始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2017年11月18日土曜日

AS/400 プリンティングに求められるソリューション 第15回 - Mapping Suite とは- 5 -

ぞれぞれのライセンスの費用は、どうなっているでしょうか ?
AS/400 上で稼動するソフトウェアの多くは、稼動させる AS/400 の機械クラス(P05 とか P10 という呼び方が付いています。)によって分かれています。つまり、稼動するAS/400 の大きさが大きいほど、ライセンス料金も高くなるという考え方です。
しかし、"Mapping Suite" の場合は、Mapping が生成する XPS ファイルの、1年間の累積ページ数によって、料金クラスが分かれます。つまり、Mapping を多く使うお客様から、ライセンス料金を多くいただくという考え方です。
そのために、Mapping のコマンドを使って生成される XPS ファイルのページ数をカウントする仕組みが、Mapping の内部で稼動しています。そして、お客様が契約された上限の処理数は、ライセンス・キーの情報から分かります。カウントし始めてから 1 年経過する時に、カウンターの値が上限を越えていなければ、カウンターはリセットされて 0 になり、新たにカウントし始めます。その結果、翌年もそのまま続けて使用できることになります。
"カウンター" という言葉は、コピー機のように、使用実績に応じて毎年料金が請求されるように誤解される元になるのですが、あくまでも、機械クラスの代わりに、年間最大処理数を使ってクラス分けしているので、ライセンス料金のお支払いは、初めの1回だけです。下のグラフは、年間最大処理数のクラスと、ライセンス料金の関係を表したものです。縦軸が標準ライセンス料金、横軸が年間最大処理数(ページ数)になっている、階段状のグラフになります。
これを見ると、次のことがお分かりいただけるかと思います。
- 年間最大処理数は、30万、150万、300万、750万、1,500万、3,000万、無制限(ページ/年)というように、さほど細かく分かれている訳ではありません。(3,000万と無制限の間にもまだクラス分けはありますが、省略しています。)
- 当然のことながら、年間最大処理数が大きいクラスの料金ほど、1ページ当たりの単価は割安になります。
標準ライセンス料金の例(基本パック+E-Document)  
例えば、本番環境の他に、開発環境やバック・アップ環境のあるお客様の場合に、本番環境は業務上必要な処理数を元にライセンスを選択するが、開発環境やバック・アップ環境には、最も小さい処理数のライセンスを選択して全体の金額を抑えることができるのが、このような料金体系のメリットと思います。
もっとも、実際には、業務上必要な処理数をお聞きしても、把握されていないお客様は非常に多くあります。つまり、AS/400 から何ページ位印刷しているかを、会社全体となると把握されていないお客様がほとんどです。そのような時には、購入されている印刷用紙の量を調べていただいた上で、上記のようにライセンスのクラス分けはさほど細かくないので、安心のために大き目の処理数のものを選択していただくことを、お勧めしています。

では、もし、1年経過する前に、契約した最大処理数に届いてしまったら、どうなるでしょうか ?
- 最大処理数の 95% に届くと、QSYSOPR にメッセージが上がります。その時点で処理が止まることはありません。
- 100% に届くと、処理が止まり、ライセンス・キーが不正である旨のエラー・メッセージが上がります。その時には、予めお客様にお渡しする緊急用のライセンス・キーを入力します。それによって、契約処理数に対して 5% 追加され、Mapping 処理を再開することができます。
- しかし、緊急用のキーは、1 回しか使用できません。従って、追加した 5% を使い切った後や、2 年目以降のことを考えて、ライセンス・クラスのグレード・アップをお勧めしています。ライセンス料金の差額 x 1.25 の料金をお支払いいただくと、ライセンス・キーが発行されて、年間最大処理数がグレード・アップされます。実際には、何らかの形でお客様のご発注の確認ができれば、ライセンス・キーを先に発行することで、お客様の業務を止めないよう、配慮しています。

そこで、慎重なお客様は定期的に、例えば毎月 1 回、残りの処理数を確認されています。MAPADDPTS コマンドで表示される画面では、下の画面のように次の情報が表示されます。(下の画面で処理数の値が 0 となっているのは、処理数無制限ライセンスのためです。)
- 残りの処理数
- 契約した処理数
- カウンターが次にリセットされる日付
MAPADDPTS コマンドで表示される画面例

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