初めは、"n-up" の指定方法です。集約印刷という言い方もしますが、1 つの面に複数のページ、例えば、2 ページ、4 ページといった偶数のページを縮小して印刷することを指します。印刷した時の紙の枚数を節約するために使用されますが、当然、集約するページ数が多くなるほど文字の大きさは小さくなりますので、A4 サイズ用紙なら、2 面が一般的と思います。
通常は、印刷する際に、レーザー・プリンターや複合機のドライバーのプロパティ画面で指定しますが、PDF ファイルで電子保存する場合には、帳票設計の段階で指定する必要があります。Mapping V6 では未対応だったので、お客様には、スプールの段階で奇数ページ毎に改ページを外す処理を行ってくださいとお願いしてきました。しかし、V7 ではこれからご紹介する方法で対応できるようになりました。
ただし、Mapping の処理数は、生成される XPS ファイルのページ数になるとご案内してきましたが、この n-up 処理の場合には、生成されたページ数ではなく元のスプールのページ数になります。従って、処理数の点では節約にはならないということになります。
では、2 ページを 1 ページに集約する設計を例にして具体的な手順をご紹介します。
先ず、集約後をイメージした 2 つのフォーマットを作成します。具体的には次の手順で行います。
1. A4 サイズ縦長の 2 ページを A4 サイズ 1 ページに集約すると仮定して、集約後のフォーマットは、A4 サイズ横長とします。そして、左半分に奇数ページ、右半分に偶数ページを表示します。そのために、奇数ページ用のフォーマットと、偶数ページ用のフォーマットの 2 つのフォーマットを作成します。その際に、フォーマット名は同じ名前、シーケンス番号は、それぞれ "00010"、"00020" とします。
奇数ページ用のフォーマットの設定 |
偶数ページ用のフォーマットの設定 |
プロジェクトのプロパティ画面の詳細ボタン |
3. 表示された画面で、"改ページ" 欄のチェックを外します。そうすると、"配置" 欄が指定できるようになりますので、"垂直" を選択して保存します。
奇数ページ用の設定 |
偶数ページ用の設定 |
6. これら奇数ページ用と偶数ページ用の 2 つのフォーマットを適用する条件を設定します。そのためには、プロジェクトのプロパティ画面で、"表面" タブを選択して、その画面を表示させます。条件として、"Page" を指定し、奇数ページ用のフォーマットでは、値として "1 of 2" を指定します。同じように偶数ページ用のフォーマットでは、"2 of 2" を指定します。
奇数ページ用のフォーマットの条件 |
7. プロジェクトのプロパティの設定は以上です。サンプルの設計なので、本格的なオーバーレイ(罫線や固定文字、ロゴ等)は省きますが、左右中央に左右の各面の境界となる縦線のみ、DrawF の画面で引いておきます。(片方のフォーマットに左右中央、1485.0 10/mm の位置に縦線を引いたら、もう片方のフォーマットにそれをコピー&ペーストします。)
境界の縦線を追加 |