始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2015年2月14日土曜日

AS/400からの印刷 ~基礎編-5~

5577プリンター
5577プリンター 
「2」のプリンター・セッション経由の印刷が、今では最も一般的な方式のように思います。
その背景としては、前回までお話しした直結型のプリンターが、比較的高価であること、機種が限られていること、そしてインパクト方式のプリンターが中心となっているため、オフィスで多く使用される小型のレーザー・プリンターや、複合機(コピー、FAX、スキャナー、プリンター一体
型のタイプ)に印刷するために、選択されてきたということと思います。
かつての、プリンター・セッションの設定も、「PDT印刷」でないと縦罫線
InfoPrint1000J PAGESモデル
InfoPrint1000J PAGESモデル
が左右にずれてガタガタに印刷されるといった問題がありましたが、最近では「ドライバー印刷」でも問題なく印刷できるようになってきているようです。
直結型の印刷の場合、文字コードは「EBCDIC」形式、制御コードは「SCS形式」でプリンターに送られてくるので、プリンターも内蔵フォントをEBCDIC形式で、制御コードもSCS形式で持っている必要がありますが、プリンター・セッション経由の場合には、プリンター・セッションが文字コードや制御コードを使用するプリンター用に変換するわけです。

日本語の「PDT印刷」の場合には、変換先の制御コードが「5577形式」「ESC/P形式」「PAGES形式」「LIPS形式」等に限定されています。「PDT」とは「Printer Definition Table」の略で、変換元のSCS形式のコマンドと、変換先の5577形式等のコマンドの変換テーブルを意味しています。
文字コードも、EBCDICコードを、5577用のPDTの場合には、Shift-JISコードに変換します。
これは、プリンター・セッションの役割をOS/400自身が行う、HPT(ホスト印刷変換)印刷の場合も同じです。

一方で、ドライバー印刷の場合は、プリンター・セッションもExcelやWord等のWindowsアプリケーションと同じ動きになりますから、プリンター・セッションはWindowsのAPIに従ってドライバーに印刷データを渡し、ドライバーは印刷イメージを生成してプリンターに送信します。

これらの話は非常に奥が深く多岐に渡りますので、詳細は別の機会に譲るとして、次回はこの方式の得失についてお話しします。

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