始めの言葉

「プリンターから印刷できて当たり前」と、ユーザーからもSIerからも軽視されがちなプリンターの世界ですが、実際にはお困りだったり、思ったような印刷結果が得られないまま我慢してお使いの皆様のために、今までの経験が役立てばと、このブログを立ち上げました。印刷の基本から、応用情報、問題の解決方法を情報発信すると共に、PDF化など、これからどうするかについても、ご相談に乗れれば幸いです。ご質問はコメントでお寄せください。

2015年3月1日日曜日

AS/400からの印刷 ~基礎編-7~

いわゆる「帳票ソリューション」を使った出力は、2000年ころを境に増えてきた方法と思います。その主な特徴は、以下のようになります。
  1. プリンターに対する制約が、ほとんど無い。Windowsドライバーを持つプリンターなら印刷可能です。
  2. 印刷だけではなく、PDF化が可能となるため、メール送信、FAX送信、電子保管など多くの出力方式が使えるようになります。
  3. 帳票設計の機能によって、帳票の表現力が圧倒的に向上します。例えば、文字や罫線の配置も、行や桁の制限が無くなり、自由になります。また、カラー出力は、これ以外には不可能と言って良いでしょう。
帳票ソリューションは、大きく分けると、Windowsサーバー上で稼働するタイプと、AS/400上で稼働するタイプの2種類に分かれます。
前者は、AS/400上のスプールをWindowsサーバーに受信する -> 設計しておいた帳票フォーマットと重ね合わせる -> Winodwsドライバーを使って印刷する、若しくはPDF生成するという処理の流れになります。このタイプは製品の種類が多いのですが、AS/400のユーザーの多くはWindowsサーバーを立てることを好まない方が多いように思います。
一方、後者は、帳票設計はWindowsの上で行いますが、それを使った印刷やPDF化は、AS/400上で実行します。当ブログの右サイドのリンク先にあるMapping Suiteは、このタイプです。
それぞれのタイプの得失は、次のように考えられます。
  • 単にサーバーを別に立てるかどうか以外に、後者は、ユーザーが持っているRPGやCLのスキルを活用できます。
  • PDF生成等の処理に、前者はWindowsサーバーのCPUを使用しますが、後者はAS/400のCPUを使用します。負荷の分散という観点から考えると、前者が有利と言えます。
また、AS/400と直結プリンターの印刷や、プリンター・セッション経由の印刷と比べると、PDFにしてもWindowsドライバーを使った印刷にしても、データ・サイズは大きくなります。そのため、これらのタイプの出力に切り替える時には、ある程度、ネットワーク容量に配慮する必要はあると思います。
帳票ソリューションの導入には、費用が掛かりますので、次回では、その投資対効果の考え方についてお話しします。

0 件のコメント:

コメントを投稿