この後は、Mapping Suite自体の説明になってしまいますが、最終的に印刷するまでの流れをご紹介します。
「表紙」と「明細」ページの設計ができたら、スプールの1ページ目には「表紙」、2ページ目以降は「明細」が適用さるかの確認は、同じ"MapDraw"の「マルチ・プレビュー」機能を使うとチェックできます。即ち、画面上の「マルチ・プレビュー」ボタンを押してから、画面右半分に表示されているスプールのページを1ページ目から進めていくにつれ、画面左半分のプレビュー画面が正しく切り替わるかで確認します。
その結果が正しいことが確認できれば、PCL モードを持ったプリンターに印刷する場合には、「プロジェクトの生成」、あるいは、PDFを生成してそれを印刷したり保管したりする場合には、「プロジェクトの生成」と「プロジェクトの関連付け」を行って、AS/400上の"IFS"にある"Mapping"指定のフォルダー"docpc"フォルダーの下に、プロジェクト・ファイルを保管します。
次に、保管されたファイルを、OS/400 のオブジェクトに変換するために、OS/400 上のMappingのメイン・メニューの中「MapDraw フォーマットの取り込み」を行ないます。
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Mapping メイン・メニュー |
これで準備ができました。
< PCL モードのプリンターに印刷する場合 >
Mappingは、OS/400 上で、PCL 形式の印刷データを生成し、それを宛先プリンターの OUTQ に送信して直接印刷させることができます。
コマンドは"MAPCPYSPLF"で、指定するパラメーターは次のとおりです。
1. 対象となるスプール・ファイルを特定するための値、Spooled file(ファイル名)、Spooled file number(ファイル番号)、Job name(ジョブ名)、Job number(ジョブ番号)、User(ユーザー名)
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MAPCPYSPLFコマンド画面 |
2. 適用するMappingのフォーマットの値、Mapping Format(フォーマット名)、Sequence(シーケンス番号、サンプルのように「表紙」と「明細」を条件に応じて適用する場合には、*MRGを指定します。)
3. 送信先のPCLモードのプリンターのOUTQ(Ouput queue)と、そのライブラリー(Library)
4. コード・ページ(日本語のスプールの場合、半角カナか半角英小文字を指定するため、290は1027を指定)
以上の値を指定して「実行」すると、PCL モードのプリンターから印刷されます。開始ページや終了ページ、部数等の指定も一緒に行えます。その他にもPJL コマンドを付加して「両面印刷」等のプリンターの制御も可能ですが、そのお話は別の機会に譲ります。
< PDF ファイルを生成する場合 >
PDF ファイルを生成するコマンドは、"MAPSPLPDF"で、指定するパラメーターは次のとおりです。
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MAPSPLPDFコマンド画面 |
1. 対象となるスプール・ファイルを特定するための値、Spooled file(ファイル名)、Spooled file number(ファイル番号)、Job name(ジョブ名)、Job number(ジョブ番号)、User(ユーザー名)
2. 適用するMappingのフォーマットの値、Mapping Format(フォーマット名)、Sequence(シーケンス番号、サンプルのように「表紙」と「明細」を条件に応じて適用する場合には、*MRGを指定します。)
3. PDF ファイルのファイル名(Name of this file)と、保管フォルダー(Path of the file)
ファイル名は、英数文字の他に日本語も使用可能です。保管フォルダーは、IFS 上になります。
4. コード・ページ(日本語のスプールの場合、半角カナか半角英小文字を指定するため、290は1027を指定)
< PDF ファイルを印刷する場合 >
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MAPIFS2PRTコマンド画面-2 |
PDF ダイレクト印刷機能を持ったプリンターや、Windows ドライバーを使った印刷を行なう場合には、PDF ファイル生成後に、"MAPIFS2PRT"コマンドを使って、それらのプリンターの OUTQ に印刷データを送信します。指定するパラメーターは次のとおりです。
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MAPIFS2PRTコマンド画面-1 |
1. 印刷するPDF ファイルの保管場所とファイル名(File to insert)
2. 送信されるスプール・ファイル名(Spooled file、これは任意の名前で構いません。)
3. 送信先のプリンターのOUTQ(Ouput queue)と、そのライブラリー(Library)
以上ですが、追加のパラメーターで指定できる"Insert this file before"と"Insert this file after"に、IFS上に保管した、PJL コマンドの開始用のファイルと終了用のファイルを指定すると、PDF ダイレクト印刷機能を持ったプリンターの場合は、両面印刷等のプリンターの制御ができます。
以上のコマンドを実運用の中に組み込むことによって、日常運用としてはMappingを意識することなく、印刷したり、PDF ファイルを保存したりすることになりますが、その具体的なお話は、Mapping Suite のご紹介の回に詳しくしたいと思います。