始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2018年3月24日土曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第32回 - Mapping Suite の帳票設計方法 - 10 -

前回のお話では、MapDraw の "複製" の機能を使って、横罫線を一定間隔で何本も引く方法をお話ししました。では、縦罫線はどうでしょうか ? 横罫線と違って、縦罫線を一定間隔で複製することはあまりないと思います。それよりも、金額欄などの狭い文字と文字の間の中央に、縦罫線を引かなくてはならない場合の方が多いと思います。
MapDraw ならではの特徴のご紹介と併せて、今回は縦罫線を引く際のテクニックをお話します。
前回では、次のプレビュー画面のように、各行と行の間、中央の高さに横罫線を引きました。
横罫線を複製した結果のプレビュー画面

そこで、縦罫線は、3 行目から始まって "0" と "1" の間、中央を通るように引くことにしましょう。
MapDraw の画面が、"DrawF" 表示になっていることを確認したら、大よその位置に、"線" ボタンを押してから、適当な長さの縦線を引きます。マウスを下へ移動する時に、キーボードの "Shift" キーを押しながら行なうと、マウスが左右へずれたとしても、垂直な縦線を引くことができます。線の属性は、前回、横罫線を太さ "2" "空色" の "点線" としていましたので、その設定が引き継がれています。これが、MapDraw の特徴の一つで、線やフォント等の属性は、変更するまで引き継がれていきます。例えば、複数の線を繰り返して引いていくには大変便利ですが、そうでない場合には、属性を忘れずに変更する注意が必要です。
"DrawF" 画面で適当に縦線を引いた結果
100% 表示のプレビュー画面で確認すると、この縦線はもう少し左に移動させる必要があることが、分かります。そこで、この縦線を指定した状態で(縦線の上下の端に黒四角が表示された状態)、下の "X" 座標の値 "287.02(1/10mm)" に直接、"280" を入力して、プレビューします。縦線の位置の目標は、"0" と "1" の下の行にある "==" や "AA" の中央です。"0" と "1" は文字の幅が異なるので、"0" と "1" の中央を目標にしてはいけません。
次のようになりましたので、もう少し "X" の値を小さくします。
縦線の X 座標を "280" に指定した結果

試行錯誤になりますが、最終的に "276" がベストの値であることが分かりました。
縦線の X 座標を "276" に指定した結果
もし、途中で操作を間違えて、線がどこかへ移動して見えなくなったとしても、決して慌てないでください。MapDraw 画面の左上にある "元に戻す" ボタンを押すと、2 ステップ程度までは、元の状態に戻すことができます。これも MapDraw で帳票設計している時に重要な心構えです。
次にこの縦線の開始位置を、3 行目に合わせます。そのためには、2 本目の横線をクリックして、その "Y" 座標の値を確認します。"89.74" であることが分かりましたので、縦線の "Y" 座標欄にも、"89.74" を直接入力します。
縦線の "Y" 座標を "89.74" にした結果
後は、縦線の下端の黒四角をマウスで下へ移動して、最も下にある横罫線に合わせます。キーボードの "Shift" キーを押しながら行なうことを忘れないようにしましょう。

もし、この縦線をもう 10 桁右に 1 本追加して引くとしたら、今引いたばかりの縦線をコピーします。縦線を指定して、キーボードの "Ctrl" キーを押しながら "C" キーを押してコピーした後、"Ctrl" キーを押しながら "V" キーを押してペーストします。一般的な Office 製品では、このような場合、コピー元の要素から少し離れた位置にペーストされますが、MapDraw では、コピーされた要素は全く同じ位置にペーストされます。そのため、コピーできたかどうかが不安になりますが、帳票設計という作業を考えると、実はこの方が便利です。コピーした縦線が同じ位置にペーストされたら、それが指定された状態のまま、キーボードのカーソル・キーを使って、右横へ移動させれば、上下方向のずれが発生することがないからです。これも、MapDraw の持つ大きな特徴の一つです。
コピーした縦線をカーソル・キーで移動した結果
ただ、カーソル・キーを使った移動では細かい調整は無理なので、目標の位置の近くまで移動させたら、後は座標の指定で調整します。この例では、"487.68" となっています。そのようにして移動させた結果が次の画面で、"==" や "AA" の間に配置されたことがお分かりいただけると思います。
縦線の位置を "X" 座標の値で調整した結果
更に、この縦線を 10 桁毎に 130 桁目まで、13本引くとしたら、その場合は、複製の機能を使うのが便利です。そのためには、1 本目の縦線と 2 本目の縦線の "X" 座標の値の差を調べます。
488.52 - 276.86 = 211.66
2 本目の縦線を指定して、"複製" ボタンを押します。横方向に複製しますので、"コピーする数"は、垂直は "0" 、水平は "11"(= 13 - 2) を指定します。"水平方向の間隔" に上の計算結果である "211.66" を入力して、OK ボタンを押します。
2本目の縦線を指定し複製する
右端の縦線が正しい位置に配置されたかを、100% 表示の状態で確認すると、次のように正しく行われたことが確認できました。
複製された13本目の縦線の位置の確認

