始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2017年10月9日月曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第9回 - Mapping Suite でできること-1 -


Mapping Suite は、どのような課題を解決するために役立つソリューションでしょうか ?

1. AS/400 上の既存のアプリケーションを変更すること無しに、連続用紙への印刷をカット紙に移行することができます。
特に、今は、罫線や固定文字が印刷された事前印刷用紙に、ライン・プリンターやドット・プリンターを使って、データを印刷しているような場合、例え、それが複写伝票であっても、白紙のカット紙への印刷に切り替えるのは、Mapping Suite の得意分野です。
そして、対応できるプリンターや複合機は、メーカーを問わないのも、大きな特徴です。
特に、PCL モードや、PDF ダイレクト印刷機能、XPS ダイレクト印刷機能を持つプリンターに対しては、AS/400 から、PC を介することなく、LAN 接続で直接印刷が可能です。

連続用紙への印刷からカット紙への印刷に移行することのメリットや、そのための注意点は、過去のお話で触れてきましたので、そちらをご参照ください。
ライン・プリンターの全て - 第15回 - 日本語ライン・プリンターを賢く使う-1
連続用紙への印刷から、カット紙への印刷に移行する -第6回 事前印刷用紙からの移行-
連続用紙への印刷から、カット紙への印刷に移行する -第7回 事前印刷用紙からの移行-
連続用紙への印刷から、カット紙への印刷に移行する -第1回 基本の考え方-
AS/400からの印刷 ~基礎編-8~
6枚複写の伝票から A4用紙 2枚への移行例

2. AS/400 上の既存のアプリケーションを変更すること無しに、帳票の PDF化ができます。今まで印刷していた帳票を PDF化すると、次のような運用が可能になります。

2-1. バインダーに綴じて保管していた伝票の控を PDF化して、ファイル・サーバーに保管する。
その結果、次のようなメリットが考えられます。
-> 保管スペースの大幅な削減。
-> 検索のための時間(手間)の削減。
-> 保管先フォルダーを分けて、フォルダー毎にアクセス管理を行なうことによる、セキュリティ管理の強化。
-> PDFファイル自体に管理用のパスワードを付与することによる、セキュリティ管理の強化。
IFS 上に生成されたPDFをファイル・サーバーに転送して保存

2-2. 印刷した帳票を封筒に詰めて郵送していた業務を、PDFファイルを添付したメール送信に移行する。
その結果、次のようなメリットが考えられます。
-> 印刷代、郵送代の削減。
-> 手作業による封筒詰めに伴う手間と、ミスの発生の削減。

2-3. 印刷した帳票を FAX 送信していた業務を、PDFファイルを使った FAX 自動送信に移行する。
PDFを使った FAX 自動送信は、クラウド・サービスを使用するものと、複合機の各メーカーが用意している FAX送信ソリューションを使うものの 2つの方式に分かれます。
前者は、クラウド・サービスを提供しているサービサーから指定されるメール・アドレス宛に、PDFを添付ファイルとしてメール送信する方式です。その場合、FAXの宛先番号の指定方法は、PDFのファイル名に含める方式や、別に添付するテキスト・ファイル内に記載する方式などがあります。
後者は、WindowsServer 上で稼動する FAX送信ソリューションが指定するフォルダーに対して、宛先番号を含むファイル名を付けた PDFを、AS/400 から FTP送信すると、複合機から電話回線を使って FAX送信されるという方式です。
どちらの方式でも、次のようなメリットが考えられます。
-> 印刷する必要が無いので、印刷のための時間(手間)や、用紙代等のコストの削減。
-> FAX 送信のための作業が削減されるだけでなく、送信先が自動的に指定されるので、誤送信が削減できる。
PDFを使った FAX 自動送信ソリューションの例

2-4. AS/400 上で PDFが生成されたら、リクエストしたユーザーの PCにFTP送信して、その PC上の予め決めたフォルダーに保存する。
この考え方は、2-1. の集中管理方式とは異なり、各ユーザーが個人で管理する方式です。特に、Mappingの事例でご紹介している"漁船保険中央会"様(その後、日本漁船保険組合に移行)では、各ユーザーのPCにバッチ・プログラムを用意しておいて、PDFを受信すると Adobe Readerが自動的に起動して、そのPDFを画面表示するという運用に切り替えていらっしゃいます。
-> ユーザーは、印刷結果が必要な場合には、Adobe Readerの検索機能を使って、該当するページのみを、通常使用しているプリンターから印刷させるようになりました。それまでの自動的にドット・プリンターに印刷されていた運用と比べると、大幅な用紙の削減が可能になったということです。当然、業務用に設置されていたドット・プリンターは、廃止となっています。

3. 各国語のスプールに対応して、上記のカット紙への印刷や、PDF化が可能です。
文字コードを AS/400 標準の "EBCDIC" から"ユニコード"に変換して処理するため、日本語以外の各国語のスプールに対応します。その結果、次のようなメリットがあります。

3-1. 国内にある AS/400 から海外に設置されて LAN 接続されたプリンターに、現地の言語、あるいは日本語の印刷が可能です。
-> AS/400 からプリンター・セッションを経由した日本語の帳票を印刷するには、日本語のフォントを内蔵していたプリンターが必要ですが、海外では入手できません。そのため、国内から現地に持ち込んで使用されているお客様もあるくらいです。
Mapping が生成する PCLモードの印刷データには、日本語のフォントのイメージを含んでいますので、日本語フォントを内蔵していない PCLモードのプリンターでも日本語の帳票が印刷できます。
また、PDFにも文字コードと一緒にフォント・イメージを埋め込んでいますので、日本語フォントを持っていない PC 上でも、日本語を表示します。
-> 同じ理由で、現地の言語やフォントを使った印刷や、PDFが可能です。
特に、入力データとしてスプールの代わりに、XMLファイルを使用すると、複数の言語を共存させることが可能です。
Mapping の事例でご紹介している "JFC ジャパン"様では、英語とフランス語の併記が必要なカナダ向けのラベルの印刷を、XML ファイルを元に、Mapping と ZEBRA 社のラベル・プリンターで実現されています。
XML ファイルを使ったタイ語と簡体字の共存の例

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