始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2018年1月20日土曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第23回 - Mapping Suite の帳票設計方法 - 1 -

前回までのお話で、帳票設計を始める準備ができましたので、これからは実際の帳票設計作業についてお話します。
プリファレンスの設定を行なった MapDraw を起動すると、次の画面が表示されますので、ホーム・ボタンを押してから"新規"->"プロジェクト"と指定するか、画面上の"新規"の下にある"プロジェクト"を指定します。
MapDraw 帳票設計の開始
MapDraw では、"プロジェクト"という言葉と、"フォーマット”という言葉が出てきて紛らわしいように感じるかと思います。後で詳しくお話しすることになりますが、"プロジェクト"は、1つ1つの帳票設計の成果であるファイルを指します。一方、"フォーマット"は、1つのスプールに対して適用する帳票設計全体を指します。例えば、見積書のスプールの 1ページ目には、"表紙"の設計を、2ページ目以降には"明細"の設計を切り替えて適用した PDF  ファイルを生成する場合には、"表紙用"のプロジェクトと"明細"用のプロジェクトを作ることになります。ただし、それらのフォーマット名は、"表紙"と"明細"に対して共通のものとなります。これは、後に PDF ファイルを生成する Mapping のコマンドのお話しを聞いていただくと、良くご理解いただけると思います。

"新規"->"プロジェクト"を指定すると、初めに次のような"新規プロジェクト"という画面が表示されます。
新規プロジェクトを定義する画面
各設定項目について、お話します。
A : ここで言う言語は、日本語や英語のことではなく、Mapping処理して生成されたファイルの形式を指しています。選択肢には、XPS の他に PDF、PCL5 等何種類かありますが、Mapping V7 では先ず XPS 形式のファイルを作りますので、デフォルトの "XPS" のままとします。

B : G の"片面/両面" 欄では、通常の片面の他に、"長辺綴じの両面"や"短辺綴じの両面"が選択できます。プリンターでの印刷と違って、XPS や PDF ファイルでは、本来は片面も両面も意味が無いので、このような設定項目があるのはおかしいように思われますが、奇数ページと偶数ページで設計が切り替わる場合に指定するとお考えください。画面の例のように、G で"片面"が指定されていれば、B では片面欄に "Portrait" か、"Landscape" を選択できます。これらはプリンターの業界用語のようですが、"Portrait" は肖像画ですから"縦長"を表わし、"Landscape" は風景画ですから"横長"を表わします。

C : 冒頭でもお話しした"フォーマット"の名前を指定します。英数半角大文字で、最大 10 文字です。1つのスプールに適用される帳票設計に共通の名前となります。Mapping のコマンドのパラメーターとして使用しますので、どのスプールにどのフォーマットを適用するかをきちんと管理する必要があります。

D :1つのスプールに適用する帳票設計が、各ページ共通の1種類であれば、デフォルトの"00010"のままで良いですが、複数ある場合には、共通の"フォーマット"名に対して、シーケンスを"00010"、"00020"、、、という具合に追加していきます。

E : 説明欄には、25文字までの英数半角文字を指定できます。AS/400 上の Mapping のメニュー画面で、帳票の説明として表示されますので、入力しておくと後で少し便利かと思います。残念ながら全角文字は、入力できません。

F : ページのサイズを指定します。選択肢には、A4、A3、A5 等の規格サイズがありますが、例えば B4 等の B 系列のサイズは、日本独自規格なので用意されていません。B 系列のサイズや、他の規格外のサイズの場合には、"Customized" を選択します。そうすると、I 欄で、縦、横の長さを、cm 、mm、1/10mm、ドット単位で任意に指定することができます。なお、上の画面での単位 "10/mm" は、1/10mm を意味しています。

H : "Xマージン" は左右の、"Yマージン"は上下の余白を表わしています。この値が影響することは、実際にはあまりないのですが、ゼロにしないようにご注意ください。

J : コードページ欄には、デフォルトで "1200 : Unicode" が指定されます。Mapping は、文字コードを Unicode に変換しますので、元のスプールの言語に関わらず、ここは変えないようにご注意ください。

K : ここでは、Mapping 処理の元になるデータが、スプールの場合には "SPLF"を、XML ファイルの場合には "XML" を指定します。

L : 元になるデータがスプールの場合、スプールの属性の中にある"DBCS SO/SI スペース"と合わせます。これは、SO/SI を半角ブランクとして扱うか、詰めるかを、元のスプールと合わせておかないと、桁ずれの発生に繋がるからです。
スプールの属性 SO/SI スペースの扱い

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