始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2018年5月19日土曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第38回 - ROBOTを使った処理の自動化 - 1 -

MAPCPYSPLF コマンドを実行して PDF ファイルを生成し、それを OUTQ を通して MVP をインストールした PC に送信して、プリンターから印刷するという一連の流れを見てきました。しかし、実環境においては、毎回コマンドを人間が操作して処理するということは無く、ユーザーが OS/400 上のアプリケーションのメニュー画面でデータを生成し、印刷指示するだけで、自動的に印刷が行われないとなりません。
もちろん、MAPCPYSPLF コマンドや、MAPIFS2PRT コマンドを、既存の CL の中に組み込むことで実現しても良いのですが、Mapping ではアプリケーションを変更せずに業務改革を実現することを志としていますので、ROBOT(ロボット) というサブ・システムを標準で用意しています。
ROBOT とは、大まかに言うと、次のような仕組みです。
- ROBOT が常時監視する対象の OUTQ を定めます。
- その OUTQ に、アプリケーションからスプールが投入されると、予め設定しておいた条件に合致するものに対して、やはり、予め定義しておいたアクション(処理)を行います。

従って、ROBOT を使うと、アプリケーションからスプールを投入する先の OUTQ を ROBOT が監視する別の OUTQ に変更する、あるいは、アプリケーションからスプールが投入されている元々の OUTQ を ROBOT の監視対象とする、それらのどちらかによって、Mapping を使った処理に移行できるわけです。
しばらくは既存の印刷も残しておいて、Mapping による処理と共存させる場合には、前者の方法が適していると思います。

では、これから ROBOT の設定を行っていきましょう。
Mapping メイン・メニューで "14. オペレーション・メニュー" を選択して実行します。
Mapping メイン・メニューで 14 を選択
表示された画面では、4 -> 3 -> 2 -> 5 と言う順番に進みます。そこで、"4. 入力/出力の出力待ち行列の関連定義" を選択して実行します。
Mapping オペレーション・メニューの画面
表示された画面で、キーボードの "F6" キーを押してから、次の画面のように、2種類の OUTQ (上段)とそのライブラリー(下段)、それと DTAQ(上段)とそのライブラリー(下段)を入力して、実行します。
- ROBOT が監視する "OUTQ 元"
- ROBOTが処理して生成されたスプールが書き出される "OUTQ 移動先"(実際には使用しない場合がほとんどなので、任意の OUTQ で構いません。)
- データのやり取りに使用される "DTAQ"
入出力待ち行列の関連付けの画面例
DTAQ 作成の確認画面例

 "DTAQ" は予め定義しておかなくても、実行キーを押すと、上の画面のように "確定してください" という確認のメッセージが表示されますので、そのまま実行すると設定完了です。その結果は、次の画面のように表示されます。

関連付けを定義した後の画面例
これで、ライブラリー "DEMOLIB" にある "DEMOOUT" という OUTQ を ROBOT の監視対象と定義することができました。

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