始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2016年7月9日土曜日

QRコードの印刷方法 - 第2回 帳票アプリケーションを使う -

前回お話した、プリンターの持っているコマンドを送信する方法は、QRコードのイメージをプリンター内部の処理で生成するものです。そのためには、プログラムを用意して、プリンターにコマンドを送信する仕組みを準備する必要がありました。
今回お話しするのは、予めQRコードのイメージを生成しておいてプリンターに送信し、プリンターはQRコードということを意識することなく、他のデータと共に、単なるイメージを印刷するという仕組みです。この方式のメリットは、次のとおりです。
  • プリンターのコマンドに依存しないため、プリンターのメーカーや機種に関わらず、QRコードを印刷できる。つまり、QRコードのコマンドを持っていないプリンターでも印刷できることであり、複数のメーカーのプリンターが混在していても、共通のQRコード付きの帳票を印刷できることでもあります。
  • プログラムを開発する手間が掛からない。
しかし、そのためには、何らかの帳票アプリケーションが必要になります。ここでは、今まで何回かご紹介してきた、"Mapping Suite"を使うケースをお話しします。

MapDrawを使ったQRコードの設計
1. バーコードの印刷方法 - 第3回 もっと柔軟な方法 - Mapping Suite の場合-1でご紹介したように

住所の1行目をQRコードに指定する
MapDrawという帳票設計ツールでは、バーコード用のゾーンを定義できます。QRコードの場合には、バーコードの種類としてQRコードを指定します。(フォントの指定は不要です。)

2. QRコードの大きさを調整するには、"ゾーンのプロパティ"画面の"詳細"ボタンを押します。"バー
バーコードの幅の指定


QRコードのプレビュー
コードの"幅"の値を大きくすることで、QRコードの大きさを大きくすることができます。
デフォルトの値は、左の画面のように"2"となっています。その時のQRコードの大きさは、その右の画面のように、10ポイントの文字の大きさと比べても分かるように、小さめのサイズとなっています。
そこで、例えば、"6"に変えると下のプレビュー画面のような大きさに変わります。
"6"の時のQRコード





3. この帳票では、2行に別れた住所情報を1つのQRコードにする必要があります。そのような場合は、MapDraw の"メモリー"機能を使用します。
住所データの1行目に対して、"タイプ"を"メモリー"とし、その選択肢としては"テキスト・メモリー"を指定したゾーン(ここでは、"QRM1"というゾーン名)を定義します。
メモリー・ゾーンは、MapDraw の画面上は、ピンク色で表示されます。メモリーするだけですから、この段階ではプレビューしても、何も表示されません。
その下の行の住所情報に対しても同様に、"QR2M"と名づけたメモリー・ゾーンを定義します。
4. 以上で準備が整いましたので、QRコードを表示するためのゾーンを定義します。ポイントは、次の2点です。
QRコードのゾーンの定義
- "データの位置"の"長さ"を"0"とすること(メモリー・ゾーンの値を使用するため、スプール・データは使用しないからです。)
- "ゾーンの後に追加する文字"欄に、"[[QRM1]][[QRM2]]"と指定すること(大括弧2つで囲んだメモリー・ゾーンの文字列を連結して、QRコードにするデータとして扱うためです。)


MapDraw の画面は、次のようになり、プレ
MapDraw MapF画面
ビューの結果は、下の画面のようになります。

この画面を携帯電話等で読み取ってみると、2行の住所情報をデータとして、QRコードができていることが確認できます。

この後、PDF ファイルを生成したり、PCL形式の印刷データを生成して印刷するという処理は、Mapping Suite 共通の手順になります。


 


MapDraw プレビュー画面

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