始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2018年1月8日月曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第21回 - Mapping Suite の画面 - 3 -

"MapDraw" は、"Mapping Suite" に付属する帳票設計のためのツールで、Windows PC にインストールして使用します。ライセンスは、コピー・フリーとなっていますので、複数の PC にインストールして、複数のメンバーで帳票設計をする場合でも、追加料金が掛かることがありません。
MapDraw を Windows PC にインストールする際の注意点は次の2点です。
- Administrator 権限で実行すること
- インストール先の専用のフォルダーを、C ドライブの直下に予め用意しておいて、そこへインストールすること、つまり、インストール先としてデフォルトのフォルダーである "Program Files" にはインストールしないことです。(これは、"Program Files" というフォルダー名の中のブランク文字が、MapDraw のプログラムを実行する際に悪影響を与えるからであると、Mapping 社の担当者から聞いています。)

MapDraw をインストールした後は、設定を行ないます。その中で重要なので、共有フォルダーへのアクセス方法の設定です。
OS/400 上に Mapping をインストールすると、Mapping のプログラムが使用するために IFS 上に複数のフォルダーが自動的に作られます。ここで言う"共有フォルダー"とは、その中の帳票設計に関連するフォルダーの親フォルダーである "\mapping" という名前のフォルダーを指します。複数の PC で帳票設計作業を行なう際には、このフォルダーを共有することになります。
そこへのアクセス方法の設定には次の2通りがあり、どちらかを選択します。
設定するには、MapDraw を起動した後、ホーム・ボタンを押して表示される画面にある、プリファレンス・ボタンを押します。
MapDraw 起動後にホーム・ボタンを押した時の画面とプリファレンス・ボタン

1. PC のネットワーク・ドライブを使用する方法
AS/400 上のMapDraw を実行する PC 上のネットワーク・ドライブとして、IFS にアクセスします。具体的には、例えば、Z ドライブとして、"\\192.168.1.1\root"(192.168.1.1 は、AS/400 の IP アドレス)と指定します。
そして、Z ドライブ上の "\mapping" フォルダーの下にある "docpc" というフォルダーに、帳票設計の結果であるプロジェクト・ファイルを保存したり、開いて編集したりします。
プロジェクト・ファイル(帳票)の編集中に、他の PC から編集、上書き保存されることが無いため、複数のメンバーで帳票設計を行なう際には、この方法をお勧めしています。もし、プロジェクト・ファイルを保存するフォルダーをメンバー毎に分けるのであれば、"\docpc" フォルダーの下にそれぞれのフォルダーを作成します。
この設定方法では、帳票設計中に参照する ".pag" ファイル(変換されたスプール・ファイル)も含めてネットワークを介してファイルにアクセスしますので、ネットワークの速度が遅い環境では、プロジェクト・ファイルを開いたり、あるいは、プレビューの際にはスプールのページ間を移動する度に時間が掛かることになります。
ネットワーク・ドライブを使用した接続の設定


2. FTP を使ってアクセスする方法
この方法では、MapDraw をインストールした PC 上に、IFS 上の "\mapping" フォルダー以下の必要なフォルダーが自動的に作成されて、PC 上のファイルを使って帳票設計したり、プレビューしたりすることになります。FTP を使って IFS と通信するのは、設計したプロジェクト・ファイルを保存する時だけになりますので、ネットワークの遅い環境で作業するのに適しています。
その代わり、複数のメンバーで作業する場合に、間違えて他のメンバーと同じプロジェクト・ファイル名を使ったりすると、上書き保存されたり、上書き保存したりする原因になりますので、注意が必要です。
また、"\mapping" フォルダー直下に自動的に作られる "lstobj.txt" ファイルは、生成された帳票設計のフォーマットと、使用されたフォントのリストになっていて、非常に重要なものです。上記 "1" の設定では、IFS 上に1つ存在するだけですが、この FTP を使用する設定では、帳票設計作業を行なう複数の PC 上に存在することになります。そのため、作業開始前には、"接続のテスト" ボタンだけでなく、"lstobj.txt のインポート" ボタンを押して、IFS 上の "lstobj.txt" ファイルを自分の PC に取り込んで、最新の状態に更新しておくことが、重要です。
FTP を使用した接続の設定

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