- "Twinax"接続と同様の操作性を維持しています。具体的には、印刷中のスプールの"保留"、"取り消し"操作が可能です。プリンター・セッション経由の印刷では、OS/400 から見ると、PC 上のプリンター・セッションが仮想的なプリンターとなっています。PC が印刷データを受信する速度は、プリンターに比べて圧倒的に速く、また受信可能なデータ量も圧倒的に大きいため、スプールを解放した後、印刷中に"保留"したり、"取り消し"することはできません。"HPT機能"を使ったLAN 直結印刷の場合でも、原理は片方向印刷である"LPR"印刷ですから、OS/400 が印刷データを変換して送信し始めたら、やはり、"保留"も、"取り消し"もできません。
- OS/400 との接続構成は、"自動構成"です。プリンターの初期設定メニューの中で、接続先の OS/400 の "IP アドレス"と、"デバイス名"を設定すると、初めの接続時に、プリンターから OS/400 に対して接続しに行き、その"デバイス名"の装置記述を自動的に OS/400 上に登録します。なお、"Twinax接続"では、プリンターに設定したアドレス番号に対して、OS/400から接続しに行きますが、"Telnet5250E"接続では、プリンターから OS/400に対して接続しに行く点は、逆です。従って、プリンターの電源を切って、OS/400 プリンター間の"Telnet5250E"セッションを切断する時も、プリンターから OS/400 に対して切断しに行くことになります。(5400 シリーズでは、電源スイッチを切った際の電圧の低下を検知して、OS/400 に対して"Telnet5250E"セッションの切断要求信号を自動的に発信するようにできていますので、ユーザーはセッションの切断を意識することなく、電源を切ることができます。一方、5577 シリーズ本体の"Telnet5250E"接続機能では、予め操作パネルのスイッチを使って、セッションの切断要求信号を発信してから、電源スイッチを切るようになっています。)
- "Twinax"接続の時と同様、文字コードは"EBCDIC"のまま、制御コマンドも"SCS形式"のままです。その結果、バーコード・コマンドや罫線コマンドはそのままコマンドとしてプリンターに送信され、プリンターの内部で、バーコードや罫線のイメージを作って印刷します。そのため、データ・サイズが大きくなることはありませんので、罫線の多い帳票でも印刷速度を低下させることもありません。また、プリンター・セッション経由の印刷や"HPT機能"を使ったLAN 直結印刷では発生する制御コマンドの変換機能に起因する制限(バーコード・コマンドや大きな倍数の文字拡大、OCR-Bフォント等の半角フォントの指定が無効になる)もありません。
5400エミュレーターIIのTelnet5250設定Web画面 |
ただし、"Twinax"接続と異なるため、注意が必要なのは、"外字"の取り扱いです。"AS/400からの印刷 基礎編-3"でお話ししたように、"Telnet5250E"接続では、OS/400 は、外字も標準の文字と同様に、プリンターに内蔵されていると仮定して、文字コードを送ってくるだけです。そのため、外字の文字コードと文字イメージは、予めプリンターに記憶させておくことが必要になります。そのためのコマンドが、"LODPPW"コマンドです。使用可能な外字の数は、4,370 文字になります。
次回は、"Telnet5250E"接続の簡単な原理と使用事例をお話します。
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