前回お話したように、用紙の上下方向の印刷位置は、印刷するアプリケーション側での上余白の設定と、用紙をセットする時の先端位置によって決まります。
5400-F06 モデルや、5400-F10 モデルでは、用紙の先端の位置を決めるための"基準"として、用紙送り用のトラクターの上にあるステンレスのガイド板に、"ライン・スケール"という白いラベルが貼ってあって、目盛が付いています。
5400-F06 のガイド板とその上のライン・スケール |
なお、5400-F02 の場合は、ステンレスのガイド版にライン・スケールのラベルがありません。トラクターに付いている三角マークに、用紙の初めのミシン目を合わせてセットしてから、"先頭行/入力"スイッチを押すと、印刷データに含まれる用紙長の値を元に、プリンターが自動的に、用紙を必要な分送ってから印刷開始するという方式になっています。
ただ、実際には、どのモデルでも、それだけでは上下方向に、多少のずれが発生する場合があるので、一旦セットしてから、操作パネルの上下"微調"スイッチを押して用紙の先端の位置を調整します。
用紙をセットする時に、毎回、上下に調整するのが面倒なお客様は、ライン・スケールの上に先端位置を手書きで書き込んでいらっしゃいます。(その場合は、左右の調整用の目盛りも書きこんでいます。)
5400-F02 でも同様に、ステンレスのガイドにシールを貼って、用紙の位置合わせ用のマークを付けて使用しているお客様もあります。
ここで、"用紙の長さ"についてお話ししたいと思います。
5400 シリーズのプリンターの仕様として、用紙の長さは、8 インチから 12 インチとなっています。しかし、連続用紙用のプリンターですから、用紙の長さに制限があるのは、おかしいという考え方もできます。
用紙の長さの制限はどこから来るかと考えた時に、最も大きな要素は、印刷後の用紙の"スタッキング"であると思います。
ライン・プリンターでは、印刷後の用紙は、プリンターの背面に折りたたまれてスタッキングされていきますが、印刷される前の状態でのミシン目の山と谷と同じに合わせて折りたたまれていかないと、ミシン目で折りたたまれず、印刷終了後にたたみ直さないとならないという面倒な状態になります。
それを防ぐには、印刷開始後の数ページは、操作員がプリンターの背面に移動して、正しくたたんでおくことが必要です。
そして、その後も、用紙が正しくたたまれ続けるのに大きな役割を果たしているのが、プリンターの背面のカバーと、内部にセットした"リア・フェンス"と呼ぶ、太い針金のガイドです。背面のカバーとリア・フェンスに用紙がぶつかって、用紙が折りたたまれていくわけです。
印刷後の用紙のスタッキング |
ご注意いただきたいのは、ここで言っている"用紙の長さ"とは、"山と谷のミシン目の間隔"、つまり、"折り目の間隔"を指しているということなのですが、お分かりでしょうか?
例えば、1 ページの長さが 4 インチの場合でも、2 ページ分、つまり 8 インチ単位で折り目が付いているのであれば、8 インチの長さの用紙として、セットすれば良いわけです。印刷データは、1 ページの長さが 4 インチとして設計してあれば、"改ページ"スイッチを押した時には、4 インチ分、用紙が送られます。
ただし、用紙の先端を"8"に合わせることになりますから、初めの 2 ページ分は、印刷できないことになります。
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