始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2017年2月12日日曜日

ライン・プリンターの全て - 第27回 - たまにいただくお問合せ-4

Q8. AS/400からの印刷に使用してきた"5400-006"を、"5400"の現行モデルに置き換えるに当たって、注意するべき点は何か。

A8. 現行の"5400-006"プリンター("ライン・プリンターの全て - 第4回- 日本語ライン・プリンターの歴史-4"参照)
をどのような方法で、AS/400と接続しているかを確認するよりも、新しい"5400"プリンターをどのように接続するかを考えることを優先した方が良いと思います。
接続方式の違いによって、メリットも注意点もそれぞれ異なりますので、それらをよく把握した上で、日々の業務に最適な接続方式を選択してください。

1. Telnet5250E による LAN 直結印刷
"5400"プリンターの標準的な接続方式です。
<<メリット>>
- AS/400 と LAN 直結になるので、プリンター・セッション経由の印刷と異なり、PC に依存することが無い。
- APW や プリンター・ファイルで指定したバーコード・コマンドや文字拡大、OCR-B フォント指定コマンドが、プリンター・セッション経由の印刷と異なり、全て有効となる。
- 高速モードや、超高速モードでの印刷であっても、バーコードのある行のみは、ドットを間引かずに印刷する通常速モードに自動的に切り替わって印刷するため、バーコードの読み取り精度を落とさない高速印刷が可能となる。
- 印刷中の保留や取り消し操作が、プリンター・セッション経由の印刷と異なり、AS/400 端末画面から可能となる。
- 用紙切れや用紙ジャムというエラー・メッセージが、プリンター・セッション経由の印刷と異なり、AS/400 端末画面に表示される。メッセージ応答として、印刷再開ページを指定することも可能となる。

<<注意点>>
- 外字を使用するには、予め"LODPPW"コマンドを使用して、プリンターにダウンロードしておく必要がある。(プリンターの電源を切った後でも保存される。)
- 接続先の AS/400 は1台(一つの IP アドレス)となる。接続先の AS/400(IP アドレス) を変更するには、"5400" の初期設定を変更し、再起動する必要がある。
- PC からの LAN 直結印刷(LPR ポート使用)とは、自動切換えが可能だが、"5400"プリンターのWeb ページ上で、初期設定を変更しておく必要がある。"ライン・プリンターの全て - 第11回- 日本語ライン・プリンターの初期設定-3" 参照

<<"5400-006"からの移行のための注意点>>
- Telnet5250E 接続では、OS/400 上の"自動構成"が可能です。使用していた"5400-006"のものと同じ OUTQ 名を継続して使用するには、既存の OUTQ や装置記述を、予め削除しておくと、新しい"5400"プリンターの"自動構成"がスムーズに行なえます。
- 初期設定の中の"半角文字セット"を"英数カナ文字"にするか、"英小文字"にするかで、半角カナ文字や、半角英小文字の文字化けに対応します。

2. PC 上のプリンター・セッション経由の印刷
複数の AS/400(LPAR) から自動切換えで印刷させるのに、適しています。
<<メリット>>
- PC 上に複数のプリンター・セッションを用意する、または、複数の PC 上にプリンター・セッションを用意することにより、複数の AS/400(複数の IP アドレス)からの印刷を、プリンターの設定を変更することなく、自動的に切り替えて行える。
- 外字は、プリンター・セッションを持つ PC のWindows外字を使用するので、プリンターに予め保存する操作が不要。
- AS/400 からの印刷の他に、PC 上の Windows アプリケーションからの印刷も、そのまま可能となる。

<<注意点>>
- PC を起動していないと、印刷できない。
- APW や DDS で指定したバーコードや、OCR-B フォント指定は無効になる。文字拡大指定にも制限がある。
- 印刷中の保留や取り消し操作はできない。
- 用紙切れや用紙ジャムというエラー・メッセージは、AS/400 端末画面に表示されない。
- 繰り返し印刷を防ぐために、プリンター・ドライバーのポート設定や、レジストリーの修正が必要になる。"繰り返し印刷の対策" 参照。


<<"5400-006"からの移行のための注意点>>
- もし、従来、"5400-006"が、プリンター・セッションを持つ PC と LAN 接続されていたのなら、"5400-006"と同じ IP アドレス を新しい"5400"プリンターに設定するだけで、移行は完了となります。(プリンター同士は互換性が高いので、ドライバーの入れ替えも不要です。)
- PC もプリンターと同時に新しくなるのであれば、PC 上では、
+ 5400 ドライバーの導入、設定("ライン・プリンターの全て - 第12回- 日本語ライン・プリンターのドライバー-1" 参照)
+ "標準 TCP/IP ポート"から"LPR ポート"への変更、それに対応したレジストリーの編集によるタイム・アウト値の変更
+ PDT ファイル、"ibm5577.pdt"を指定したプリンター・セッションの設定
以上が、必要です。
- 初期設定の中の"コードページ"を"932"にするか、"942"若しくは"943"にするかで、半角カナ文字や、半角英小文字の文字化けに対応します。

5400-006 プリンター外観

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