- <現象> AS/400 から、PC 経由で、罫線の多い帳票を印刷した時のパフォーマンスが、Twinax 接続時に比べて低下した。
- <条件> PC の OS は、Windows95/98。PC とプリンターはパラレル接続。PDT印刷。
- <対策> PC とプリンターの接続をパラレル接続から、LAN 接続に変更する。
- <該当機種> "5400-006"、"5407-011"、"5417-011"
- [解説] Twinax 接続の時には、罫線は、制御コード(コマンド)としてプリンターに送られてきます。しかし、PC経由の場合、PCOMM プリンター・セッションで、罫線はイメージ・データに変換されるため、データ量が非常に大きくなります。更に、Windows95/98 では、パラレル・インターフェイスでのデータ処理の優先順位は、他の処理に比べて低くなっています。そこで、優先順位が高いLANポート経由のデータ処理に変更することによって、パフォーマンスの向上が期待できます。
1999年iSUCセッション資料 |
当時、AS/400 側でも、IBM としての方針もあってと思いますが、Twinax 接続は標準ではサポートされず、徐々にオプションとなっていきました。そうなると、ライン・プリンターを中心とした、AS/400 直結型のプリンターも、LAN(実質的には、TCP/IP) 接続する必要性が高くなりました。その場合、Twinax 接続の世界で、ユーザーが永年慣れ親しんで、当たり前となっていた操作性を落とさずにLAN 接続に移行できることが求められます。その結果、ライン・プリンターを初めに採用されたのが、"Telnet5250E"です。
"Telnet5250"は、元々、TCP/IPの機能の一つとして、5250 端末の画面表示用に、IETF(The Internet Engineering Task Force)で決められた規格です。
https://www.ietf.org/rfc/rfc2877.txt
Twinax 接続は、IBM が独自に決めた規格でしたが、Telnet の規格の決まった時代は、最早、規格を IBM が決めるのではなく、オープンな場で決める時代に変わったと言えるでしょう。
ただ、プリンターにはそのまま適用することはできません。何故なら、Twinax 接続では実現できていた
- 用紙切れやジャム等のプリンターのエラー状態を OS/400 に通知する。
- エラー・メッセージが表示された時に、"メッセージ応答"として、ページ範囲を指定して印刷再開する。
- スプール送信中に、印刷の"保留"や"取り消し"を指定する。
- もちろん、接続した時には、OS/400 上に装置記述が自動構成される。
ライン・プリンター"5400-006"用のオプション・カードを皮切りに、"5400"シリーズのライン・プリンターの各種モデル、連続用紙用のレーザー・プリンター"Infoprint 250(5300-025)"、小型のドット・プリンターや、PAGES モードを持つ小型レーザー・プリンター用のオプションである"5400エミュレーターII"等、AS/400 から印刷用に使用されるプリンターでは、Telnet5250E 接続となってきたわけです。
次回は、Telnet5250E の特徴や注意点をお話します。
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