1. APWの使用を前提にすると、"CHGMRG"データを使用すると、スプールのページ単位で異なるフォームを適用する、つまり、位置や種類の異なるバーコードを指定することは可能です。"CHGMRG"データの使用方法に関しては、次の資料(APWのマニュアル)の14ページ目以降にで公開されています。
http://www.ricoh.co.jp/pps/download/pdf/apw_print.pdf
ただ、これは、APWを使用する以上、使用可能なプリンターの制約はありますし、コーディングも大変だと思います。
2. 一般的な Windows Office アプリを使用するとしては、MS Access 上で予めバーコード指定のある帳票設計を行っておき、そこへ、MS Access の機能を使って、AS/400 上の DB から抽出したデータをはめ込んで、Windows プリンターに印刷するという方法が考えられます。この方法では、プリンターから見ると、文字や数字だけでなく、バーコードも全てイメージ・データとして送られてくることになります。従って、読み取り精度を向上させるには、バーコード全体の大きさを調整することになると思います。
3. "帳票ソリューション"を使用する方法は、費用は掛かるものの、既存のアプリケーション・プログラムを変更せずに、柔軟な条件でバーコードを付加した帳票を作成することができるものです。
様々な種類の"帳票ソリューション"が販売されていますが、価格の違い以外に、大きくは次の 2 種類に分けられます。
- OS/400 上で印刷データ(PDF ファイルを含む)を生成するタイプ
- AS/400からスプールを Windows サーバーに受信して、Windows サーバー上で印刷データ(PDF ファイルを含む)を生成するタイプ
それぞれには得失があります。
前者は、Windows サーバーを立てて保守・運用していく必要が無いという大きなメリットがあります。また、運用への組み込みには、ユーザーが馴染んだ RPG や CL のスキルを活用することができます。
後者は、AS/400 側の CPU への負荷が最小限で済むというメリットがあります。
どちらのタイプを選択するかは、価格面も考慮に入れて総合的に判断する必要があるかと思います。
ここからは、筆者が技術サポートを担当している、前者のタイプのソリューション"Mapping Suite"上で、バーコードをどのように指定し、印刷するかをお話します。
"Mapping Suite"では、帳票設計は、"MapDraw"というツールを使って、Windows PC 上で行ないます。
"MapDraw"は、下の画面のように、左右で分かれています。
MapDraw画面(左側オーバーレイ設計画面・右側スプール表示画面) |
右側の画面は、対象となるスプール・データを表示し、それを参照しながら、左側の画面で、オーバーレイ上へのデータの配置を指定していきます。
バーコードを指定するには、下の画面にあるように、バーコードに変換するデータのフィールド(右側の画面で背景が青色になっている箇所)を、左側の設計画面に配置し、そのゾーン(と呼びます)のプロパティ(属性)でバーコードとして表示することを指定します。
ゾーンのプロパティ画面(CODE39を指定) |
- 5 行目の、106 桁目から長さ 9桁を
- バーコード CODE39
で表示することを表わしています。
なお、"Mapping Suite"では、1次元バーコードは専用フォントを使って生成しますので、プロパティの中の"フォントとスタイル"画面で、フォントに"BC39L"を指定します。バーコードの大きさは、このフォントのサイズと、高さ(50% - 200%間)で指定します。
フォントとスタイル画面(フォントにBC39Lを指定) |
ちなみに、2次元コードである"QRコード"は、上の"データ位置"の画面で、バーコードの種類を"QRコード"を選択した上で、"詳細"ボタンをクリックすると、"バーコードの幅"で大きさと、他に"エラー・レベル"を指定します。
プレビュー表示すると、設定したバーコードがどのように表示されるかを画面上で確認できます。
プレビュー表示(青矢印がCODE39) |
では、1ページ目と2ページ目以降で異なる種類のバーコードを異なる場所に表示するには、どのように設計すかを次回、お話します。
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