比較-6

JIS90年書体とJIS2004年書体の比較-7

2015年5月5日火曜日

文字コードの話 - CCSID1399バージョン1とは

繰り返しになりますが、IBMホスト・システム上の文字コード体系であるEBCDICと、JIS規格は別の規格です。そのため、JIS83年の規格改訂で、文字コードと文字イメージの組み合わせの入れ替えがあっても、EBCDICの世界ではそのような変更はありません。しかし、日本語を表わす文字がJIS規格の改訂で増えた場合には、EBCDICでもそれに追随して文字を追加していかないと、PC上で表示できる文字がホスト・システム上には反映できないことになってしまいます。
そこで、経緯を整理すると、
  • JIS1978年規格で、6,802文字を制定しました。
  • JIS1983年改訂で、44文字(22組)の文字の入れ替え、300文字の字形変更、75文字の追加があり、総文字数は、6,877文字になりました。
  • JIS1990年改訂で、2文字追加され、総文字数は6,879文字になりました。
ここまでの文字に対しては、Windowsの世界ではWindowsXPが対応し、EBCDICの世界では、CCSID930/939に反映されました。その後、
  • JIS2000年改訂で、4,344文字が追加されました。この部分をJIS第3水準、第4水準と呼ぶことがあります。その結果、文字数は11,223文字と急増しています。この文字数に対応するWindowsはWindowsVista以降、EBCDICでは、CCSID1399バージョン1となります。
  • JIS2004年改訂では、168文字の字形変更と10文字の追加がありましたが、これを反映したCCSID1399がバージョン2となります。
その他にも、使用可能な外字の数にも違いがあります。CCSID930/939では、最高4,370文字の外字を定義して使用できるのに対して、CCSID1399では、最高6,205文字となっています。
システムの世界で文字の扱いを考える時に、先ず文字はどうやって入力されるのかを考える必要があります。例えば、ユーザーがWindowsPCから入力する際には、その文字がホスト・システム上でも使用可能かどうかを意識する必要が無いようにする必要があるでしょうし、そのためには、ホスト・システム側でも、つまりEBCDIC側でもそれらの文字には一通り対応する必要が出てくるわけです。そして、最後に印刷するとしたら、直結プリンターの場合は、プリンターも内蔵フォントとして対応する必要があるのですが、残念ながらCCSID1399バージョン1までとなっているのが、実情です。
5400-F06全文字印刷-1
添付イメージは、直結型のライン・プリンター5400-F06の全文字印刷の一部です。
5400-F06全文字印刷-2
1番目の中のxB840「丂」以降が、CCSID1399で追された文字になります。


5400-F06全文字印刷-3
5400-F06全文字印刷-4

2015年4月20日月曜日

文字コードの話 - 更に続くJIS規格の変化

IBM選定文字
3 番目の表は、やはり557xシリーズ・プリンターの操作マニュアルの付録からの抜粋です。
これらの文字が「IBM選定文字」と言われる文字です。 xFA40の「ⅰ」から、xFA53「Ⅹ」までにローマ数字がありますし、「㈱」もxFA58に、「№」もxFA59にあります。
これらの文字は、前回の新JISで追加される以前からIBMの世界では存在していたこと、新JISでは別の文字コードで追加されたことがお分かりいただけると思います。
つまり、旧JISでは「㈱」はIBM選定文字の1つだったのですが、新JISでは2つ存在することになったのです。

ところで、1983年のJIS規格の変更は、IBMの社内規格とも言えるCCSIDには、どのように反映されたでしょうか?
AS/400や大型の汎用機の世界の文字コード(EBCDIC)では、文字コードの入れ替えは無く、文字コードの「追加」しかありません。
その結果、従来の文字セットに、「新JIS」で追加された文字を追加したのみのCCSID、"CCSID1399"と"CCSID1390"が新たに定義されました。"CCSID1399"と"CCID1390"の違いは、前者は日本語英小文字拡張(CCSID5035)に追加したもの、後者が日本語カナ拡張(CCSID5026)に追加したものの違いです。なお、AS/400の世界では、CCSID1399のみが使用できます。

更にその後、2004年にJISの規格が大幅に改訂され、文字のデザインの変更と文字数の増加が行われました。Windowsのバージョンでは、Windows Vistaに適用されました。詳しくは下記のサイトをご参照ください。
http://home.jeita.or.jp/page_file/20110512150627_F53ZCOuMhJ.pdf
4ページ目をご覧いただくと、文字のデザイン面では、略字だった漢字を元の正しい漢字に戻す変更であることが、お分かりいただけるかと思います。
この規格の変更とプリンターの関係はどうなっているでしょうか?
実は、557x系のドット・プリンターの内蔵フォントでは、このJIS2004の改訂は反映されていません。その結果、内蔵フォントを使うプリンター・セッション経由のPDT印刷では、印刷できない文字が出てくることになるはずですが、実際には印刷できていると思います。その理由は、プリンター・セッションが、JIS2004で追加された文字については、文字コードの代わりに、文字イメージ(Windowsフォント)をプリンターに送信しているからです。
では、Telnet5250Eを使った直結印刷ではどうでしょうか?
(次回に続く)