始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2018年2月18日日曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第27回 - Mapping Suite の帳票設計方法 - 5 -

では、固定文字や罫線等の、所謂オーバーレイをDrawF画面で設計するのは後回しにして、スプール・データの配置を先に行ないましょう。
データの配置を設計する際には、"MapF" をクリックして、"MapF" が黄色になっている状態に切り替えます。これによって、"DrawF" 画面に設計済みの罫線や固定文字があったら、それらの色がグレイに変わって、編集できない状態になります。
データの配置を設計する方法は、2 つに分かれます。

1 つ目は、特定のデータの行と桁の範囲を指定して、帳票上の特定の位置に配置するための方法です。
例えば、宛先の中の "財団法人国際会議支援センター" の配置を設計するには、MapDraw の右側の "スプール・ビュー" 画面上で、その範囲をマウスの左ボタンを押しながら指定した後、マウスの左ボタンを押したままで左側画面に移動し、配置したい場所の近くで指を離します。
すると、次のような "ゾーンのプロパティ” という画面が自動的に開きます。
MapDraw ゾーンの定義の画面
  ここで、各項目の意味は次のとおりです。
- ゾーン名 : スプール・ファイルの中のデータを表示させるための定義を、Mapping では "ゾーン" と呼びます。ゾーンの名前は任意ですし、全角文字も使用できます。私自身は、単純に "z1" から順番に定義しています。
- 開始行、桁、長さ : マウスで範囲指定した、スプール・ファイルの中のデータの、行、左端の桁、そして、指定した範囲の桁数を表します。
- タイプ "文字" : データを文字で表示することを表します。追って、詳しくお話ししますが、他の選択肢の中には "バーコード" があります。

"ゾーン名" を"Z1" と指定して、"OK" ボタンを押すと、左側の画面に "Z1" というゾーンが表示されます。次の画面でお分かりのように、ゾーンをクリックして、周囲に黒四角が表示された状態にすると、スプール・データの該当する部分が紫色の長方形で表示されますので、どこのデータを表示しているかが一目で分かるようになっています。
ゾーン"Z1"ができた状態
MapDraw ではプレビューの機能がありますので、この状態でプレビュー・アイコンを押すか、そのショート・カット・キーである、キーボードの "Ctrl + W" ボタンを押すと、次の画面のように、プレビューが表示されます。
プレビューの画面
この画面サンプルでは分かり辛いかもしれませんが、プレビュー状態にすると、スプール・ファイルの該当する範囲の文字が、黄緑色で表示されます。全てのデータのゾーンを設計した後でプレビューした時に、もし、右側のスプール・ビュー画面で黒色のデータが残っていたら、その部分はまだ設計が終わっていないことが分かります。
このゾーンの位置は、仮に置かれた場所なので、正しい位置に移動させます。移動させるには、マウスのポインターが上下左右の矢印状態になるようにゾーンを指定した後、マウスを使ってドラッグすれば良いのですが、微妙な移動には向きません。
- 左右にのみ移動させるには、ゾーンの左端の真ん中にある黒四角を左右に移動させます。これによって、上下にずれることなく、左右にのみ移動できます。
- 上下にのみ移動させるには、ゾーンの左右中央の下側の黒四角を上下に移動させます。これによって、左右にずれることなく、上下にのみ移動できます。
- もっと細かく移動させるには、画面下にある "X座標"、"Y座標" に直接数値を入力します。"X座標" は、帳票の左端からゾーンの左端までの距離、"Y座標" は、帳票の上端からゾーンの上端までの距離を現します。細かい調整を行なうには、"X座標" の左横にある "単位" を "10/mm"(1/10mmのこと) か、"Points"(1/300 インチ単位) にセットすることをお勧めします。
また、プレビューした状態でゾーンの位置の調整を行いたいところですが、ある程度大きなサイズのメモリーを搭載した PC でないと、MapDraw がフリーズしてしまうことがあります。なるべく、プレビューを解除して状態で位置の調整を行なうことをお勧めしています。
ゾーンの位置の調整

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