始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2016年10月1日土曜日

ライン・プリンターの全て - 第11回- 日本語ライン・プリンターの初期設定-3

前回までの設定で、5400 ライン・プリンターを 1 台の AS/400、若しくは 1 つの LPAR にTelnet5250E で接続することはできましたが、例えば、それだけでは印刷量が少ないため、プリンターを有効活用するために、他の AS/400 や LPAR からの印刷にも使用したいというご要望は多くあります。1 台の 5400 ライン・プリンターに、複数の AS/400 から印刷させるために最も簡単な方法は、PC 上に接続先の AS/400 や LPAR に対応した複数のプリンター・セッションを立てて、プリンター・セッション経由の印刷とする方法です。しかし、プリンター・セッション経由の印刷では、かつてお話したように
  • PC に電源が入っていないと印刷できない。
  • APW のバーコード・パラメーターや大きな倍率の文字拡大は、コマンド変換されないため無効になる。
といった制約があります。
そこで、 1 台の AS/400(LPAR) からの印刷が多く、他の AS/400(LPAR) からの印刷は少ないようでしたら、1 台の AS/400(LPAR) からの印刷は Telnet5250E で接続した直結印刷とし、他の AS/400(LPAR) からの接続は、プリンター・セッション経由とするという接続方法が考えられます。
Telnet5250E と LPR5577を使った接続

その時には、どちらの AS/400(LPAR) から印刷操作を行なっても、そのまま印刷してほしいものですが、5400 ライン・プリンターの初期設定では、インターフェイスに Telnet5250E を選択すると、PC から LAN 経由で印刷させるための LPR ポートは同時に使用できません。(PC とパラレル・インターフェイスも接続できません。)
そこで、5400-F10/F06/F02 では、Telnet5250E 接続と LPR 印刷が、自動切換え(共存)できるようになりました。
初期設定を Telnet5250E と LPR の自動切換えにするのは、プリンターの操作パネルからはできません。前回までお話した Web ページを使った設定になります。
Telnet5250/LPR5577使用不可の状態
  1. Web ページにアクセスして、管理者モードに変更したら、左サイドのメニューの中の"プリンター設定"、そしてその子供メニューの"インターフェース・ポート"を選択します。
  2. 上のイメージの画面が表示されますので、"Telnet5250/lLPR5577 インターフェース"を、"使用可"に変更します。
  3. その結果、次のように"インターフェース・ポート"のメニューに"Telnet5250/LPR5577"が追加されますので、それを選択したら、"送信" -> "再起動"です。
Telnet5250/LPR5577使用可の状態

なお、"Telnet5250/LPR5577"の下に"Telnet5250/LPR5577 切り換えタイムアウト"として"5秒"が設定されています。これは、Telnet5250E 接続された AS/400(LPAR) からの印刷が終了した後、同じ AS/400(LPAR) から5秒間、印刷データが送信されなければ、LPR ポートからの印刷も受け付ける、あるいはその逆の順という意味です。このようなタイムアウト値があるということは、Telnet5250E 接続で印刷している途中で、LPR ポートを通した印刷データが送信されてきても、Telnet5250E 接続の印刷の途中に割り込まれることが無いようにできていることを、意味しています。同時に、Telnet5250E 接続の印刷が完了してから、LPR ポート経由の印刷が始めるまでには、5秒間待つ必要があるということも意味しています。
タイムアウト値を小さくすれば、切り換えの待ち時間を短くすることができますが、その時には、印刷データの送信完了まで、印刷データ送信が途中で途切れることが無いという条件が厳しくなります。
Telnet5250E とLPR の自動切換えで注意が必要な点は、他に、次のようなものがあります。
  • LPR ポート経由の印刷は、5577 モードのみで、ESC/P モードには対応していません。
  • Telnet5250E 接続の場合、外字は、予めプリンターにダウンロードした文字が使用されますが、LPR ポートを通したプリンター・セッション経由の印刷では、PC の持つ Windows 外字を使用します。
  • Telnet5250E 接続で AS/400 と接続された状態になっていないと、LPR ポート経由の印刷もできません。

2 件のコメント:

  1. 以下の記述について教えてください。

    『Telnet5250E 接続で AS/400 と接続された状態になっていないと、LPR ポート経由の印刷もできません。』

    AS/400が障害などで切り替わった時にプリンター側の設定変更をしないための対応として、通常時はTelnet5250E、障害発生時は、LPRでの接続を検討していますが、通常時のマシンがダウンしている場合、LPRでの接続はできないということでしょうか?

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  2. はい、そうなんです。
    公開されている "Telnet5250/LPR5577 接続解説書"の11ページに、その胸が記載されています。
    http://www.ricoh.co.jp/pps/download/pdf/5400_Telnet5250_LPR5577manual.pdf
    私も具体的な理由は知らないのですが、当時、この自動切換え機能を実装するに当たって、開発の担当者からは、Telnet5250E接続の機能をなるべく落とさないようにしているが、制約は避けられないと言われたことを覚えています。ただ、"マシン"は、AS/400を指しているのではないかと思いますが、それがもしダウンしたのであれば、LPRを使ったプリンター・セッション経由の印刷も無理なのではないでしょうか ?

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