始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2015年7月21日火曜日

プリンター・セッション経由の印刷 第3回 - PDFファイルのコンパイル -

PDFファイルの編集が完了したら、既存の PDF ファイルとは別名で、同じ"Pdfpdf"というフォルダーの下に保存します。次はこれを PDT ファイルにコンパイルすることで、初めて PDT 印刷に使用できるようになります。手順は次のとおりです。
"PDT の選択"ボタン
1. プリンター・セッションの画面でプリンター設定画面を開きます。

2. "PDT ファイルの使用"欄にチェックを入れて、"PDT の選択"ボタンを押します。









"PDF の変換"ボタン

3. "PDT ファイルの選択"画面が表示されるので、"PDF の変換"ボタンを押します。









PDF から PDT への変換

4. "PDF ファイルから PDT ファイルへの変換"画面が表示されるので、"Pdfpdt"フォルダーに保管した PDF ファイル(ここではpages.pdf)を指定して、"変換"ボタンを押します。





正しく変換された場合


5. "PDF ファイル変換ユーティリティー"の画面上で、"テーブルは正しくコンパイルされました"というメッセージが表示されたら、"OK"ボタンを押します。も し、エラーが発生したら、編集した PDF ファイルを開いて、中のコマンドや記述のしかた(1バイトずつスペースを挟んで記述されているか等)をチェックしてください。
生成された PDF の選択



6. "PDT ファイルの選択"画面が自動的に表示されるので、コンパイルされた PDT ファイル(ここでは pages.pdt、PDF ファイルと同じファイル名で、拡張子が pdt になります。)を指定して"OK"ボタンを押します。

編集した PDF ファイルをコンパイルして PDT ファイルを作成し、PDT 印刷用に指定するのはここまでですが、実際にはこれだけでは不十分なケースが多くあります。ほとんどのレーザー・プリンターでは、AS/400 からの印刷だけではなく、Windows のアプリケーションからのドライバー印刷にも自動切換えで使用されます。また、AS/400 からの印刷でも、全てが同じ余白の設定や縮小率の設定では対応しきれないので、何種類かの設定に対応するための PDT ファイルを用意して、それら PDT ファイルに1対1で対応するプリンター・セッションを切り替えて印刷するケースも多くあります。
ところが、PDT 印刷の標準では、PDF ファイルの中で指定した、印刷データの先頭に付加するコマンド
START_JOB=CDS INZ SEL SA4 FA4 SRO P10 LL6
は、1回しか印刷データに付加されません。そのため、例えば、pages.pdt を使ったPDT 印刷の後、Windows ドライバー印刷を行って、プリンターが Windows ドライバー用のモードに変わってしまうと、次の AS/400 からの印刷では、プリンターは Windows ドライバー用のモード のままで切り替わらない可能性が出てきます。また、同じ AS/400 からの印刷でも他の設定で印刷すると、その設定のままの状態となっています。
そこで、印刷データの先頭に付加したコマンドを、毎回、プリンターに送信する必要が出てきます。


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