それは、"Mapping は、永年の間、AS/400 のお客様からのご要望を取り入れて機能拡張を積み重ねてきたものです。だから、日本の AS/400 のお客様のやりたいことも、実現できるはずです。お客様から Mapping でこんなことができるか ? と聞かれたら、先ず Yes と答えてください。どうやって実現するかは、私も一緒に考えるから。" というものでした。
プリンターに関しては、経験を積んできていた私たちですが、ソリューションをお客様に提案し、導入し、日常業務で使用していただくという経験は、ゼロと言って良い状態でした。そのため、研修を受けた後は、大海原にボートで漕ぎ出すような心持でしたが、そんな不安を Stephane さんの言葉が解消してくれました。
実際、2008年に発表して提案活動を行なっていく中で、ナース・コールのシステムを中心に製造販売している"ケアコム"というお客様から、次のような課題をいただきました。
そして、Stephane さんからアドバイスをいただきながら、課題を解決していき、最終的にはもう1件の別のお客様とほぼ同時に、初めてご契約いただく運びとなりました。
その課題とは、次のとおりです。
<現行の運用>
1. 営業担当者がお客様に提出する見積書の印刷。
2. 表紙と明細の 2 種類の事前印刷用紙(連続用紙)に、ドット・プリンターを使って印刷している。(AS/400 からプリンター・セッション経由の印刷)
3. 用紙の架け替えの手間を省くため、表紙印刷用と明細印刷用の 2 台のプリンターを使用している。つまり、スプールも、表紙用と明細用に別々となっている。
4. 印刷後、用紙を 1 枚ずつ切り離した後、印刷された見積り番号を頼りに、表紙と明細を組み合わせる作業が発生している。
<課題>
1. ケアコム様では、お客様先でも見積りを作成できるように、営業担当者にモバイル環境が提供済みとなっている。
2. しかし、見積り書は営業所に設置されたプリンターでないと印刷できないため、見積り書を提出するためには、営業所に戻らないとならない。そのため、モバイル環境の効果が十分発揮できていない。
(四国では、営業所が 1 箇所しかないため、お客様の場所によっては、提出までかなりの時間が掛かっているとのことでした。)
3. 別々のプリンターで印刷された表紙と明細を、見積り番号を使って組み合わせるため、ミスが起きることがある。
<要件>
1. 現行のアプリケーションを変えずに、見積りと明細をセットにした 1 つの PDF ファイルを生成する。
2. PDF のファイル名には、スプールの中に見積り番号を使用する。
3. 表紙には、担当者と上司が押印していたが、PDF ファイルでは、印影が付いた状態とする。(見積り番号の先頭の 4 桁が社員番号)
4. 提示金額が消費税込みの見積りと、そうでない見積りの 2 種類がある。現行では、表紙に消費税込みであることを事前印刷していて、そうでない場合は、その上に "====" を印刷して消している。PDF ファイルでは、消費税込みか込みではないかの文章を切り替えて表示したい。
<技術的な課題>
要件の "2", "3", "4" は、Mappingの帳票設計ツールである "MapDraw" の機能を使えば簡単に実現できるのですが、"1" は難しいものがありました。
具体的には、表紙用の OUTQ と明細用の OUTQ に同じ見積り番号のスプールが同時に書き込まれるわけではないため、必ず両者のスプールが揃った時点で、Mapping がスプールを結合しないとなりません。しかし、Stephane さんのアドバイスをいただいて CL を用意し、解決することができました。
ケアコム様のお話では、2002年頃から各社に声を掛けてソリューションを探してきたのですが、この課題を解決できる会社が見つからなかったとのことです。
Mappingによる処理概念-1 |
Mappingによる処理概念-2 |
<効果>
ケアコム様の具体的なお話は、Mapping Suite の事例のサイトでご覧いただけます。
導入の効果として、見積書をお客様にメール送信できるようになったり、家庭のプリンターでも印刷できるようになったことによって、営業担当の方の時間の余裕ができて、訪問件数が 30% 増えただけでなく、時短にも繋がったとのことです。
もちろん、ドット・プリンターの維持費や用紙代の削減も実現しています。
それだけでなく、情報システム部が新たに導入したシステムの中でも、ユーザーに感謝された稀有なケースだとも、お客様はおっしゃっていました。
ケアコム様見積り書表紙イメージ |
ケアコム様見積り書明細イメージ |
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