始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2018年12月15日土曜日

プリントチケットを使った印刷制御 第 1 回 - PCL プリンターの制御 -

Mapping Suite の現行のバージョン 7 では、XPS をコアのアーキテクチャーとしていますが、XPS の中には、"プリントチケット" という機能があります。Mapping V7 では、この機能を活用すると、今までの AS/400 からの印刷ではできなかった細かい印刷制御が可能になります。
ただし、Mapping が印刷データを生成して、OUTQ から送信することによって直結印刷できる、"PCL" モードを持つプリンターが対象となります。
今までも何度かお話してきましたが、海外ではデファクト・スタンダードとなっている、レーザー・プリンターや複合機の "PCL" モードも、日本の国内では、標準でサポートしているプリンターや複合機はまだ少数派です。とは言え、ほとんどのメーカーでは安価なオプションとして用意していますので、Mapping から見た場合、PCL モードのプリンターを使用することのメリットとコストを比較すると、ハードルは低いと言えると思います。

では、プリント・チケットの原理のお話の前に、実施に使用した実例を見てみましょう。 
あるお客様では、AS/400 上の Mapping から PCL モードを持つレーザー・プリンターに印刷する際に、両面印刷することが必要でした。しかし、両面印刷と言っても、長辺綴じ/短辺綴じがあります。そこで、XPS のプリントチケットを活用して次の流れで実現します。
おおまかには、次の流れになります。
1. MAPCPYSPLFコマンドを使用して、XPSファイルを生成します。 
2. 生成したXPSファイルに対して、MAP_XPSプログラムを使用して、FRONTSIDE=OFF を適用したXPSファイルに変換します。 
3. 変換したXPSファイルに対して、MAP_XPSプログラムを使用して、長辺綴じ、または短辺綴じを指定した両面印刷指定コマンドを組み込みます。 
4. 両面印刷指定コマンドを組み込んだXPSファイルに対して、MAPXPSコマンドを使用して印刷します。

具体的な手順を画面を見ながら追っていきます。
1-1. MAPCPYSPLF コマンドを使用して、XPS ファイルを生成します。MAPCPYSPLF コマンドは、今まで何度か出てきました。1 画面目で、対象となるスプール・ファイルと、フォーマットを指定して、キーボードの "F10" キーを押します。
MAPCPYSPLF コマンドの 1 画面目
1-2. 2 画面目では、次のように、"XPS Printer/outfile language" 欄に "*XPS" を指定します。これは、もちろん、これから生成するのは、XPS ファイルだからです。
MAPCPYSPLF コマンドの 2 画面目
1-3. 3 画面目では、次のように、生成する XPS ファイルのフォルダーとファイル名を指定します。フォルダーは、IFS 上のものになります。その後、実行キーを押して 指定したファイル名の XPS ファイルを生成します。
MAPCPYSPLF コマンドの 3 画面目
2-1. 次に "CALL MAP_XPS" と入力して実行します。次のような画面が表示されますので、"-infile:" の後に、"1" で生成した XPS ファイルのフォルダーとファイル名を指定します。追加するパラメーターがありますので、2 行目に "+" を入力して実行します。
MAP_XPSの 1 画面目
2-2. 次の画面のように、3 つのパラメーターを入力します。 
-set:FRONTSIDE=OFF <- 固定値 
-outfile:/home/mapping/test/STD_NOFRONT.xps <- 変換後の XPS ファイル名
-pages:* <- 固定値(XPS ファイルの全ページに適用することを意味します。)
実行キーを 2 度押して、XPS ファイルを生成します。

MAP_XPSの 2 画面目


 

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