基本的な考え方は、先ず、縮小印刷の対象となるスプールに対して、Mapping が OS/400 上で縮小印刷結果そのものの PDF ファイルを生成します。
次に、それを PDF ダイレクト印刷可能なプリンターに、OUTQを通して直接印刷する、若しくは、PC 上の MVP(Mapping Virtual Printer) に送信すると、自動的に Adobe Reader とプリンター・ドライバーを使って印刷するというものです。
そのための準備として、帳票設計ツールである"MapDraw"を使って、縮小印刷のための帳票設計を行ないます。ここでは、15インチx11インチ・サイズの連続用紙に印刷していた、横 132桁、縦 66行のデータを、A4 サイズ、横長に縮小するための設計を行ないます。
1. "MapDraw"で新規作成を指定すると、次のようなフォーマットの定義を行う画面が表示されます。"ページ・サイズ"に"A4"、"向き"は"Landscape"(Landscape は、風景画の意味で、通常、風景画は横長です。これはプリンター業界共通の用語です。ちなみに、縦長は"Portrait"、肖像画です)、"フォーマット名"は"SHUKUSHOH"とします。
MapDrawプロジェクトの定義画面 |
2. 横132桁、縦66行のスプール・データをMapDraw上に取り込みます。罫線や固定文字等のオーバーレイを必要としない、単なる縮小印刷であれば、スプール・データの配置を決める"MapF"画面表示に切り替えます。
スプール・データの取り込み |
3. 左側の"MapF"画面上では、初めに、"1行目から66行目までを繰り返す"という意味の"グループ(g1)"を定義します。なお、上余白は、"グループ"の上端とその下の線とで調整するのですが、それは後の全体の位置調整の時に行ないます。
グループの作成 |
4. "グループ"で定義した繰り返しの対象となる"ゾーン"を定義します。"グループ"の中に、スプール・データの"1桁目から132桁目"を"文字"で表示するという定義の"ゾーン"を作成します。
ゾーンの定義-桁とタイプ |
5. "ゾーンのプロパティ"画面で、"フォントとスタイル"タブを選択すると、フォントの種類やサイズ、そして文字ピッチを指定することができます。ここでは、フォントの種類に"MSゴシック"、サイズに"9ポイント"、文字ピッチの値に"23"を指定しました。
ゾーンの定義-フォントと文字ピッチ |
6. 更に"条件"のタブを選択すると、"間隔"欄で、行間隔、つまり行ピッチを指定できます。ここでは、値は"29.63"、その単位は"1/10mm"を指定しています。これは"2.963mm"を表わしています。(細かい数値になっていますが、実際に選択できるのは、0.1mm単位です。)
ゾーンの定義-行間隔 |
7. ここまでの設計の結果をプレビューの画面で確認すると、次の画面イメージのようになり、A4 サイズ横長に縮小されたイメージの設計ができたことを確認できます。もちろん、ここで指定したフォント・サイズや文字ピッチ、行間隔は、プレビュー画面で確認しながら何度か調整した結果で、初めからこれらの値を1回で決められた訳ではありません。
プレビュー画面 |
8. ここで、Mappingを使うことのメリットは、上や左の余白を、"MapDraw"のプレビュー画面上で結果を確認しながら、微妙に調整できる点です。特に左余白は、"ゾーン"の定義で、文字の配置がデフォルトの左寄せの場合は、ゾーンの左端の位置をマウスを使って、あるいは、X 座標の値を直接入力することで、調節できます。前回までお話した PAGES モードのプリンターにコマンドを送信して指定する方式では、左余白の値を予め決めて、それを元に換算する手間が掛かりましたし、その結果を確認するには、実際に印刷してみないと分かりませんでした。この点は大きな違いと思います。
ゾーンの左端の位置 |
1桁目の位置 = 左余白 |
9. 後は、バーコードの印刷方法 - 第5回 もっと柔軟な方法 - Mapping Suite の場合-3 でお話した手順で、PDF ファイルの生成や、その印刷します。もちろん、日々の業務で自動実行するためには、PDF ファイルの生成や自動印刷のコマンドを、既存の CL たRPG プログラムの中に取り込む、若しくは、Mapping の標準機能である ROBOT を設定することが必要ですが、それらについては、Mapping 自体のお話しの機会にご説明します。
次回は、補足として、MapDraw の機能を活用した、"両面印刷"を意識した設計のお話をします。
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