A7. 先ず、複写帳票が予めカット紙になっている場合は、ドット・プリンターしか対応できません。
(もし、連続用紙に印刷した後、ページ毎にカットするという運用が許されるなら、ライン・プリンターを使用できます。)
連続用紙に印刷するためのライン・プリンターを選択するに当たって、考慮する点は次のとおりです。
1. 用紙のサイズ、複写枚数、全体の厚さが、プリンターの仕様の範囲であること
この点に関しては、"5400シリーズ"のライン・プリンターでは仕様の違いがほとんど無いので、仕様の範囲に収まっているかを確認すれば十分と思います。
ただ、プリンターでバーコードも印刷する場合、インク・リボンのインクを使って印刷される 1 枚目のバーコードを読み取るのか、複写された 2 枚目以降を読み取るのかの違いによって、バー幅の設定を調整する必要があるかもしれません。特に複写された 2 枚目以降を読み取る場合には、自己発色紙よりも、裏カーボンと呼ばれる用紙の裏にインクが予め塗られた用紙を使用する方が、バーコードの読み取り精度は良いようです。
2. 耐久性
ライン・プリンターに限らず、どのようなプリンターでも"想定月間平均印刷枚数"を持っています。
これによって、プリンターの各部品の月間平均故障率が決まります。それと、各部品のコスト、交換に要する時間、人件費を総合して保守に掛かる経費を算出します。それが、保守契約費用や、保証期間中の保守費用になるわけです。
そのため、"想定月間平均印刷枚数"を超えて、プリンターを使用し続けると、お客様から見れば、故障頻度が多いということになりますし、保守を行なう会社から見れば、保守のコストが掛かりすぎということになります。(ライン・プリンターの保守契約費用は、定額であるからです。)
なお、月によって印刷枚数が大きく変動する場合には、1 年間での平均を見れば良いと思います。これは、保守契約が、通常は年単位だからです。
"5400"シリーズでは、"想定月間平均印刷枚数"は次のようになっています。
5400-F02/L02 : 6,000 枚/月
5400-F06/L06 : 12,000 枚/月
5400-F10/L10 : 20,000 枚/月
(15 x 11 インチ・サイズ連続用紙、文字数 1,500 字/枚、全角:半角 = 3:7を想定)
3. 印刷速度
印刷速度の印刷速度の考え方は、ライン・プリンターの全て - 第3回- 日本語ライン・プリンターの歴史-3 でもお話しましたが、カタログ値としては、行ピッチが 6LPI(行/インチ) を前提として、通常速モードで、次のようになっています。
5400-F02/L02 : 150 行/分5400-F06/L06 : 410 行/分
5400-F10/L10 : 600 行/分
("5227"以降、"5400"シリーズでは、ドットの間引きを行なわない、24 x 24 ドットの文字を印刷する時の速度を"通常速"と呼んでいます。これは、ドット・プリンターである"5577"シリーズでも共通です。しかし、何故か、他社のライン・プリンターのカタログでは、1/3 のドットを間引く時の印刷速度を"通常速"モードと呼んでいるので、カタログで比較する際には、注意が必要です。)
ライン・プリンターでは、1 文字でも文字のある行が続く場合には、この速度で印刷されます。
文字の無い空白行が続くような場合には、高速で紙送りしますが、一定時間で何枚の用紙を印刷できるかという"スループット"を計算するには、次の計算方式で良いかと思います。
11 インチ長の用紙、5400-F06 通常速モード(410 行/分)の場合
6 行/インチ x 11 インチ/枚 = 66 行/枚
410 行/分 ÷ 66 行/枚 = 6.2 枚/分
この計算式を参考に、使用する用紙の長さと、業務上必要なスループット(何枚/分)から逆算していけば、どの位の印刷速度(行/分)が求められるかを計算することができます。
もし、印刷速度と耐久性の組み合わせが、どれかのモデルと大よそ一致すれば良いのですが、例えば、印刷速度を元に選択したモデルでは、耐久性が大幅に足りないといった場合には、台数を増やすことを検討することをお勧めします。
逆に、耐久性は合っているが印刷速度が足りないという場合には、高速モードや超高速モードでの使用を検討されてはいかがでしょうか。特に"高速モード"の印字品質は、通常速モードのものとほとんど変わらないと判断されたお客様も多くいらっしゃいます。
5400-F10/L10 外観 |
5400-F06 外観 |
5400-F02/L02 外観 |
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