始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2016年10月10日月曜日

ライン・プリンターの全て - 第12回- 日本語ライン・プリンターのドライバー-1

前回までの初期設定で、プリンターは、Windows から LAN 経由の印刷もできるように準備できましたので、今回は、Windows 側のドライバーの導入と、設定に関してお話します。
5400 プリンターにおいて、Telnet5250E を使った直結印刷と共存できる LPR 印刷は、印刷データ形式として "5577 形式"が前提になっています。"5577 形式"の印刷データを生成できるWindows のプリンター・ドライバーには、次の2種類があります。
  • 5577 シリーズ用のドライバー
  • 5400 シリーズ用のドライバー
両者の違いは、主に次のようになります。
  1. 対象となるプリンターの仕様の違い、例えば、給紙方法の種類、印刷速度のモードの種類に対応して、ドライバーで選択できるメニューが異なります。
  2. 前者は、マイクロソフト社が用意している"ミニ・ドライバー"を元に作られていて、プリンター製造元の JBAT 社で保守されています。一方、後者は、IBM 時代にオリジナルに開発されたもので、現在ではリコージャパン社で保守されています。
大きく見れば、どちらも 5577 モードの印刷データを生成することに違いはありませんので、5400 プリンターにどちらのドライバーを使用しても、基本的には同じ印刷結果が得られるはずです。

余談ですが、5577 シリーズのドライバーには、5577 シリーズのモデル名(例えば、W02、D05 など)が付いているので、5400 プリンターには、どのモデル名のものを選択するのが良いかというお問い合わせをいただきますが、モデル名によって接続先のプリンターのチェックを行なうわけではありませんし、生成される印刷データの内容が変わるわけではありませんので、モデル名は全く気にする必要はありません。

ただ、ドライバーを使った印刷の場合、印刷速度のモードを指定するコマンドが初めに送信されますので、5400 プリンターの操作パネルの印刷速度の表示と同じ名前のモードをドライバーで指定するには、5400 用のドライバーの方が適していると言えます。

そこで、ここでは、5400 用のドライバーをインストールして、設定する手順をお話します。
  1. 5400 用のドライバーの最新版を、こちらからダウンロードします。(表では、Windows のバージョンや、5400 のモデル名によって分かれていますが、ダウンロードするファイルは同じです。)
  2. ダウンロードしたファイルは zip 形式になっていますので、2回続けてクリックすると次のようなフォルダーとファイルが現れます。
    5400ドライバーのダウンロード・ファイル
  3. この中の"README.TXT"にインストール手順が詳しく記載されていますので、そちらを読んでいただくのが良いのですが、ここではその中の"インストール・プログラムを使ってインストールする"を行います。なお、どのドライバーでもそうですが、管理者グループ(Administrators)に属するユーザーとして、Windows にログオンして、行なってください。
  4. 上記ファイルの中の"SETUP.EXE"をダブル・クリックして、そのまま実行します。次のような画面が現れますので、"次へ"ボタンを押します。
    SETUP.EXEを実行した後の画面
  5. 次に、インストールするプリンターのモデル名を指定する画面が表示されます。併せて、PC 上に表示するプリンターの名前(任意)や、"通常使うプリンター"にするかどうかも、指定できます。
    モデル名、プリンターの名前を指定する画面
  6. 次に、プリンターが使用するポートを選択する画面が表示されます。ここでは、"新しいポートを作成する"を指定した上で、"Standard TCP/IP Port"を選択して、"次へ"ボタンを押します。
    Standard TCP/IP Portを選択する画面
  7. 次のような「標準 TCP/IP プリンター ポートの追加ウィザード」という画面が表示されますので、そのまま"次へ"ボタンを押します。
    ポートの追加ウィザードの開始画面
  8. 次のような画面が表示されますので、"プリンター名またはIP アドレス"欄に、5400 プリンターに設定した IPアドレスを入力します。なお、"ポート名"は自動的に入力されます。
    IPアドレスの入力画面
  9. 次のような"ポート情報の追加"画面が表示されますので、"デバイスの種類"に"カスタム"を選択して、"設定"ボタンを押します。
    ポート情報の追加画面
  10. 次の"ポート・モニター構成"画面で、先ず"プロトコル"を"LPR"に切り替えてから、"LPR 設定"欄の"キュー名"に"lp1"(半角小文字で、エル・ピー・いち)を入力し、"LPR バイトカウントを有効にする"にチェックを入れて、"OK"ボタンを押します。ここで、"lp1"は、5400 プリンター内の LAN カードに固有の値です。また、"LPR バイトカウントを有効にする"にチェックを入れることにより、Windows が印刷データをプリンターに送信する際に、Data File に正しいデータ・サイズを付加するようになりますので、これらの設定は重要です。(繰り返し印刷とポートの設定をご参照ください。)
    ポート・モニター構成画面
  11. 上記"9"の画面に戻りますので、"次へ"ボタンを押します。次の画面が表示されますので、"完了"ボタンを押します。
    ポートの追加ウィザード完了画面
  12. 以上で必要な情報が設定されると、それまで指定した"ドライバー名(モデル名)"、"プリンター名(任意)"、"ポート"が表示された、次の画面が表示されますので、"完了"ボタンを押します。ドライバーのインストールが開始され、途中、"正しくインストールされなかった"というメッセージが表示されますが、"正しくインストールされました"を選択すれば、インストールは完了します。
    ドライバー・インストール開始画面

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