始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2017年7月1日土曜日

IBM 小型レーザー・プリンターの今まで -第17回- "PAGES"-11

5400エミュレーターIIによって、PAGES モードを持った小型レーザー・プリンターも、AS/400 と LAN 直結できるシステム・プリンターとしての使い方ができるようになりました。
その後、2005年に、A4 サイズまでの用紙に対応した、小型の "Infoprint 1522J"(5584-5M2/5P2)が追加されました。
A3 サイズまでの用紙に対応する "Infoprint 13x6J" シリーズと比較して、用紙サイズを A4 までとすることで小型化したモデルで、PAGES モードは単独のオプションではなく、初めから組み込まれたキッティング・モデルのみであることも同じです。
オプションを付けると両面印刷にも対応する業務用プリンターとして十分な機能を持っていますが、A4 サイズまでのプリンターは、期待するほどは売れません。
Infoprint 1522J 外観

そして、2007年には、"Infoprint 13x6J" 後継モデルとして、"Infoprint1756J/1736J" という 2 つのモデルが発表されました。
2007年は、IBM がプリンティング事業をリコーに売却したという、私にとっては大変ショッキングな発表で始まった年です。
その 1月の発表の後、6月のインフォプリント・ソリューションズ・ジャパン株式会社の設立に合わせて、6月にこれらのプリンターも発表されました。
"Infoprint 1756J" の印刷速度は、35枚/分で、給紙カセットは、150枚用と250枚用の 2 つを標準で持っています。
一方、"Infoprint 1736J" の印刷速度は、28枚/分で、給紙カセットは、250枚用 1つのみです。
PAGES モードを持つモデルは、キッティング・モデルである点も変わりません。

5400エミュレーターII の時にお話したように、これらのモデルはパラレル・インターフェイスを持ってはいますが、コネクターの形状がハーフ・ピッチといって小型になっています。そのため、フル・ピッチの大きさのコネクターを持つ、古くからのケーブルに接続できるように、変換アダプターが標準で付属しています。
2007年の発表以来、2017年の今年で10年になります。まだ販売中ですが、流石に終わりが近いと思います。
Infoprint1756J 外観
Infoprint1736J 外観

PAGES モードを持つプリンターとして最後(?)、最新のモデルが、"Infoprint SP8200 N50" です。
このモデルは、インフォプリント・ソリューションズ・ジャパン社の株式の一部をまだ IBM が持ってた2009年に発表されたため、IBM から発表されています。
このモデルは、それまで国内で発表されたモデルと異なり、同じ型式(4345)で、全く異なる 2つのモデル(4345-N50 と 4345-DN1)を持っています。
外観上は、全く同じなのですが、前者は PAGES モードを標準で持つ、PC からの印刷用であることに対して、後者は AFP (日本語高機能印刷)に対応したシステム・プリンターとなっています。

モデル "N50" の方は、印刷速度が 50枚/分となった PAGES モードを持つプリンターの中の最高速モデルになります。
ただ、繰り返しになりますが、パラレル・インターフェイスが無かったため、5400エミュレーターII を付けられなかった点は、非常に残念でした。

Infoprint SP8200 基本構成

一方、モデル "DN1" の方は、"Infoprint45" という 45ページ/分の印刷速度を持つ AFP プリンターの後継機となっています。
Infoprint SP8200 フル構成

余談ですが、"Infoprint45" では、AFP 印刷のみに対応していたのですが、Windowsからの印刷もできると思われたお客様から、ドライバーはどこにあるかというお問い合わせを何度もいただいて、対応に苦労したことを覚えています。AFP 対応プリンターとして高価なモデルであったため、Windows からの印刷もできて当然と期待されたのは、私も自然なことと思いました。
その点で、この "DN1" は、Windowsからの印刷にも対応したので、安心しました。ただし、AFP の印刷を行なった後は、AS/400 等のホスト・システムとの間のセッションを切る設定にしておかないと、Windows からの印刷データを受信できないという点に注意が必要でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