それは、可能な限り既存のアプリケーションの変更無しに、カット紙化や PDF化を実現するための機能を持っているという点です。
その代表的な機能が、"ROBOT" というサブシステムです。これは、Mapping が標準で持っている機能で、簡単にお話しすると、ある OUTQ に投入されたスプールに対して、予め定義しておいた処理を自動的に行なうものです。例えば、次のような処理が考えられます。
- カット紙プリンターに印刷する。
- 特定のルールで命名したファイル名の PDF ファイルを生成して、IFS 上の特定のフォルダーに保存する。
"ROBOT"は、必ず使用しないとならないというものではなく、Mapping のコマンドを既存の RPG や CL のプログラムの中に直接組み込むという方法もあります。ただ、"ROBOT" を使用すると移行が比較的容易かと思います。
他にも、スプールの前処理として、スプールの分割、結合や、スプール内のページの並べ替えが可能です。
AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第7回 - Mapping Suite のお客様第1号 - の回でご紹介したケアコム様の例のように、"表紙" ページ用のスプールと、"明細" ページ用のスプールが分かれている場合、1つのPDF ファイルを生成するためには、スプールの結合が必要になります。また、ページ毎に各社員の給与明細が入った全社員分の1本のスプールを印刷していた業務を、社員毎の給与明細の PDF ファイル化に移行するには、PDF 化の前にスプールの分割が必要になります。
これらのような場合、既存のアプリケーションを変更できるのであれば、話しは簡単ですが、実際には、古くから使用しているアプリケーションだと、誰も手をつけられないとか、変更するための人手や時間が無いといったケースの方が多いと思います。そのために、Mapping V7 では、E-Documentというオプションの中で、スプールの分割、結合、並べ替えを行なうコマンドを用意しています。
また、帳票設計ツールである "MapDraw" には様々な設計機能を用意して、既存のスプールを元に、新しい帳票ができるようになっています。
他に大きな特徴として欠かせないのは、様々な言語のスプールに対応している点です。
これについては、AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第9回 - Mapping Suite でできること-1 - の回の中でお話ししているので、ご説明を繰り返しませんが、他のソリューションには無い特徴です。
製造業のお客様だけでなく、他の業種の AS/400 ユーザーのお客様でも、日本以外の国に支社があったり、あるいはお客様があって、その国の方とコミュニケーションするために、日本語以外の言語のスプールを印刷したり、PDF ファイルにしたりする必要性は高まっていると思います。
"Mapping Suite" は、ユニコードを活用し、Windows のフォントを使用することで、お客様の AS/400 プリンティングにおける言語上の制約を解放します。
ただし、操作画面の言語は、日本語、英語、フランス語に限られます。また、画面上の文字数の制約から、日本語環境であっても、まだまだ英語しか表示できない画面があることも、残念ながら事実です。
Mappingコマンドの画面例(MAPCPYSPLF) |
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