そのご要望は、AS/400 上の Mapping が生成した PDF ファイルを、端末の画面に自動的に表示するというものです。
個別に組んだバッチ・ファイルと、STRPCCMD を使用して実現する方法は、既に複数のお客様で実行されていますが、今回ご紹介する方法は、MVP のみで実現する方法です。
手順は簡単です。
1. MVP の「サーバーの構成」画面を、次のように設定します。
- 「プログラムを使って印刷する」を選択します。(これは通常の印刷する場合と同じです。)
- 「プログラム」欄に次のように設定します。(このパラメーターの設定が、通常の印刷の場合と異なります。)
"C:\Program Files
(x86)\Adobe\Acrobat Reader DC\Reader\AcroRd32.exe" %1
これは、64 ビット版 Windows10に Acrobat Reader DC がインストールされている場合の指定です。
"AcroRd32.exe" のあるフォルダーを正しく指定すること、その後ろに "%1" のみ追記することが、重要です。
なお、印刷するわけではないので、「ローカル・プリンター」は、どれでも構いません。
MVP サーバーの構成の設定 |
2. このバーチャル・プリンターを宛先とした、OUTQ を作ります。OUTQ のパラメーターも、通常の MVP 経由の印刷を行う場合と同じです。
2-1. CRTOUTQ コマンドを入力して、F4 キーを押します。ここでは、OUTQ 名を "MVP" としています。
OUTQ の作成-1 |
- リモート・システム :*INTNETADR
- リモート印刷装置待ち行列 : RPCS ← MVP「構成」画面の「バーチャル・プリンター名」と一致させます。
- 接続タイプ : *IP
- IP
アドレス : MVP が稼働する PC の IP アドレス
- 宛先タイプ : *OTHER
OUTQ の作成-2 |
2-3. 更に次の値を指定します。
- ホスト印刷変換 : *NO
- ユーザー・データ変換 : *NONE
- 宛先オプション : XAIX
OUTQ の作成-3 |
MAPIFS2PRT コマンド |
MVP が PDF を受信した |
受信した PDF ファイルを表示 |
例 : C:\MVP\MappingSpooler\Spool\RPCS
PDF は、バーチャル・プリンター名のフォルダーに保存される |
横にある "?" ボタンを押すと、次のような画面が現れます。
MVP 有効なパラメーターのリスト |
"紙に印刷する代わりに、同じ操作で画面に帳票を表示する" ことによって、ユーザーは受信した PDF ファイルを閲覧して、あるいは検索して、必要なページのみを印刷するという運用に切り替えることができます。
PDF ファイルの自動表示を簡単に実現できるこの方法にも、課題があります。OUTQ の設定で、PC の IP アドレスを特定しないとならないことです。PC の IP アドレスが、DHCP になっている場合には、適用が難しいかと思います。もっと検討が必要です。
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