始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2018年3月11日日曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第30回 - Mapping Suite の帳票設計方法 - 8 -

前回までのお話でご説明したことをまとめると、次のようになります。
1. "MapDraw" 上で、スプール・ファイルの中のデータを配置するには、単独のゾーンを使う方法と、グループとその中のゾーンの組み合わせを使う方法の二通りの方法があります。
2. 同じ配置方法が繰り返されるデータに対しては、グループとゾーンの組み合わせを使います。その際には、行間隔はグループごと、文字間隔はゾーンごとに指定することができます。

では、ここで、最も単純な例として、一般的な横 15 インチ、縦 11インチのサイズを持つ、横罫線付きのコンピューター用紙に、1 ページ当たり 66 行、132 桁のスプール・データを印刷している業務を、A4 サイズで横長の PDF ファイルに電子保存するための MapDraw の設計方法をお話しします。

先ず MapDraw を起動して、"新規" -> "プロジェクト" を選択すると、新規プロジェクトの属性を指定するための画面が表示されますので、次の 3 つの値を設定して "OK" ボタンを押します。
- 向き : Landscape ( 横長 )
- フォーマット名 : STD (任意の値なので、ここでは標準という意味で、STD としました。)
- ページ・サイズ : A4
新規プロジェクトの設定
開かれた画面で、"ホーム" タブの中にある "スプール・ファイルのロード" ボタンを押して、1 ページに 66 行 x 132 桁のデータが配置されたスプール・ファイルからユニコードに変換された "STD132JP.pag" ファイルを指定して、読み込みます。
pag ファイルを読み込んだ MapDraw 画面
先に、データの配置を設計するために、右下にある "Map F" をクリックします。
"Mapping" タブの中にある "固定グループ" ボタンをクリックしてから、左側の画面の左上の辺りにマウスで長方形を描くと、次のように "固定グループ" を定義する画面が自動的に表示されます。"グループ名" には任意の値 (ここでは、"g1")を指定し、"終了行" に "66" を指定して "OK" ボタンを押します。
もちろん、右側の "スプール・ビュー" 画面上でマウスを使って、1 行目から 66 行目までの範囲指定を行い、それを左側の画面内にドラッグ & ドロップしても結構です。
固定グループの指定画面
これによって、左側の画面に赤い実線で表示された "グループ" ができました。
次に、"固定グループ" の右上にある "ゾーン" ボタンをクリックしてから、左側の画面にある "g1" グループの赤い長方形の中に、マウスで横長の長方形を描きます。もちろん、右側の "スプール・ビュー" 画面上でマウスを使って、1 桁目から 132 桁目 (もしくは適当な桁数) までの範囲指定を行い、それを左側のグループ "g1" の中にドラッグ & ドロップしても結構です。
そうすると、次のように "ゾーン" を定義する画面が自動的に表示されます。"ゾーン名" には任意の値 (ここでは、"Z11")を指定し、"長さ" に "132" を指定して "OK" ボタンを押します。
ゾーンの指定画面
 この状態で、"ホーム" タブの中にある "プレビュー" ボタンをクリックする、若しくは、キーボードの "Ctrl" キーと "W" キーを同時に押すと、次のようにプレビュー画面が表示されます。倍率が "100%" ではないので、正確ではないものの、A4 サイズに収まっていないことは、明らかです。そこで、これから修正していきます。
グループとゾーンを指定してプレビューした結果の画面

修正する方法は様々ですが、ここでは、先ず、先頭の 1 行目、1 桁目の位置を、左上端に近づけ、左余白と、上余白を小さくします。前回お話ししたように、左余白は、ゾーン "Z11" の左端の位置を左に移動して小さくします。上余白は、グループ "g1" の上辺を上に移動して小さくします。
左余白を小さく調整した結果
プレビューしてみると、左余白を小さくしただけで、A4 サイズの横幅に収まったように見えましたので、倍率を "100%" にして更に確認したところ、大丈夫なようです。
そこで、次は、縦幅に収まるようにしなくてはなりません。そのために、行ピッチを小さく調整していきます。行ピッチを小さくするには、ゾーン "Z11" のプロパティ画面の "条件" タブ画面で、"後" の値を小さくします。現状では "42.33 x 1/10mm"なので、これを "30" に変更してプレビュー画面を見ると、次のように、A4 サイズ縦幅に収まったように見えます。倍率を "100%" にして確認したところ、大丈夫なようです。
行間隔の調整と結果
 ただ、この倍率 "100%" のプレビュー画面で見ると、文字と文字、行と行の間がくっつき過ぎていることが分かります。これは、フォントのサイズを小さくすることで、調整可能です。
ゾーン "Z11" のプロパティの "フォントとスタイル" タブの画面で見ると、フォントが "MS Gothic 12 ポイント" になっていることが、分かります。そこで、フォント・サイズを "9 ポイント" に変更してから、プレビューを表示すると、次のようになります。
フォント・サイズを 9 ポイントに変更した結果
 横幅が小さくなったのは、フォントのサイズを小さくしたことが原因です。そこで、"フォントとスタイル" タブの画面で、"固定ピッチ" にチェックを入れます。そうすると、値は "19" が自動的に表示されます。これは、フォント・サイズが "9ポイント" の時のデフォルトの値になりますので、文字間隔を広げるために "25" に変更します。プレビュー画面で確認すると、これで良さそうと判断できます。次回は、罫線を引きます。
固定ピッチを "25" に変更した結果

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