始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2015年4月20日月曜日

文字コードの話 - 更に続くJIS規格の変化

IBM選定文字
3 番目の表は、やはり557xシリーズ・プリンターの操作マニュアルの付録からの抜粋です。
これらの文字が「IBM選定文字」と言われる文字です。 xFA40の「ⅰ」から、xFA53「Ⅹ」までにローマ数字がありますし、「㈱」もxFA58に、「№」もxFA59にあります。
これらの文字は、前回の新JISで追加される以前からIBMの世界では存在していたこと、新JISでは別の文字コードで追加されたことがお分かりいただけると思います。
つまり、旧JISでは「㈱」はIBM選定文字の1つだったのですが、新JISでは2つ存在することになったのです。

ところで、1983年のJIS規格の変更は、IBMの社内規格とも言えるCCSIDには、どのように反映されたでしょうか?
AS/400や大型の汎用機の世界の文字コード(EBCDIC)では、文字コードの入れ替えは無く、文字コードの「追加」しかありません。
その結果、従来の文字セットに、「新JIS」で追加された文字を追加したのみのCCSID、"CCSID1399"と"CCSID1390"が新たに定義されました。"CCSID1399"と"CCID1390"の違いは、前者は日本語英小文字拡張(CCSID5035)に追加したもの、後者が日本語カナ拡張(CCSID5026)に追加したものの違いです。なお、AS/400の世界では、CCSID1399のみが使用できます。

更にその後、2004年にJISの規格が大幅に改訂され、文字のデザインの変更と文字数の増加が行われました。Windowsのバージョンでは、Windows Vistaに適用されました。詳しくは下記のサイトをご参照ください。
http://home.jeita.or.jp/page_file/20110512150627_F53ZCOuMhJ.pdf
4ページ目をご覧いただくと、文字のデザイン面では、略字だった漢字を元の正しい漢字に戻す変更であることが、お分かりいただけるかと思います。
この規格の変更とプリンターの関係はどうなっているでしょうか?
実は、557x系のドット・プリンターの内蔵フォントでは、このJIS2004の改訂は反映されていません。その結果、内蔵フォントを使うプリンター・セッション経由のPDT印刷では、印刷できない文字が出てくることになるはずですが、実際には印刷できていると思います。その理由は、プリンター・セッションが、JIS2004で追加された文字については、文字コードの代わりに、文字イメージ(Windowsフォント)をプリンターに送信しているからです。
では、Telnet5250Eを使った直結印刷ではどうでしょうか?
(次回に続く)

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