始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2016年3月21日月曜日

連続用紙への印刷から、カット紙への印刷に移行する -第2回 単純な縮小印刷-

連続用紙に印刷していたデータを、カット紙にそのまま縮小印刷する方法は、3つ考えられます。それぞれ設定方法が異なり、それに応じて運用する場合の操作方法が異なってきますので、どの方法を採用するかは、準備の手間と、エンド・ユーザーの意見を併せて検討して、決める必要があります。ここでは、カット紙を印刷するプリンターは、InfoPrint1000J等の、PAGESモードのプリンターを前提とします。
また、AS/400 からは、PCOMMのプリンター・セッションを使用したPDT印刷か、HPT機能を使用した LAN 直結印刷を想定しています。(5400エミュレーターIIを使用した Telnet5250E 接続の場合には、今までお話したように、5400エミュレーターIIで縮小設定を行うのが良いと思います。)
PAGES印刷条件の例

1. プリンターの初期設定で縮小印刷を指定する方法
これは、プリンターの"PAGES印刷条件"という初期設定メニューの中で、
- 用紙方向 : 縦/横
- 縮小率 : 連続用紙(15"x11")->A4/B4、縦横同じ比率で50%まで1%刻み
- 余白 : 長さを上下左右独立して指定
- 両面印刷 : する/しない、する場合には長辺綴じか短辺綴じの指定
といった各項目を、用紙トレイ毎に設定しておく方式です。
一度、操作パネル上で設定しておくだけで済みますので準備は簡単ですが、用紙トレイ毎にこれらの設定の組み合わせが異なる場合は、印刷する際に、別の方法で用紙トレイを指定しないとなりません。用紙トレイを指定するには、次にお話しする"2."や"3."の方法を採らざるを得ませんので、それであれば、縮小の指定も一緒に行う方が良いということになります。
そのように考えていくと、この方法は、用紙トレイの少ない場合にのみ有効な方法と言えると思いま
す。
もし、"2."や"3."の方法と併用したとしても、操作パネルでの初期設定は、プリンターの内部処理の優先順位が最も低くなっていますので、"2."や"3."の設定が有効となります。

2. PDT ファイルや、リモートOUTQの設定の中に縮小設定のコマンドを埋め込む方法
縮小設定や、余白の設定のための PAGES コマンドを、プリンター・セッション経由の場合は
プリンター・セッション経由の印刷 第2回 - PDFファイルの編集 -
の回でお話した方法で、HPT機能を使った LAN 直結印刷の場合には、
HPT機能を使った印刷 - WSCSTについて-
の回でお話した方法で埋め込むことで、指定することができます。
この場合、複数の設定の組み合わせ(縮小の比率や余白の値)があっても、1つ1つの設定の組み合わせに対応した OUTQ が作られることになりますので、ユーザーは、印刷先の OUTQ を切り替えることで、縮小の設定を切り替えて印刷するという運用を実現できます。
コマンドを埋め込む際の注意点は、
- 縮小率を指定するコマンドは、必ず、用紙トレイ指定のコマンドの後ろで指定すること
- バーコード・コマンドを使ったバーコード印刷のあるデータを縮小する際には、必ず、縦横同じ比率の縮小率を指定すること(連続用紙->A4/B4という縮小率の指定は、縦横の縮小率が異なるため、バーコードの位置や大きさが正しく印刷されません。)
この方法であれば、同じプリンターに対しても、ユーザーが印刷先に指定する OUTQ さえ正しく指定していれば、様々な種類の設定を切り替えて印刷させることができるというメリットがあります。

ユーザーによる OUTQ の切り替えも難しいような場合には、次の"キャラクター・モード"を使って、印刷データにコマンドを埋め込むという方法が有効になりますが、その説明は長くなりますので、次回に譲ります。
 

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