実習のために、自分のPCを持ち込み、会場に設置された AS/400 と接続するのですが、私の隣の 2 名の若いロシア人の画面を覗くと、AS/400 の中に入り込んで、何か実習とはまったく別のことをやっているようでした。逆に、Mapping 社から講師の Stephane さんの他に、助手として参加していたアメリカ人の Don さんは非常に真面目な方で、各人の PC の画面を見ながら、"ブラウザーの画面を閉じて" とか、"メールは止めて" と注意して、研修に集中するように促していたことを覚えています。 (Don さんは、元 IBM 社員。)
一口に外国人と言っても、一人一人は、実に様々な個性の持ち主で、皆違うのだと印象付けられました。
新生 Infoprint Solutions Company の全体集合研修である "POST" は、その費用のためか、2007年と 2008年の 2回で終わってしまいましたが、"POST2007" でのデモを切っ掛けとして、日本でも "Mapping Suite" を 2008年に発表するための準備が始まりました。社内調整は別として、主な作業は次のとおりです。
1. 翻訳
画面やメッセージの文字、マニュアル、ヘルプを日本語に翻訳します。1 回目の翻訳は、翻訳サービスの会社に依頼しましたが、OS/400 を始め他のソフトウェアで使用している用語との整合性のために、自分たちで修正することも必要でした。
例えば、表記に関しても、"property" は、IBM の翻訳ルールに従えば、"プロパティー"となりますが、Windows の世界では"プロパティ"なので、最終的には"プロパティ"とするといった注意です。
2. 検証テスト
Mapping 社からは、ユニコードを使用しているので、日本語のスプール・データにも対応していると聞いてはいたのですが、実際に自分たちで検証する必要があります。しかし、いくら基礎研修を受けたとは言え、初めは私たちも手探りの状態で使い始めたため、何度も Mapping 社のエンジニアの方と英文のメールやファイルのやり取りを行いました。その結果、Mapping のプログラムに修正が入ったこともありますし、Mapping 社では気づいていなかった注意点を私たち側で見つけたこともあります。具体的には、次の点です。
- OS/400 上の Mapping の実行環境のCCSIDのみは、"5035" にセットすること。
CHGJOB CCSID(5035)の実行 |
- その上で、半角カナ文字と英小文字の文字化けを防ぐために、Mapping のコマンドのパラメーターの一つとして、"コード・ページ"を "290" か"1027" に指定すること。
MAPCPYSPLFコマンドの中のコードページ指定 |
5250端末画面の通信の設定 |
この翻訳や検証テストを行なっていくことで、Mapping を日本国内で担当する SE としてのスキルが身についていったわけです。
Mapping の研修としては、"POST2008" 以外に、その直後の 2008年 4月には東京で、オーストラリアも含むアジア・パシフィック各国の Infoprint Solutions 社の SE 向けの研修を行なっています。
その際に、やはり講師となっていただいた Mapping 社の Stephane や Nathalie さんには、日本のメンバーに対しても、追加の研修を行なっていただきました。
更に続けて、同じ 2008年の 5月には、私と、もう 1名の SE が、Mapping 社があるフランスのリール(Lille)に行って、研修を受けています。
そのような積み重ねと営業努力の結果、2008年中に製品発表を行ない、2008年末には第 1 号のお客様に契約をいただくことになったのです。
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