始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2018年5月2日水曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第36回 - MVPを使ったPDFの自動印刷 - 2 -

プリンターの登録は、"サーバーの構成"という、次のような設定画面で行います。
サーバーの構成画面
- バーチャル・プリンター名
登録されたプリンター毎に任意の名前を付けますが、重要な点は、英数半角大文字であることと、この名称がここで登録したプリンターへ印刷させるための "OUTQ" のパラメーターの "リモート印刷装置待ち行列"と一致させることです。
CRTOUTQコマンドの1画面目

MVP 経由の印刷の場合、このバーチャル・プリンター一つ一つに対して、OS/400 上に "OUTQ" を作成します。それによって、OS/400 上の通常の印刷の操作と同様に、OUTQ に対して PDF のスプールを解放することによって、OUTQ に紐付いたバーチャル・プリンターから印刷されるという仕組みです。そして、OUTQ とバーチャル・プリンターを紐付けるのが、この"リモート印刷装置待ち行列"です。

- ローカル・プリンターの設定
実は、MVPでは、PDF スプールを "Adobe Reader" とプリンター・ドライバーの組み合わせで印刷する機能の他に、PCL モードを持つプリンターに印刷するとか、OS/400 から送信されてくる印刷データをそのまま LPR 印刷するといった機能も持っているのですが、どちらも実際に使用するケースは、ほぼ無いと言えます。
そこで、"プログラムを使って印刷する" を選択し、プログラムには、Adobe Readerの実行プログラムである "AcroRd32.exe" を指定します。Adobe Reader のバージョンが変わっても、AcroRd32.exe という名称は変わっていないようですが、フォルダー名は変化しています。従って、同じ PC に導入されている Adobe Reader のバージョンに応じたフォルダー名を指定するよう注意が必要です。上の画面サンプルでは、バージョンは "DC" なので、次のような指定になっています。
"C:\Program Files\Adobe\Acrobat Reader DC\Reader\AcroRd32.exe" /n /t /h %1 %2 %3 %4
後ろに付いているオプションについては、Adobe 社のサイトで次のように説明されています。

/n : すでに Acrobat を起動している時に、別のインスタンスとして Acrobat アプリケーションを起動 <- 複数の処理を並行して行うことになるので、ページ数の多い PDF スプールの方が、ページ数の少ないものより印刷が後回しになる可能性があります。印刷の順番を重視する場合には、これは指定しない方が良いと思います。

/t : AcroRd32.exe /t path printername drivername portname
Adobe Reader を起動し、印刷ダイアログボックスを表示せずに PDF ファイルを印刷し、Adobe Reader を終了する。

/h : Acrobat を起動するが、表示しない。(メモリ上にロードするのみ) <- このように説明されていますが、私の経験では、/h を指定していても、GUI モードの場合は、一瞬、Adobe Reader で PDF ファイルを開いた画面が表示されます。

"ローカル・プリンター" 欄は、プリンター・ドライバーを選択するようになっています。選択肢として出てくるプリンターは、MVP が稼動する PC に設定されているプリンターそのものです。
もし、同じプリンターで印刷するにしても、例えば、片面印刷する時と両面印刷する時、あるいは、何種類かの給紙トレイを選択して印刷する場合には、同じドライバーをコピーした後、プロパティをそれぞれの設定に合わせた上で、別々のプリンター名を付けて保存します。MVP 上では、それぞれのプロパティを持ったプリンター名のドライバーを指定したバーチャル・プリンターを登録します。
それによって、OUTQ を指定することによって、自動的に両面印刷や片面印刷、給紙トレイを指定した印刷が可能になります。
なお、Windows 上で設定するプリンター名も、英数半角文字であることが必要な点にご注意ください。

MVP の導入直後は、下端に表示されている"デフォルトで印刷ジョブを保留する"にチェックが入っていることがあります。そのままにすると、MVP 上で PDF スプールが滞留し、印刷されませんので、このチェックは外しておく必要があります。なお、この設定は、導入し設定した後で、印刷テストを行う際に、印刷ジョブを保留する方が、印刷することによる用紙の消費を防ぐためにあります。

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