始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2015年7月8日水曜日

プリンター・セッション経由の印刷 第1回 - PDT印刷とは -

前回までのお話で、ポートの設定もできたので、次はいよいよ、プリンター・セッションのお話にしたいと思います。PCOMMやクライアント・アクセス(以降CA)、あるいはIBM製以外のエミュレーターでも考え方は同じで、プリンター・セッション経由の印刷には、
  • プリンター・セッションが印刷データを生成する方式
  • 一般的な Windows のアプリケーションと同様に、プリンター・セッションが、Windowsとデータのやり取りをして、プリンター・ドライバーが印刷データを生成する方式
の2種類の方法があります。前者はPCOMMやCAでは、「PDT印刷」と呼ばれています。PDT とは、Printer Definition Table の略で、5577 用の場合には、AS/400から送信されてくる文字コードをEBCDIC から Shift-JIS へ、制御コマンドは SCS形式から 5577形式へ変換するための参照テーブル(表)を意味しています。つまり、この表を参照しながら、プリンター・セッションがAS/400からの印刷データを 5577系のプリンターで印刷可能なデータ形式に変換する訳です。
PCOMMやCAには標準で用意されている PDT には、日本語対応のものは
  • 5577
  • ESC/P
  • PAGES
  • LIPS III
英語対応のものは
  • PPDS(IBMプロプリンター)
  • PCL
  • Basic ASCII
  • EPSON
 となっています。
標準添付されているPDTファイル
添付の画面は、CA V.6のフォルダーとファイルの構成ですが、"Pdfpdf"というフォルダーの中にこれらの PDT ファイルが用意されています。この中で、"PAGES"プリンター用に使用するのは、”ibm5585.pdt"です。"ibm5587.pdt"は古いバージョンで、これを指定すると正しい印刷結果が得られないことがありますので、ご注意ください。
"ibm5577b.pdt"に関しては、かつて、このPDTを指定すると、罫線印刷用の SCSコマンドを 5577 用の罫線コマンドに変換できたというお客様からの情報をお聞きしたことがありますが、PCOMMやCAのバージョンが変わると変換できなかったこともありましたので、現時点では"ibm5577.pdt"との違いは無いと思われます。

プリンター・セッションのPDT印刷の設定方法は、プリンター・セッションの画面で、「停止」ボタンを押して「作動可能」ランプを緑から黒に変えた後、「ファイル」->「プリンター設定」を選択して表示された画面(添付)で、「PDTファイルの使用」欄にチェックを入れます。そうすると、「PDTの選択」ボタンが使える状態に変わりますので、このボタンを押します。
プリンター設定画面

PDT選択画面

そうすると、左のような「PDTファイルの選択」画面が表示されますので、使用するプリンターに合わせたPDTファイルを指定して、保存します。
インパクト・プリンターを使用する場合には、通常はこの設定だけで終了ですが、レーザー・プリンターの場合には、「縮小」や「両面印刷」といったプリンター制御のための設定が必要になります。そのためには、「PDFファイル」を編集して、それをPDTファイルにコンパイルする必要がありますが、その方法は次回にお話します。

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