その移行に対応するために、プリンター側としては、"コンバージド・インターフェイス"と"3バイトECC"に対応しています。
"コンバージド・インターフェイス"と"3バイトECC"については、"プリンターへのデータの流れ - レベルE機能と双方向通信 -"の回をご参照ください。
コンバージド・インターフェイスに対応したプリンターとしては、ドット・プリンターである"5577-G01"が先に発表されています。
ちなみに、"PS/55"では、"PS/2"に対して、日本語フォントをメモリーに内蔵したディスプレイ用のカードを搭載していました。
そして、OS である"J-DOS"は、文字を文字コードとして処理し、画面にはディスプレイ・カードに内蔵した日本語フォントのイメージを表示するという方式を使っています。
ちなみに、"5550 シリーズ"では、"K-DOS"( 漢字 DOS の意味)でしたし、"PS/55" の後の "PC/AT" 互換機では、"DOS/V" となって、共にソフト・フォント(メモリーではなく、ソフトウェアとしてのフォント) となっている点が、大きく異なります。
これは、ちょうどプリンターによる印刷も同じ原理で、J-DOS からは文字コードがプリンターに送られ、プリンターは内蔵しているフォントのイメージを印刷します。
例えば、"5587-G01" プリンターは、240DPI(ドット/インチ)の解像度で、32 x 32 ドット構成の文字を内蔵していましたから、文字コードが送られてくると、32 x 32 ドット構成の文字イメージを印刷します。
この文字が、解像度 180DPI のドット・プリンターが内蔵する 24 x 24 ドット構成の文字と同じ大きさになることは、比例計算すればお分かりになると思います。
"5587-G01" プリンターは、24 x 24 ドット構成の文字、つまりドット・プリンターと同じ文字も内蔵していました。こちらの文字を使うと、ちょうど 3/4 に縮小された文字を印刷することができました。
この当時、"PS/2" から "PS/55" が開発されたように、プリンターの世界でも World Wide 製品を元に日本語対応した製品を開発するという方式が、流行りました。そのレーザー・プリンター版が、"4216-510" プリンターです。
4216 プリンター本体(本来は右に給紙トレイが付く) |
"4216" プリンターは、"5587-G01" のプリンター OEM 製造元の会社が開発した、小型のレーザー・プリンターで、接続先のシステムによって、いくかのモデルに分かれます。
それに対して、日本で、"5577互換" の機能(コマンド対応、日本語フォント内蔵)追加を行なったのが、"4216-510" になります。
開発期間の短縮化も求められていたため、"5587-G01" と同じ "3222"互換ではなく、"5577" 互換レベルとしたことは、今から思えば一つの見識だったと思います。
プリンターの機構自体は、小型化を追求した設計となっていて、良いプリンターでしたが、残念ながら対応する用紙サイズが "A4" まででは、国内ではあまり受け入れられませんでした。
一方、その間に、国内の他のレーザー・プリンター・メーカーは、各社独自のコマンド体系を拡充し、それを様々なアプリケーション開発会社に持ち込んで、サポートしてもらってその数を競っていました。そこで、当時のプリンター開発グループでも、各社のコマンドを調査したり、IBM World Wide では標準規格として定義されてきたばかりの "IPDS(Intellient Printer Data Stream)" に習って、"PAGES"(Page printer Advanced Graphics Escape Set)を定義しました。
そして、他社に習って、コマンド解説書を本として準備し、社内のソフトウェア・グループはもちろん、社外のソフトウェア開発会社やユーザーにも情報提供始めました。
"PAGES" のコマンド解説書は、Web でも公開しています。
そして、"PAGES" を装備したプリンターとして始めて発表されたのが、"5587-H01" プリンターです。
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