始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2018年4月1日日曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第33回 - Mapping Suite の帳票設計方法 - 11 -

帳票設計のスキルには、"条件付け" 等の重要な機能がまだありますが、ここでは、前回までで設計できたところ一旦完了として、先へ進むことにしましょう。
"DrawF" の画面全体と、"MapF" の画面全体を表示してみると、次のようになっています。
"DrawF" の画面
"MapF" の画面
"ホーム" タブを選択すると表示されるメニューの中で "プロジェクトを生成する" ボタンを押すと、次のように 3 種類のファイルを保存する "プロジェクトの保存" 画面が表示されます。
"プロジェクトの保存" 画面
この画面を見ると、MapDraw のプリファレンスで設定した "共有フォルダー"(ここでは、Z:\home\mapping\) の下にある "\docpc" というフォルダーに、MapDraw のプロパティで定義した "フォーマット名"+"シーケンス番号"(ここでは、STD00010) という共通のファイル名で、拡張子が "mpp"、"mpw"、"mpi" という 3 種類のファイルを保存することになることが、分かります。
拡張子が "mpw" のファイルは、"DrawF"、"mpi" のファイルは、"MapF"、"mpp" のファイルは、両者を結びつけるためのファイルとなっています。
このまま、"OK" ボタンを押しても結構ですし、例えば、次のような変更は可能です。
- ファイル名を変更する。ただし、3 つのファイルのファイル名は共通でないとなりません。(この画面では、"プロジェクト名" 欄の記述を変更すると、自動的に他の 2 つの欄の記述も変更されます。)
- 保存先フォルダーを変更する。複数のメンバーで帳票設計している場合など、"\docpc" のサブ・フォルダーとして、担当者毎のフォルダーを用意して、各自が自分のフォルダーに保存するという運用は可能です。ただし、必ず "\docpc" の下であることが必要です。上にあると、後で、OS/400 上の Mapping メニューから保存したプロジェクト・ファイルを探しに行く時に、見つからないことになります。

1 つのフォーマット名に対して、シーケンス番号を使って複数の帳票を作る場合には、デフォルトのファイル名のように "フォーマット名" + "シーケンス番号" というファイル名が管理しやすいのですが、このサンプルでは 1 種類の帳票になりますので、ファイル名は簡単に "STD" としておきます。

"OK" ボタンを押すと、次のような画面が表示されます。
"生成の設定" 画面
 この画面で注意する箇所は、"フォント" のチェック・ボックスです。Mapping は、OS/400 上で印刷データや、PDF ファイルを生成しますし、その際には MapDraw で帳票設計に使用された Windows のフォントを使ってそれらを生成しないとなりません。そのために、このプロジェクトの生成を行なう時に帳票設計に使用した種類のフォント・セット(この場合は、MS ゴシック)を一緒に IFS 側に送信します。しかし、同じフォント・セットの文字を使って設計している場合には、何度も繰り返して同じフォント・セットを IFS に送信するのは、処理時間の無駄になりますし、ネットワークに影響を及ぼす可能性もあります。そこで、このチェック・ボックスは、帳票設計の初めの 1 回目と、その後、別のフォント・セットを使用して設計した場合のみチェックするようにしてください。
なお、外字を使用している場合には、外字は自動的に送信しませんので、手動で Windows 外字のファイルを IFS 側にコピーしていただくことになります。詳細は別の機会にお話しします。

"OK" ボタンを押すと、"プロジェクトを生成しています" 等のメッセージを表示した後、次のような "生成レポート" の画面が表示されます。この画面では、赤いマークさえ出ていなければ、生成完了となります。例えば、次の画面の黄色の注意マークは、"フォントは生成されませんでした。" というメッセージは、前の "生成の設定" 画面でフォントのチェックを外したからです。(赤いマークが出た時には、出なくなるようにする対処が必要です。)
"生成レポート" の画面
"OK" ボタンを押したら、MapDraw 上での操作は完了です。この後は、OS/400 上のメニュー画面を使って、送信したプロジェクトをオブジェクトに変換します。

OS/400 上の "Mapping メイン・メニュー" 画面で "2. MapDraw フォーマットの取り込み" を選択します。
2. MapDraw フォーマットの取り込みの選択
次のような画面が表示されます。"オブジェクト名" 欄には、"フォーマット名"+"シーケンス番号" が表示されています。取り込みたいオブジェクトであることを確認したら "1" を指定して実行します。
オブジェクトの取り込み画面
他に送信したプロジェクトが無ければ、取り込みが完了すると次のような画面に変わりますので、そのまま "F3" キーを押して終了します。
取り込みが完了した画面
以上で、準備完了です。次回は、実際に PDF ファイルを生成します。


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