始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2018年4月7日土曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第34回 - Mapping Suite の帳票設計方法 - 12 -

今回、設計に使用したスプール・ファイルは、次のような "STD132P" という名前の、2 ページのものです。(スプールのリストの中の下から 2 番目のスプールです。)
Mapping メイン・メニュー-> 1.スプール・ファイルの処理 ->STD132Pを指定して表示した画面
これに対して、これから "STD" という名前のフォーマットを合成して、PDFファイルを生成します。
使用するコマンドは、Mapping V7 では "MAPCPYSPLF" コマンドです。
因みに、Mapping V6 では、"MAPSPLPDF" というコマンドを使いますが、この場合は、MapDraw 上でのフォーマットの生成手順が異なります。ここでは、V7 の手順を前提にしてフォーマットの生成を行なってきましたので、"MAPCPYSPLF" コマンドを使用します。"MAPCPYSPLF" コマンドを使用すると、Mapping は次のような処理を続けざまに実行します。
- IFS 上に、パラメーターで指定したファイル名ですが、XPS 形式のファイルを生成します。
- XPS ファイルを PDF 形式に変換します。
このような処理は、V7 になって、XPS 形式のファイルを中間言語として生成した後、様々な種類の形式のファイルに変換するというアーキテクチャーに変わったことを表わしています。その結果、予め帳票設計する際の言語やフォーマットの種類は "XPS" の 1 種類だけで済みますので、フォーマットの管理を簡素化できます。なお、V6 と同じように、PDF 用のフォーマットを用意して、"MAPSPLPDF" コマンドを使って、1 回の処理で PDF ファイルを生成することも引き続き可能ですが、処理速度は、MAPCPYSPLF コマンドの方が早いようです。

コマンド・ラインに MAPCPYSPLF と入力して、キーボードの "F4" キーを押すと、次のような画面が現れます。
MAPCPYSPLF コマンドの 1 画面目
それぞれのパラメーターには、次のような値を指定します。
- spooled file <- スプール・ファイル名です。ここでは "STD132P" を指定します。
- spooled file number <- ファイルNOです。ここでは "6055" を指定します。
- Job Name <- ジョブです。ここでは "QPRTJOB" を指定します。
- Job Number <- (ジョブ) 番号です。ここでは "00308" を指定します。
- User <- ユーザーです。ここでは "QSECOFR" を指定します。
以上のパラメーターによって、対象となるスプールを 1 つに特定します。
- Mapping format <- 今回取り込んだ "STD" を指定します。
- Sequence <- フォーマットのシーケンスを指定します。"STD" では 1種類で "00010" になります。複数のフォーマットを 1 つのスプールに対して適用する場合には、"*MRG" を指定します。

ここで、キーボードの "F10" キーを押して "追加のパラメーター" を実行した後、キーボードの "PageDown" キーを押して、次のページに移動します。次のような画面になります。
MAPCPYSPLF コマンドの 2 画面目
この画面では、パラメーターに次のような値を指定します。
- Start page と End page <- スプール・ファイル内で PDF 生成する対象の開始ページと終了ページをそれぞれ指定できるのですが、今回のスプールは 2 ページしかないので、そのままとします。("999999" は、ページ数に関わらず最終ページという意味です。)
- Mapdraw format language <- MapDraw のプロパティで指定した"言語"のことです。"*XPS" を指定します。
- XPS Printer/outfile language <- XPS 形式から変換する先のファイル形式を指定します。"*PDF" を指定します。

ここで、キーボードの "PageDown" キーを押して、次のページに移動します。次のような画面になります。
MAPCPYSPLF コマンドの 3 画面目
 この画面では、パラメーターに次のような値を指定します。
- XPS outfile <- 生成する PDF ファイルのフォルダーとファイル名を指定します。ここでは、
/home/mapping/std/STD.pdf
と指定します。IFS 上の mapping フォルダーの下の STD フォルダーの下に、STD.pdf という固定のファイル名で PDF ファイルを生成することを表わします。

- Code Page <- 日本語スプールの場合は、半角カナ文字と半角英小文字の文字化けを防ぐため、"290" か "1027" を指定します。今回のスプールでは、どちらも含まないので、どちらの値でも結構です。

以上を指定して、実行キーを押すと、すぐ画面は元の状態に戻ります。指定したファイル名の PDF ファイルが指定した場所に生成できたことが、次のようにして確認できます。
IFS 上に PDF ファイルが生成された
生成された PDF ファイルの 1 ページ目
生成された PDF ファイルの 2 ページ目


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