2018年3月18日日曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第31回 - Mapping Suite の帳票設計方法 - 9 -

前回までの作業によって、"MapF" 側の画面で、スプール・データを A4 横長サイズの中に程よく収める設計ができました。
今回は、コンピューター用紙に良く見られるように、1行毎に横罫線を引く設計を行ないます。
横罫線をデータの有無に関わらず、毎ページ表示するのであれば、固定データとして DrawF 画面で設計していきます。もし、データのある行のみ横罫線を引くといったように、ある条件に応じて罫線を引くとか、罫線の種類を変化させるといった場合には、MapF 側の画面で設計します。

固定データとしての設計は、次のように進めます。
先ず、MapDraw の画面の右下にある "DrawF" をクリックして、"MapF" 画面の編集から、"DrawF" 画面での編集に切り替えます。
横罫線を引く作業の流れは、次のようにするのが、分かりやすいと思います。
1. なるべく 1 行目のデータの下に近い場所に短い横罫線を引きます。
2. プレビュー画面と切り換えながら、横罫線の左端の位置、上下方向の位置を調整します。
3. 横罫線を 132 桁目のデータの右端まで右方向に延長します。
4. MapDraw の複製の機能を使って、横罫線を、正しい行間隔で必要な本数だけ、複製します。
5. 全体のイメージや、100% 表示にした時のプレビュー画面を使って、横罫線の太さや色を調整します。

1. DrawF 画面に切り替えて、正確な位置を確認できるようにするために、左側画面の白紙の左上隅を 100% 拡大表示の状態にします。

2. "図形" タブの画面を指定すると、選択できるボタンの中に "線" がありますので、それをクリックします。

3. 横罫線の起点部分とする場所をクリックしたら、そのままマウスから手を離さずに右へ移動すると、横線が引けます。この時に、キーボードの "Shift" キーを押しながら右へ移動すると、水平線が引けます。次の図のように短い線を引いたら、プレビューして、1行目のデータとの上下の間隔や、1桁目のデータと、罫線左端の位置関係を確認します。
横罫線を引いてプレビューした結果
4. このサンプルでは、罫線の位置をもう少し下へ移動する必要があることが分かります。下へ移動する際に、プレビュー表示したままの方が位置を決めやすいことは明らかです。今から 10 年前に初めて MapDraw の研修を受けた時には、プレビュー状態のままで固定文字や罫線を移動すると、MapDraw がフリーズすると注意されましたが、その後、MapDraw や PC の性能が向上したため、フリーズすることは無くなったようです。それでも、できれば一旦プレビューを解除してから移動することを習慣付けることをお勧めします。
罫線を下に移動するには、上の例のように罫線の左右端に黒四角が表示された、つまり罫線が選択された状態で行ないますが、次の方法があります。
- マウスを下に移動する。この場合、横方向へも動いてしまいます。横方向の調整も行えば、最も簡単な方法です。
- キーボードの下向きカーソルを使用する。ただし、これは1回の移動量が大き過ぎます。
- Y 座標の値に直接入力する。微調整を行なうには、この方法がお勧めです。
Y 座標に 58 を入力した結果
この例では、Y 座標の値に "58(1/10 mm)" を入力して、1 行目のデータとの間隔を調整しています。(解像度の関係で、実際の Y 座標の値は、58.42 になっています。)

