始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2018年2月11日日曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第26回 - Mapping Suite の帳票設計方法 - 4 -

新規の帳票を設計するに当たって、Excel やパワーポイント等で作った新しい帳票の罫線や固定文字を、イメージではなく、そのまま MapDraw の左側画面である "DrawF" に取り込むことが可能です。帳票の設計に当たっては、Excel の 1 つのセルを 1 桁に対応させて設計書を作ることがありますので、その場合には、それをそのまま "DrawF" 画面に取り込めたら、便利であることはご想像いただけると思います。
ただ、この方法も完璧ではなく、"DrawF" の画面に取り込んだ後で、編集する必要が出てくる場合が多くあることも事実です。
実際に、Excel で簡単な帳票イメージを作って試してみましょう。使用しているのは、Excel2010 です。簡単な以下のような"見積り書"(サイズ A4)を作成します。
Excel で設計した帳票イメージ
 このファイルを保存する時に、何種類も出てくるファイル形式の選択肢の中から、"XPS ドキュメント(*.xps)"を選択して、"Test1.xps" ファイルとして保存します。
"XPS" は、以前もお話したようにマイクロソフト社の提唱する電子保存用のファイル形式ですから、Windows7 以降の PC なら標準で選択できます。("名前を付けて保存" の代わりに "印刷" を選択し、ドライバーに "Microsoft XPS Document Writer"を指定すると、ファイル名と保管場所を求められますので、同じ結果が得られます。)
なお、XPS 形式のファイルを画面表示するための "XPS ビューアー" もWindowsには標準機能として用意されていますので、保存した "Test1.xps"ファイルをダブル・クリックすると、次のような画面が起動し、Excel 上の印刷プレビューと同じように表示されます。
XPS ビューアーで表示した画面
MapDraw でこの XPS ファイルを取り込むには、MapDraw のホーム・ボタンを押して表示されるメニューの中から、"インポート"、そして "リソース" を選択します。
MapDraw でインポート->リソースを選択
 すると、次のような画面が表示されますので、"..." ボタンを押して、保存した"Test1.xps" ファイルを指定し、更にページの選択で "1" を指定して "Import" ボタンを押します。
XPSファイルを指定して取り込む画面
 その結果、MapDraw には、次の画面のように取り込まれます。Excel では A4 サイズを指定したのですが、残念ながら小さめに表示されています。そこで、キーボードの Ctrl キーと A キーを同時に押して、画面に取り込んだ全要素を一度に選択したら、右下の黒四角ボタンを移動させて、A4 画面全体に対して適当な大きさに拡大、移動します。
XPSファイルを取り込んだ初めの状態とその拡大、移動後
 一見このままで良さそうに思えますが、実は DrawF の画面を拡大してみると、少し疑問が出てきます。
- 固定文字は、Excel の1つのセルの文字が、そのまま 1 つのテキスト・ゾーンとなっていますが、フォント・サイズが小さくなっています。(これ例では、11 ポイントから 9ポイントになっています。)
- 周囲の罫線が、何故か二重線のようになっています。また、各項目間の区切りの縦罫線は、Excel では点線で指定したのですが、通常の実線に変わっています。
DrawF画面の拡大
ただ、そのような細かい点を気にしなければ、多数の罫線の込み入った帳票や、固定文字の多い帳票の DrawF 画面を設計するには有効な方法と言うことも可能ではないかと思います。
ただ、実際に帳票設計を行なってみると分かるのですが、実は、先にデータの配置を設計する MapF 画面を先に設計する方が、多くの場合は効率的なのです。


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