始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2016年9月11日日曜日

ライン・プリンターの全て - 第9回- 日本語ライン・プリンターの初期設定-1

新しく購入したライン・プリンターを使える状態にするのは、次の手順で行ないます。
先ず、運送用に貼られた各部の固定テープを剥がした後、インク・リボンや用紙をセットし、電源ケーブルを取り付けます。
この時、高速モデルの"5400-F10"の場合は、電源に注意が必要です。電源スイッチを入れると、プリンターは自己診断テストを行いますが、それに合わせて、操作パネルの液晶表示部に表示される数字が、カウント・アップされていきます。しかし、途中で"マシンチェック"というエラー・メッセージが表示されたら、電源に原因がある可能性が非常に高いと思ってください。
5400_L10の電源条件(マニュアル抜粋)
"5400-F10"や"5400-L10"は、ライン・プリンターの全て - 第7回- 日本語ライン・プリンターの歴史-7 でお話したように、高速で印刷するために、印字ヘッドを 2 組持っています。電源は、通常の 100V 電源で、電源プラグもアース付きの 3 ピンのもので良く、他のモデルと同じなのですが、電流は 15A ぎりぎりまで使用することがあります。そのため、電源が蛸足配線になっていて、他の電気機器と共有していると、電圧が低下して正しく稼動できなくなるというわけです。
同じ原因で、初めの起動は完了しても、印刷中に不可解な現象が現れることもあります。

その次に、プリンターの初期設定を行ないます。
自己診断テストが完了すると、しばらくして液晶表示部に"ホスト・システムと接続されていません"というメッセージが表示されます。これは、プリンターのIPアドレス等、AS/400 と接続するために必要な設定が行なわれていないことと、LAN ケーブルが接続されていないことが原因です。
そこで、LAN ケーブルの接続は後回しにして、先に必要な初期設定を開始します。AS/400 とTelnet5250E で接続するために最低限必要な設定は、次のとおりです。
  • プリンター自身のIPアドレス
  • デフォルト・ゲートウェイ・アドレス
  • サブネット・マスク
  • 接続先の AS/400 の IPアドレス
  • デバイス名(AS/400 上のプリンターの装置記述名、OUTQ 名にもなります。)
操作パネルのスイッチと液晶表示部のメッセージ例
これらの値を全て操作パネルのスイッチを使って設定するようにマニュアルに書かれていますが、もう少し簡単な方法があります。
それは、次の方法です。上の 3 点の値を設定したら、LAN ケーブルを接続します。そして、同じネットワークに繋がっている PC のブラウザーからプリンターの Web ページにアクセスして、PC から設定します。
具体的には、次の手順でネットワーク接続用の設定を操作パネルで行ないます。
  1. 初期設定スイッチを押します。->液晶表示部に"初期設定 初期設定キーでスタート"というメッセージが表示されます。(実際の表示はカタカナです。)
  2. "TCP/IP 入力キーでスタート"というメッセージが表示されるまで、初期設定スイッチを繰り返し押し、表示されたら入力スイッチを押します。(間違えて行き過ぎた場合には、"改行"スイッチを押すと、前のメニューに戻ります。)
  3. 通常、プリンターのIPアドレスは固定アドレスと思いますので、"IPアドレス 入力キーで設定"というメッセージが表示されるまで、初期設定キーを繰り返し押します。表示されたら、入力キーを押します。
  4. 工場出荷値の IPアドレス"192.168.1.4"が液晶表示部の 1 行目に表示されます。そこで、微調↑スイッチか微調↓スイッチを繰り返し押して、2行目に"CLEAR"か、"BACKSPACE"を表示させます。前者を指定して入力スイッチを押すと、1 行目の IPアドレスはクリアされてブランクになります。後者は入力スイッチを押す度に、右から1 桁ずつ値が消えます。
  5. 微調↑スイッチか微調↓スイッチを繰り返し押していくと、"1"から"0"までの数字と、ピリオド"."が順番に表示されますので、必要な値が表示されたら入力スイッチを押して、値を確定します。数字を 3 桁確定すると、自動的にピリオド"."が表示されますので、入力スイッチを押すだけで済みます。
  6. 最後の桁の数字まで確定できたら、"RETURN"を選択して入力スイッチを押すと、"IPアドレス 入力キーで設定"というメニューに戻ります。そこで、初期設定スイッチを押して、次のメニュー"サブネット・マスク 入力キーで設定"というメニューを表示させます。
  7. 入力スイッチを押して、後は、4 から 6 の手順を行ないます。その次のメニューは、"デフォルト ゲートウェイ 入力キーで設定"ですから、これも同じ手順で設定します。
  8. 以上の 3 点が設定されればプリンターは、LAN に接続できますので、最後に印刷取消スイッチを押します。これによって設定値がプリンター内部の不揮発性のメモリーに書き込まれ、プリンターは自動的に再起動状態になります。
再起動後もまだ、"ホスト・システムと接続されていません"というメッセージは表示されますが、同じ LAN に接続された PC からはアクセス可能になりますので、この後は、PC を使って初期設定を続けます。次回は、PC からプリンターの Webページにアクセスして初期設定を行なう方法をお話します。

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