"InfoPrint Color 8" は、PAGES には対応しなかった(PAGES は元々カラーを想定していない)ため、国内の開発部隊は全く関与しませんでした。その結果、国内の事業部の製品企画を担当された方が、操作パネルの液晶ディスプレイに表示されるメッセージの翻訳を行なっていたことを覚えています。
InfoPrint Color 8 |
しかし、このボルダー発の製品シリーズを継続するほどの営業成績が上げられなかった(日本も含めて)ためか、2000 年に発表した、"InfoPrint40" や "InfoPrint21"が最後の製品となってしまいました。
私としては、日本語対応に不十分な面がありますが、他社のレーザー・プリンターと比べて競争力のある価格と、同等以上の機能、特に多くの種類のシステムに接続できる機能を持ったこのシリーズが終わってしまうことは、非常に残念でした。
このクラスのレーザー・プリンターは、IBM の小型プリンターを担当していたレキシントンの部隊が起源となった "Lexmark International社"(1991 年創立)の製品群でカバーすると判断されたのではないかと思います。
その結果、PAGES モードを持ったプリンターは、元の "558xシリーズ" のみに戻りました。
"558xシリーズ" のその後の展開を見ると、1999 年に、
- InfoPrint20 と同じ印刷機構を使った "5589-K20"(A3 サイズ用紙対応、印刷速度 20 枚/分)
5589-K20 |
と、
- A4 サイズ用紙対応、印刷速度 14枚/分の "5584-K14"
5584-K14 |
を発表しています。解像度は、どちらも同じ 360DPI です。
当時、同じ外観の "InfoPrint20" と "5589-K20" の違い、つまり、どのような場合にどちらを選んだら良いかについて、お客様や特約店の方から聞かれることが多く、苦労したことを覚えています。
2000 年には、1996 年に発表した "5587-K02"(16 枚/分)を同じ筐体で、印刷速度を高速化した "5587-L20"(20枚/分)を発表しました。その結果、A3 サイズ用紙対応で 20 枚/分の印刷速度を持つ "558x" プリンターが、"5589-K20" と併せて 2 製品となってしまいましたが、"5589-K02" の方が大量印刷向けとなっていました。
その後、2002 年に、より高速の 36枚/分の印刷速度を持つ "5589-L36" が発表されたことにより、"5589-K20" は置き換えられました。
5589-L36 |
5589-L36 2,000枚給紙ユニット付き |
日常、オフィスで使用するワープロやメール、表計算は既に Windows 上のアプリケーションに置き換わった時代ですから、レーザー・プリンターもプリンター・ドライバーを使った印刷ができれば十分になります。そういった観点で、時宜に適った製品と言えますが、その反面、他社製品と正面から競争することになり、価格性能比が厳しく問われることとなりました。
また、Windows Server をプリント・サーバーとして使用するネットワーク経由の共有印刷も普及してきましたので、様々なネットワーク構成の下での使用方法など、営業をサポートする立場の私も勉強することが多くなりました。
では、そのような環境の中で、PAGES はどのような印刷において、まだ必要なのでしょうか ?
次回は、そのお話をしたいと思います。