5. 次に罫線を右方向に延長するため、キーボードの "Shift" キーを押したまま、罫線の右端の黒四角をマウスで指定して右方向へ移動します。移動中は、黒四角は次のように黒い "+" マークに変わります。適当な位置まで延長したら、プレビューして確認します。横罫線の長さを微調整したい場合には、"W" に値を入力します。この例では、"W" の値は、2805.0(1/10 mm)となりました。また、下に移動した際の移動量が大き過ぎたため、2行目のデータに近づき過ぎてしまったことが分かりました。そこで、この後、Y 座標の値を "55" に修正しています。
横罫線を右に延長した結果

6. この罫線を一定間隔で、下方向に複製します。横罫線が指定された状態で、メニューの中にある "複製" ボタンを押します。複製するのは "垂直方向" に "65" 本です。"水平方向" に複製してはいけませんので、必ず、"水平方向" には "0" を入力します。そして、素直方向に複製する時の間隔は、"MapF" 画面で設計したゾーン "Z11" のプロパティ画面で、行間隔を規定するために指定した "間隔" 欄の "後" の値、"30.48" になります。
垂直方向への複製の指定方法

7. "OK" ボタンを押して実行すると、次のように正しく各行の下に横罫線が引けたことを確認できます。もし、1 行置きに横罫線を引くとしたら、複製の数は "32"、間隔は "(30.48 x 2 =)60.96" になることが、お分かりと思います。
横罫線を複製した結果
 8. 横罫線を複製してプレビューしたところ、罫線をもっと細くしたいとか、点線に変えたい、あるいは色を付けたいということになった場合には、次の手順で変更します。
8-1. キーボードの "Ctrl" キーと、"A" キーを同時に押すと、全部の罫線を一括して選択できます。
8-2. その状態で、"Shift" キーと "F2" を同時に押すと、次のように "ペンの設定" という画面が表示されます。この画面で、太さや線の種類、色を変更します。
罫線の属性の変更画面

このようにして、設計したサンプルのプレビュー画面が次のようになります。線の種類を点線、太さを "2"、空色の色を指定しています。
サンプルのプレビュー画面

最も単純な帳票設計作業でしたが、以上の手順をご覧いただくことによって、先に "MapF" 画面でデータの配置を設計し、その後、"DrawF" 画面で、データに合わせて罫線や固定文字を設計するという順序で進めていくのが効率的であることが、お分かりいただけるかと思います。逆に言うと、先に罫線を引いてからそれに合うようにデータの配置を設計していく方が、大変だと思います。特に、"複製" の機能を上手に使いこなすと、非常に便利と思います。

2018年3月11日日曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第30回 - Mapping Suite の帳票設計方法 - 8 -

前回までのお話でご説明したことをまとめると、次のようになります。
1. "MapDraw" 上で、スプール・ファイルの中のデータを配置するには、単独のゾーンを使う方法と、グループとその中のゾーンの組み合わせを使う方法の二通りの方法があります。
2. 同じ配置方法が繰り返されるデータに対しては、グループとゾーンの組み合わせを使います。その際には、行間隔はグループごと、文字間隔はゾーンごとに指定することができます。

では、ここで、最も単純な例として、一般的な横 15 インチ、縦 11インチのサイズを持つ、横罫線付きのコンピューター用紙に、1 ページ当たり 66 行、132 桁のスプール・データを印刷している業務を、A4 サイズで横長の PDF ファイルに電子保存するための MapDraw の設計方法をお話しします。

