始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2017年1月22日日曜日

ライン・プリンターの全て - 第24回 - たまにいただくお問合せ-1

今回は、今までいただいたお問合せの中から、思い出した順にお話したいと思います。

Q1. 購入したばかりの 5400 プリンターを、Telnet5250E を使って AS/400 と接続するために初期設定を行なっているが、装置記述も OUTQ も自動構成できず、接続できない。

A1. IPアドレスの指定ミスといった単純な理由以外には、次の原因と対策が考えられます。
- 接続先の OS/400 の設定で、自動構成が OFF になっている。
- 接続先の OS/400 の設定で、自動構成は ON だが、接続した装置の数が既に、設定した最大値になっている。
-> これらの場合は、OS/400 の設定を変更する必要があります。

- 既存の装置記述や OUTQ と同じ名前を指定しようとしている。
-> それまで、プリンター・セッション経由の接続で使用していたプリンターを置き換えるに当たって、同じ OUTQ 名をそのまま使用したい場合に、このような現象が起こり得ます。この場合は、既存の装置記述や OUTQ は一旦削除する必要があります。

Q2. プリンター・セッション経由の印刷の時には、プリンターの電源を投入した後は"印刷可能"状態となったが、Telnet5250E による LAN 直結印刷に変更したら、電源投入後は"印刷中断"状態になる。そのため、"印刷"スイッチを押して、"印刷可能"状態に変えないと印刷開始できない。

A2. Twinax ケーブルによる接続の時代もそうだったのですが、AS/400 と直接接続の場合には、プリンターの起動時には"印刷中断"状態となるように決めているようです。
"印刷可能"状態で起動すると、印刷データを送信済みの場合に、プリンターにセットされた用紙が正しいかを確認する間も無く、印刷が始まってしまうことを避けたいと考えられていたのが理由かもしれません。
しかし、通常の PC 用のプリンターの起動時は"印刷可能"状態になりますし、それで不都合はありませんから、私も「印刷可能」状態で起動する方が良いと思っています。

Q3. AS/400 が英語環境の場合でも、5400 プリンターで印刷したい。

A3. 2次言語に"日本語"が導入されていれば、Telnet5250E を使った直接印刷は可能です。しかし、"日本語"環境が全く導入されていないと、直接接続での印刷はできません。
これは、5400 のような日本語プリンターは、OS/400 上では"5553"という名前の"日本語プリンター"として認知されるのですが、日本語環境が無いと、OS/400 上には"5553"が選択肢として存在しないからです。
ちなみに、"5553"という型式は、"マルチステーション5550"の中のプリンターとして発表された、16 ドット漢字用の"5553-A01"、24 ドット漢字用の"5553-B01"というドット・プリンターのものです。
マルチステーション5550 向かって左端が5553

そこで、日本語環境が無くても 5400 プリンターに印刷する方法は、プリンター・セッション経由の接続とすることです。この場合は、OS/400 から見てプリンター・セッションがプリンターの役割を担うことになりますので、実際のプリンターが日本語プリンターであっても関係ないからです。
IBM 6500 シリーズ
IBM 6400 シリーズ
このご質問の背景には、英数文字専用のライン・プリンターの置き換えがあります。
IBM では従来、6400 シリーズ、6500 シリーズという、英数文字専用のライン・プリンターを販売していました。
英数文字専用のプリンターと日本語プリンターの最大の違いは、解像度です。日本語ライン・プリンターは、ドット・プリンターと同じく、漢字を省略無く印刷するために 24 x 24 ドットで印刷します。そのために、180 ドット/インチの解像度、直径 0.2mm の印刷用のピンを使用します。
しかし、アルファベットや数字の印刷にはそこまでの解像度やピンの細さは必要ありません。
その結果、英数文字専用のライン・プリンターは、メリットとして高速印刷と高い耐久性を持っています。
また、接続先のサーバーの種類や、接続インターフェイスの種類も非常に多いという特徴もありました。
ただ、それらのプリンターも販売が終了し、今は OEM 元のプリントロニクス社の P シリーズが販売されているのが現状です。
参考情報

IBM 6500 シリーズ発表レター
IBM 6400 シリーズカタログ

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