始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2016年9月3日土曜日

ライン・プリンターの全て - 第8回- 日本語ライン・プリンターの歴史-8

"5400-L06"が発表されてから 3 年後の 2006 年に、その後継機であり、2016 年の現在も販売中の"5400-F06"が発表されました。中速機のシリーズでは久し振りに筐体が変わりました。特に、上面に平らな部分ができたので、5327 以来、久し振りに、印刷後の用紙を置くことができるようになりました。
"5400-F06"は、それまでの、"5400-006"、"5400-S06"、"5400-L06"と比較して、次の点が異なります。
  1. カバーが全て金属製となったためか、印刷中の音が、明らかに小さくなりました。
  2. 印刷後の用紙を取り出すための扉が、左側の他に右側にも付きました。そのため、左右どちらの部屋の隅にも置くことができます。
  3. Twinax 接続のオプションが無くなりました。
  4. Telnet5250E と LPR の自動切換えモードを選択できるようになりました。これによって、AS/400 からの印刷と、Windows PC からの LAN 経由の印刷が混在する時に、プリンターの初期設定を変更して再起動を待つ必要が無くなりました。
  5. 印刷速度が、10% 以上、速くなりました。
  6. 印刷速度を落とさずに、印刷用のピンの押す力(印字圧)を強めるモードが、コピー強化モードに加わりました。用紙の厚さに対応して、印字圧調整レバーが、"1" よりも大きな値にセットされると、自動的にこのコピー強化モードとなり、操作パネルの"コピー強化"ランプが点灯します。
逆に、用紙表面の汚れを防ぐ"リボンつなぎ目スキップ機能"に対応したインク・リボンやインク・リボン・カートリッジは、従来と共通となっています。
5400-F06 外観

<"5400-F06"プリンターの主な仕様>
- 印刷速度 : 410 行/分(通常速モード)
                  570 行/分(高速モード、横方向1/3ドット間引き)
                  680 行/分(超高速モード、横方向2/3ドット間引き)
- 想定月間平均印刷枚数 : 12,000枚(15x11 インチ・サイズ用紙)
- 複写枚数 : オリジナル + 8 枚(コピー強化モード、厚さ 0.5mm まで)
- インターフェイス(標準) : LAN、パラレル
- 対応コマンド : SCSコマンド、テキスト・コマンド(Telnet5250E)
                      5577コマンド (LPR、パラレル・インターフェイス)、
                      ESC/Pコマンド (LPR、パラレル・インターフェイス)
- 内蔵日本語フォント : IBM 明朝体、平成明朝体、新旧JIS規格選択(5577モード)
- 英小文字と半角カナの共存印刷 : 可
- バーコード・コマンド : 対応(8 種類、SCS、テキスト・コマンド、5577 モード)
- 販売期間 : 2006 年 -

2007 年は、インフォプリント・ソリューションズ・ジャパンになった年ですが、その 2 年後、2009 年に、"5400-L02"は"5400-F02"に、"5400-L10"は"5400-F10"にモデル・チェンジしています。大きな変更はありませんが、LAN カードの機能の共通化を生かして
  • "5400-F02"、"5400-F10"共通に、Telnet5250E と LPR の自動切換えに対応しました。
  • "5400-F10"では、"5400-L10"では間に合わなかった"プリンターWebページ"が、追加されました。
それぞれのモデルが、2016 年現在、現行モデルとして販売中です。

これで、2016 年現在まで戻ってきましたので、次回からは、ライン・プリンターの使い方をお話ししたいと思います。

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