先ず MapDraw を起動して、"新規" -> "プロジェクト" を選択すると、新規プロジェクトの属性を指定するための画面が表示されますので、次の 3 つの値を設定して "OK" ボタンを押します。
- 向き : Landscape ( 横長 )
- フォーマット名 : STD (任意の値なので、ここでは標準という意味で、STD としました。)
- ページ・サイズ : A4
新規プロジェクトの設定
開かれた画面で、"ホーム" タブの中にある "スプール・ファイルのロード" ボタンを押して、1 ページに 66 行 x 132 桁のデータが配置されたスプール・ファイルからユニコードに変換された "STD132JP.pag" ファイルを指定して、読み込みます。
pag ファイルを読み込んだ MapDraw 画面
先に、データの配置を設計するために、右下にある "Map F" をクリックします。
"Mapping" タブの中にある "固定グループ" ボタンをクリックしてから、左側の画面の左上の辺りにマウスで長方形を描くと、次のように "固定グループ" を定義する画面が自動的に表示されます。"グループ名" には任意の値 (ここでは、"g1")を指定し、"終了行" に "66" を指定して "OK" ボタンを押します。
もちろん、右側の "スプール・ビュー" 画面上でマウスを使って、1 行目から 66 行目までの範囲指定を行い、それを左側の画面内にドラッグ & ドロップしても結構です。
固定グループの指定画面
これによって、左側の画面に赤い実線で表示された "グループ" ができました。
次に、"固定グループ" の右上にある "ゾーン" ボタンをクリックしてから、左側の画面にある "g1" グループの赤い長方形の中に、マウスで横長の長方形を描きます。もちろん、右側の "スプール・ビュー" 画面上でマウスを使って、1 桁目から 132 桁目 (もしくは適当な桁数) までの範囲指定を行い、それを左側のグループ "g1" の中にドラッグ & ドロップしても結構です。
そうすると、次のように "ゾーン" を定義する画面が自動的に表示されます。"ゾーン名" には任意の値 (ここでは、"Z11")を指定し、"長さ" に "132" を指定して "OK" ボタンを押します。
ゾーンの指定画面
 この状態で、"ホーム" タブの中にある "プレビュー" ボタンをクリックする、若しくは、キーボードの "Ctrl" キーと "W" キーを同時に押すと、次のようにプレビュー画面が表示されます。倍率が "100%" ではないので、正確ではないものの、A4 サイズに収まっていないことは、明らかです。そこで、これから修正していきます。
グループとゾーンを指定してプレビューした結果の画面

修正する方法は様々ですが、ここでは、先ず、先頭の 1 行目、1 桁目の位置を、左上端に近づけ、左余白と、上余白を小さくします。前回お話ししたように、左余白は、ゾーン "Z11" の左端の位置を左に移動して小さくします。上余白は、グループ "g1" の上辺を上に移動して小さくします。
左余白を小さく調整した結果
プレビューしてみると、左余白を小さくしただけで、A4 サイズの横幅に収まったように見えましたので、倍率を "100%" にして更に確認したところ、大丈夫なようです。
そこで、次は、縦幅に収まるようにしなくてはなりません。そのために、行ピッチを小さく調整していきます。行ピッチを小さくするには、ゾーン "Z11" のプロパティ画面の "条件" タブ画面で、"後" の値を小さくします。現状では "42.33 x 1/10mm"なので、これを "30" に変更してプレビュー画面を見ると、次のように、A4 サイズ縦幅に収まったように見えます。倍率を "100%" にして確認したところ、大丈夫なようです。
行間隔の調整と結果
 ただ、この倍率 "100%" のプレビュー画面で見ると、文字と文字、行と行の間がくっつき過ぎていることが分かります。これは、フォントのサイズを小さくすることで、調整可能です。
ゾーン "Z11" のプロパティの "フォントとスタイル" タブの画面で見ると、フォントが "MS Gothic 12 ポイント" になっていることが、分かります。そこで、フォント・サイズを "9 ポイント" に変更してから、プレビューを表示すると、次のようになります。
フォント・サイズを 9 ポイントに変更した結果
 横幅が小さくなったのは、フォントのサイズを小さくしたことが原因です。そこで、"フォントとスタイル" タブの画面で、"固定ピッチ" にチェックを入れます。そうすると、値は "19" が自動的に表示されます。これは、フォント・サイズが "9ポイント" の時のデフォルトの値になりますので、文字間隔を広げるために "25" に変更します。プレビュー画面で確認すると、これで良さそうと判断できます。次回は、罫線を引きます。
固定ピッチを "25" に変更した結果

2018年3月4日日曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第29回 - Mapping Suite の帳票設計方法 - 7 -

今回は、文字の位置の調整方法をお話ししますが、初めに覚えていただきたいことは、プレビューの画面を見て位置調整しますが、その際には画面の表示の倍率が "100%" の状態で行なってくださいということです。これは、MapDraw がプレビュー画面を表示する際には、OS/400 上で Mapping が PDF 生成するのと同様の処理を行なっているのですが、どうしても PC の画面の解像度の影響を受けて、計算結果に四捨五入が発生するからです。

