電子保存のお話は、別の機会に譲るとして、印刷の方法に関しては、かつて、"連続用紙への印刷から、カット紙への印刷に移行する -第14回 PDFダイレクト印刷における印刷制御-"
から3回に渡ってお話していますので、こちらをご参照いただけますでしょうか。
また、印刷させるためのコマンドのパラメーターの一つである、出力先のプリンターを指定する OUTQ については 2 種類あって、どのように定義するかはそれぞれ、"HPT機能を使った印刷 - 簡単な双方向通信可能なOUTQを作る方式 -" の回と、"HPT機能を使った印刷 - リモートOUTQの作成 -"の回でお話しているので、そちらをご参照ください。
ただ、この時のプリンターには、"PDF ダイレクト印刷機能" か、"PCL モード" を持っているという前提条件がありました。そのような機能を持っていないプリンターへの自動印刷には、Mapping のオプション・ライセンスである "MVP(Mapping Virtual Printer)" を使用します。MVPを使った自動印刷については、"連続用紙への印刷から、カット紙への印刷に移行する -第14回 PDFダイレクト印刷における印刷制御-" の回でも簡単に触れていますが、ここでもう少し詳しくお話したいと思います。
"MVP"は、人が Windows 上で PDF ファイルを印刷する時に行う次の操作を自動的に行うものです。
ビューワーで PDF ファイルを開く。 -> ビューワーの印刷メニューから印刷するプリンター・ドライバーを指定して印刷する。
MVP を使用する場合、2 つのモードがあります。PC の画面上に次のような MVP の画面が表示される "GUI(Graphycal User Interface) モード" と、Windows のサービスとして稼動するので、何も表示されない "サービス・モード" です。
MVP GUI モードの画面例 |
GUI モードの画面では、リスト表示された PDF ファイルを指定して、再印刷させたり、印刷するプリンターを変更させたりすることができます。そのような操作を行う可能性がある場合には、GUI モードがお勧めですし、PC 上で他の業務をも行っているので、MVP の画面が表示されない方が良いという場合には、サービス・モードがお勧めです。
サービス・モードで使用していても、MVP の画面を開くとて GUI モードに切り替わりますし、GUI モードの画面を閉じるとサービス・モードに戻るようになっています。
MVP を初めに設定する際には、GUI モードの画面を使用します。MVP にも MapDraw 同様にプリファレンスの画面があります。
MVP プリファレンスの画面 |
MVP を使用するには、ライセンス・キーが必要です。ライセンス・キーは、その上の欄にある "ID" を元に生成されます。そして、この "ID" は MVP をインストールした PC やサーバーのハードウェアの属性を元に決まります。そのため、もし PC を変更する場合には、新しい PC に先ず MVP をインストールしていただき、"ID" を確認してお知らせいただきます。その後、ライセンス・キーを発行して入力するという手順になります。
その上には、いくつかのチェック・ボックスがあります。MVP は受信した PDF を勝手に削除することはしませんので、だんだんと PDF ファイルが PC のHDD の領域を侵食し、PC の動きが遅くなるという現象が発生する可能性が出てきます。そのため、"起動時に印刷済みのスプール・ファイルを削除する" や、 "印刷後にスプール・ファイルを削除する" という設定メニューがあります。PC の再起動の間隔が長い場合には、後者の設定を行うことをお勧めします。なお、"LPD サーバーのポート" という項目があるので、選択できるように見えますが、実際にはデフォルトで指定されている "515" から変えないようにしてください。
次回は、プリンターの登録を行います。
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