始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2017年10月14日土曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第10回 - Mapping Suite でできること- 2 -

"Mapping Suite" のライセンスには、帳票設計用のツールである "MapDraw"が付属しています。このツールは、Windows 上で稼動し、コピー・フリーです。従って、複数のメンバーの PC にインストールして、多くの帳票を複数のメンバーで分担して設計するといった使い方が可能です。
"MapDraw" の特徴の一つが、左右に2分割した右側の画面に、スプールや XML ファイルを表示しながら、帳票設計できる点です。XML ファイルは、そのまま直接読み込みますが、AS/400 上のスプールは、テキスト・ファイルに近い形式のファイルに変換して、IFS 上に書き出したものを読み込みます。
MapDraw の画面例

この "MapDraw" を使うと、従来の帳票をカット紙化したり、両面印刷できるようにするだけでなく、次のような、今までできなかった表現が可能になります。

1. Windows PC にあるフォントを使って帳票設計します。そのため、1つの帳票の中で、様々な書体のWindows フォントを、様々なポイント数(大きさ)で使い分けることができます。もちろん、今までどおり、情報を強調するための縦倍角や、横倍角も可能ですが、ポイント数や、太字、斜体等 Windows の世界では当たり前だった指定が、AS/400 の世界でも可能になります。
Meiryo 11P フォントとMS Gothic 10Pフォントの使い分け例

2. 条件設定機能があります。帳票設計全体に対しても条件付けできますので、例えば、請求書の"表紙"のページと、"明細"のページの設計を変えて1つの請求書の PDF とすることができます。
スプールの中の、表紙のページと明細のページのデータの違い、例えば、表紙のページには特定の場所に宛先住所の郵便番号の中の"-"が必ずあることに着目して、その有無を条件として、表紙用の設計を適用するか、明細用の設計を適用するかを指定します。
また、他にも、数字にマイナス記号が付いていたら赤色で表示するとか、データの存在する行のみ罫線を引くといった表現が可能です。
データのある行にのみ罫線を引くための条件付け例

3. データに対応したイメージを追加することができます。例えば、社員番号に対応した印影を追加する機能は、前々回のお話しでご紹介した"ケアコム"様の帳票で活用されています。他にも、部品番号に対して、その写真イメージや、図面イメージを追加して表現できれば、従来の帳票と比べて圧倒的に分かりやすい帳票に変化します。
これは、その設計と、それらのイメージを"データ.jpg"という JPEG 形式のファイルにして、IFS 上の特定のフォルダーの下に保存しておくことによって実現します。
データ"0776"を印影イメージで表示するための設計と、そのプレビュー画面

4. バーコードの指定が可能です。国内で使用されている1次元バーコードの他に、QRコードを含む2次元コードも簡単に指定できます。
1次元バーコードは、MapDraw と併せてご提供している1次元バーコード用の Windows フォントを使って表示します。
Mapping が生成する PCL データや PDF ファイルには、フォント・イメージを埋め込むことが標準となっています。そのため、設計する際に使用したバーコード用のフォントが入っていない PC 上でも同じようにバーコードが表示されます。
また、データのメモリーと結合機能がありますので、複数個所に分かれて存在するデータを結合して QR コードで表示することも可能です。
データ"07760001"をCODE39で表示するための設計と、そのプレビュー

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