先ず、上下方向の調整の一つとして、グループの先頭行の位置の調整を行ないます。そのためには、グループの赤い長方形の上辺の位置を上下に移動して行ないます。次の画面をご覧いただければ、お分かりいただけると思います。
また、1 つのグループの中に複数のゾーンがあった場合、この先頭行の位置はそれらのゾーンに共通に適用されます。従って、ゾーンによって先頭行位置が異なる場合には、それぞれのゾーンに対応するグループを複数作ることで対応します。
グループの先頭行位置の調整

もう一つの上下方向の調整は、行間隔の調整です。従来の APW や DDS での行間隔の調整は、行ピッチの調整として、6LPI(1 インチ当たり 6 行) と 8LPI(1 インチ当たり 8 行)の2種類しかありませんでしたが、MapDraw ではもっと柔軟です。
行間隔の調整は、グループの中に配置したゾーンのプロパティの中で行ないます。この例では、ゾーン Z11 のプロパティの画面(キーボードの F5 キーを押すと表示されます)で、"条件" タブの画面を表示します。すると、"間隔" という欄の中の "後" に ”42.33 10/mm" と表示されているのが分かります。これは、1/10mm 単位で "42.33" ですから、"4.23mm" の間隔を行の後ろに取ることを意味しています。この数値は、MapDraw が、"Z11" で指定した "12 ポイント" という文字の大きさに合わせて初期設定した値です。そこで、例えば、"50" に変更して保存した後プレビューしてみると、次の画面のように行間隔が広がったことが分かると思います。
この値は、1/10mm 単位で小数点以下 2 桁までの数値となっていますが、実際に数値が変わるのは、1/10mm 単位です。つまり、MapDraw を使って行間隔を調整できるのは、1/10mm 単位と言えます。
そして、私は MapDraw が良くできていると思う点の一つは、1 つのグループの中に複数のゾーンがあった場合、1つのゾーンで行間隔を調整すると、その値は他のゾーンにも自動的に適用されることです。実際に、同じグループ内の他のゾーンの "後" の値を見てみると、調整後の値に変わっていることを確認できます。
ゾーンの行間隔の調整

左右方向の調整の一つは、ゾーンの 1 桁目の文字の位置です。ゾーンの文字の配置については、左寄せ、中央揃え、右寄せの指定が可能です。最も一般的な左寄せの場合には、ゾーンの青い長方形の左の縦線の位置を左右に移動して、1 桁目の位置の調整を行ないます。この時、グループの赤い長方形の左端よりも外に出そうになったら、グループからはみ出ないように、グループの左端を左へ移動してください。
この例のゾーン "Z12" のように、金額を表示するためのゾーンの場合、右寄せの指定にして、左右の調整をゾーンの右端の縦線を使って行なうと便利です。
また、先頭行の位置の調整の場合も同じですが、これらの調整はマウスを使って手で行なうよりも細かい調整が必要な場合には、MapDraw 画面下に表示される、上下方向なら "Y 座標"、左右方向なら "X 座標" の値に直接入力する方法がお勧めです。
ゾーンの1桁目の位置の調整

もう一つの左右方向の調整は、文字間隔の調整です。文字間隔と言えば、今までは、半角文字で "10CPI(1 インチ当たり 10 文字)"、とか "15CPI(1 インチ当たり 15 文字)" と言ったように、限られた値でしか設定できませんでした。MapDraw では、ゾーンのプロパティの中で行ないます。
この例のゾーン "Z11" のプロパティにおいて、"フォントとスタイル" タブの画面を開くと "固定ピッチ" というチェック・ボックスがあります。ここにチェックを入れると、次の画面のように、12ポイントの文字サイズの場合は、初期設定値として "24" が自動的にセットされます。文字間隔を広げるには、この数字を大きく、狭めるには小さくします。例えば、"40" に変更した画面では、次の図のように文字間隔が大きく広がっていることが、お分かりいただけると思います。間隔を極端に狭くすると MapDraw 上では隣り合う文字が重なって表示されますが、OS/400 上の Mapping で PDF 生成すると、文字が重ならないように左右に細く表示されます。
ゾーンの文字間隔の調整
なお、この文字間隔は、同じグループ内でも各ゾーン毎に異なる設定が可能です。