始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2017年7月29日土曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第1回 - 2002年のお客様状況 -

このブログでは、今まで自分が携わってきた、IBM プリンターとその使い方を中心にお話ししてきました。
今回以降、しばらくは、AS/400 プリンティングの世界で、今求められているソリューションについてお話していきたいと考えています。
私自身が今までの仕事の中で、基幹システムに AS/400 を使用されている企業の情報システム部門の方が、印刷を含めた "出力" に関して、今後どうしていきたいと考えていらっしゃるかを、興味深く注目してきました。
大多数のお客様は、残念ながら、出力に関する関心や優先順位が低いという点において共通しているようです。その背景となる情報システム部門の方の認識は、次のようなものではないでしょうか。

- プリンターから印刷できることは、当たり前のことなので、気にしていない。
- 上布システムに関わる優先順位の高い課題が、他にいくつもあるので、現状の出力に慣れた社内ユーザーには、従来どおりの安定した出力を継続できれば十分である。

とは言え、実際に調査することが必要と考えて、既に15年前になってしまいますが、当時のパートナー企業のご協力をいただいて、情報システム部門の方にアンケートを取ったことがありますので、ここに、かいつまんでご紹介したいと思います。

- 調査期間 : 2002年3月18日から4月26日
- 有効回答社数 : 375社

1. AS/400 からの印刷に使用しているプリンター
1-1. 平均台数 : 34台(ライン・プリンター 6台、ドット・プリンター 18台、レーザー・プリンター 10台)
1-2. ライン・プリンターの接続方式 : Twinax 接続 1,269台(54.8%), LAN 接続 1,047台(45.2%)
375社のプリンターの種類内訳
ライン・プリンター接続方式の内訳

2. 帳票設計
2-1. RPG でコーディングしている : 222社(59.2%)
2-2. APW も使用している : 120社(32%)
2-3. 印刷しない : 15社(4%)
帳票設計方式の内訳(企業数)

3. 今後の出力
3-1. 今のまま継続する : 75社(20%)
3-2. 今のまま継続し、増強する : 51社(13.6%)
3-3. プリンターを LAN 接続化して継続する : 75社(20%)
3-4. 電子帳票化して印刷量を削減する : 126社(33.6%)
3-5. Web 対応に移行する : 39社(10.4%)
3-6. AS/400 を廃止する : 9社(2.4%)
出力の今後の方向内訳(企業数)

4. 複写帳票
4-1. 継続して使用 : 231社(61.6%)
4-2. レーザー・プリンターに移行する : 126社(33.6%)
4-3. 廃止する : 15社(4%)
4-4. 元々使用していない : 3社(0.8%)
複写帳票の使用内訳(企業数)
この結果を見ると、2002年当時でも、Twinax 接続のライン・プリンターが半数以上あったということは興味深いですが、その一方で、今後も印刷を継続するというお客様が半分いらっしゃる反面、電子化等への移行により、レーザー・プリンターへ移行したい、更に紙への印刷を減らしたい、若しくは止めたいというお客様が半数あったことが、特に興味深いと思いました。


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