始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2019年3月24日日曜日

ROBOTを使った処理の自動化 - 6 - 印刷後の PDF ファイルの削除

前回まで、PDF ファイルの加工についてお話ししてきましたが、生成された PDF ファイルを MAPIFS2PRT コマンドを使用して印刷した後のことを考えてみます。
再印刷を考慮する必要がある場合には、PDF ファイルを PC 上で開いて開始ページを指定した上で、プリンター・ドライバーを使って印刷するという方法が考えられます。
その場合でも、その後、PDF ファイルをファイル・サーバーに転送するか削除して、AS/400 のハードディスクを圧迫しないようにする対策が必要になります。
ここでは、再印刷が必要な場合には、再度 PDF 生成から再開するため PDF ファイルを保存する必要がないケースを想定しています。そのため、印刷後はすぐに PDF ファイルを削除する処理を自動的に行うよう、ROBOT を設定します。

1. いつもの BAYTOP 書房の見積書のスプール (DEMO1 という固定名)が、DEMOOUT という OUTQ に解放されると、MVP という OUTQ に繋がったプリンターに印刷されるものとします。Mapping メニューの中の "4.入力/出力の出力待ち行列の関連定義" を次の画面のように定義します。
4.入力/出力の出力待ち行列の関連定義
2. "3.スプール・ファイルとアクション間の関連定義" を次のように定義します。ここでは、対象となるスプール・ファイルの名前が "DEMO1" で固定であることが前提としています。また、アクションの名前を "PRINTDEL" としました。
3.スプール・ファイルとアクション間の関連定義
3. "PRINTDEL" というアクションの定義を、"2.アクションの処理" で行います。先ずは、次のコマンドを定義して、PDF ファイルの生成を行います。ここでは、PDF ファイルのファイル名と保存先のフォルダー名が自動的に決まるように、次のように定義します。
- PDF ファイル名 : スプール・ファイル名 + スプール番号 (上書きを防ぐためにスプール番号を付けています。)
- フォルダー名 : 出力先のプリンターの OUTQ 名
具体的には、次のように定義しています。
MAPCPYSPLF SPLF(&SPLF) SPLNUM(&SPLNUM) JOB(&JOB) JOBNUM(&JOBNUM) USER(&USER) MAPNAM(BAYTOP) MAPSEQ(*MRG) TYPLAN(*XPS) XPSCONVERT('*PDF') XPSOUTFILE('/map34806/mapping/&OUTDES/&SPLF&SPLNUM.pdf') CP(1027)
アクションの定義 -1
4. この段階で、ROBOT を起動し、スプール・ファイル "DEMO1" を保留 -> 解放すると、次の画面のように、"DEMO1     1.pdf" という名前の PDF ファイルが "MVP" というフォルダーの下に生成されたことを確認できます。
フォルダー "MVP" に PDF ファイルが生成された
5. 次に、4. で生成された PDF ファイルを印刷するためのコマンドを、次のように、アクションに追加します。
MAPIFS2PRT FILE('/map34806/mapping/&OUTDES/&SPLF&SPLNUM.pdf') SPLF(&SPLF) OUTQ(&LIBDES/&OUTDES)
アクションの定義 -2
6. この段階で、ROBOT を起動し、スプール・ファイル "DEMO1" を保留 -> 解放すると、次の画面のように、"MVP" という OUTQ の中に "DEMO1" というスプール、すなわち印刷データが投入されたことを確認できます。
MVP という OUTQ に印刷データが投入された
7. 次に、生成された PDF ファイルを削除するコマンドを、アクションに追加します。
DEL OBJLNK('map34806/mapping/&OUTDES/&SPLF&SPLNUM.pdf')
アクションの定義 -3
8. ROBOT を起動し、スプール・ファイル "DEMO1" を保留 -> 解放すると、次の画面のように、"MVP" というフォルダーの中には PDF ファイルが残っていないことを確認できます。
PDF ファイルが削除されて、空になった MVP フォルダー




 

0 件のコメント:

コメントを投稿