本来起きてはいけないエラーですが、用紙ジャムが発生することがあります。
用紙ジャムが発生すると、ブザーが鳴り、プリンターの操作パネルの液晶表示部に、"用紙詰まり 用紙を直してください"というメッセージが表示されます。
Telnet5250E を使った AS/400 との直接接続の場合には、5250 端末画面上でも、メッセージ・ウェイト状態となり、用紙ジャムが発生している旨のメッセージが表示されます。
対応方法として先ず行なうことは、
- 5400-F10/L10 モデルや、5400-L06/006 モデルでは、プリンター内部の右側にある"プラテン開閉レバー
- 5400-F06 モデルや、5400-F02/L02 モデルでは、左側にある"FTレバー"(用紙厚設定レバー)
これを全開にして、印字ヘッドと用紙の間隔を広げ、詰まった用紙を取り除くことです。
その後は、新たに用紙をセットしたら、開いたプラテン開閉レバーを閉じて(用紙厚設定レバーは、用紙の厚さに応じた値にセットして)印刷を再開します。
ライン・プリンターでは、プリンターの持っているデータ受信用のバッファー・メモリーのサイズが小さいため、用紙ジャムが発生した時点で印刷終了したデータは、既にプリンターには残っていません。
従って、印刷を再開するページを確認した上で、そのページからの印刷データを送信する必要があります。特に、Telnet5250E を使った AS/400 との直接接続の場合には、エラー・メッセージに対する応答処理として、開始ページを指定して印刷再開させることができます。
ちなみに、レーザー・プリンターでは、印刷された用紙が排紙されるまでは、メモリーに印刷イメージを保管しています。そのため、詰まった用紙を取り除いて、プリンターが印刷可能状態となったら、自動的に用紙ジャムとなったページから印刷再開します。ただ、電源を切ってしまうと、メモリーの内容が消えてしまいますので、電源を切らないことが重要です。
その観点からは、ライン・プリンターの場合は、電源を切っても影響が無いと言えます。
以上は、その場の対応方法でしかありません。もし用紙ジャムが頻発するようであれば、根本的な対策が必要です。
私の経験から、次の点をチェックすることをお勧めします。
1. トラクターの左右の間隔
用紙の幅に合わせてトラクターの左右の間隔をセットするのですが、これが広めだったりすると、用紙ジャムの原因になります。通常、狭めにセットされることは無く、広め、つまり用紙を左右に張った状態でセットしてしまうことがあります。目安としては、用紙の送り穴の左右中央にトラクターのピンが出ていること、送り穴がピンに押されて歪んだ状態になっていないことが上げられます。
トラクター左右位置調整の目安 |
2. 印字ヘッドと用紙の間隔
特にラベル紙を使用している場合、用紙厚設定レバーの設定が狭いと、台紙の上のラベルが引っ掛かって印刷中にラベルが剥がれることがあります。ラベルが剥がれると糊が付いているので、プリンターの内部にくっついて、剥がすのに苦労することになります。
("5400-F06" モデルは、"5400-L06/006" モデルに比べて、プラテンと印字ヘッドの間を広げた時の間隔が狭くなって、プリンター内部につまったラベルが、剥がし辛くなったというご指摘をいただいたことがあります。)
当たり前のことですが、台紙の厚さとラベルの厚さの両方を加味した厚さに合わせてレバーの値を設定するように注意してください。
3. 用紙のミシン目の品質
プリンターのマニュアルには、次のような用紙のミシン目に対する注意事項が書かれています。
- 横ミシン目と縦ミシン目の交差部分は、アンカット部(紙が繋がっている部分)同士で交差すること。
- 用紙の紙端部分はアンカット部とすること。
これらは、ミシン目での用紙の破れやすさに影響する要素です。
ライン・プリンターで多く使用される、事前印刷された複写用紙は、印刷会社で製造されてくるものですが、用紙の品質も製造ロットの違いで異なることがあります。
また、ミシン目はカッターで切って作りますが、同じカッターを使い続けていると、刃の切れが悪くなって、ミシン目の品質に影響するという話を聞いたことがります。
4. 紙ホチキスの向きと出っ張り
複写用紙の 1 枚 1 枚は、印刷中は簡単に剥がれないように、しかし、印刷後はなるべく剥がしやすいような強さで付いていることが理想的です。
プリンターのマニュアルでは、"点のり"と言って、点の状態で糊付けする方式のみ認めていますが、実際には、紙ホチキスも併用使用しているケースが多いように思います。
紙ホチキスとは、紙を櫛の歯状態に打ち抜いて止める方法です。この場合、打ち抜いて折り返した部分が紙の表面に盛り上がるような状態になります。
プリンター内部を用紙が送られていく時に、上向きに折り返された紙ホチキスの端が、リボン・シールドに並んだ、印字ヘッドのピンの通り穴に引っ掛かってリボン・シールドを損傷し、それが用紙を破いて用紙ジャムを引き起こすという現象があります。(リボン・シールドは、非常に薄いステンレスの板ですから)
用紙の幅が、例えば 15 インチあるのであれば、紙ホチキスはリボン・シールドの穴よりも外側を通りますので、リボン・シールドを損傷することはありません。しかし、幅の狭い、例えば宅配便の用紙の場合は、リボン・シールドの穴に紙ホチキスが掛かることを防ぐことができません。
このような用紙の場合には、紙ホチキスの折り返しの向きを下側にするという、用紙側の対応が必要と思います。
用紙ジャムが多発する場合には、プリンターの設定のみではなく、用紙にも注意を向ける必要があります。
紙ホチキスと折り返しの向き |
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